2020.03.28: 暗証番号に別名称がある事を追加。ログインに関する情報の修整。
2020.03.15: 初出
この10年のあいだで何度か e-Tax を行い、ようやく、ようやくメモをまとめられるレベルまで理解できて来たので、このページを作成しておく。
まずは、e-Tax を使う際に必要な「マイナンバーのパスワード (暗証番号)」について理解するため、個人的に良く分からなかった部分も含め、整理・まとめてみることにした。
ざっくりした話でよければ、前頁の「ざっくり編」がおすすめ
このページでは、もう少し詳しくメモを残しておく。
※過去の躓きなどもメモしているので、多少の愚痴を含んでいる。
このページの内容
このページの対象
「マイナンバーカード」を使って e-Tax したい人。
つまり、下図 (1) または (2) を利用する場合。
▲クリックで拡大
「確定申告書等作成コーナー」で「ID・パスワード方式」などを利用する人は対象外。このページを理解しなくても良いし、マイナンバーカードをカードリーダーで読み込まなくても申告できる。
ただし、会計ソフトで作成した申告データをWeb上でもう一度手入力する必要があり、とても面倒くさくなる。
はじめに
まずはカードの発行や、ざっくりした流れなど、全体的な事を大まかに記載しておく。
カードの入手とIDやパスワードの発行
基本なので一応書く。もう持ってる人は読み飛ばしてOK。
IDやパスワードは、市役所と税務署、それぞれで発行してもらう。(というか自分で設定し、登録してもらう)
- 市役所・区役所
自宅に届いたマイナンバーの「通知カード」を持って市役所・区役所に行き、マイナンバーカードを貰う。この時、パスワードの設定が必要。
※なくしてたら再発行してもらう (免許証など本人確認できるものが必要)。 - 税務署
マイナンバーカード(もしくは通知カード)を持ってに税務署行き、e-Tax 用の ID とパスワードも設定する。(なくてもOK)
ちょいメモ
- 基本、カードやパスワードは本人が出向いて発行してもらう。
また申告に使うパスワードは、誕生日5回過ぎると再発行が必要ものもある。
※たぶん亡くなった人の申告を家族が行わないようにする、とかのためだろう
パスワード入力のざっくりした流れ
ここでは一例として「e-Tax ソフト (Web版)」を使った時の「パスワード入力の流れ」を書いておく。
- e-Tax ソフト (Web版)にログインする
マイナンバーカードが必要
個人を証明してWeb閲覧するための暗証番号が必要
市役所で貰った暗証番号のうち、数字4ケタのものが必要
なくてもOK。税務署発行の利用者識別番号で代用可能。
住所氏名などの個人情報を入力する
マイナンバーカードが必要
カードに登録された氏名・住所を読み取るための暗証番号が必要
市役所で貰った暗証番号のうち、数字4ケタのものが必要
手入力にそんなに手間はかからないので、なくてもOK - 会計ソフトで作った申告データを読み込む
ここでパスワードの入力はない - 電子署名を行う
市役所で貰った暗証番号のうち、英字を含んだ長いのものが必要
マイナンバーカードの読み込みが絶対に必要 - 送信して e-Tax の申告手順は完了
これだけでも、ずいぶんとスッキリと理解できるはずだ。
ここまでで大事な事
以下、このページには小難しい名称がウジャウジャ出てくるが、覚えなくていい。
どうせ1年経ったら忘れる。名称を覚えた人ほどハマりやすいトラップも存在している。
とりあえず e-Tax は、(理解できるようになるまでは)「納税者を小馬鹿にするようなパスワード入力を求めてくる」ように感じるので、入力の都度、ダマされないよう慎重にチェックをする、てな感じで覚えておくとよい。
※追記: 今年も見事に騙されました! > 覚え書き3: 今年も e-Tax はトラップだよ!
このページを何度か読み、何度か申告しているうちに、感覚的に理解できるようになればそれでOK、くらいの軽い気持ちでスタートしよう。
まえおきここまで。以下本題
マイナンバーで利用するIDやパスワードの種類
マイナンバーに紐付いている ID やパスワードの種類は、全部で4つある。それ以外に、税務署発行のIDやパスもある。
それぞれの名称や役割は、以下のようになる。
1. マイナンバー発行時に市役所で貰うもの
e-Tax に限らず、公的な何かに使うパスワード類が発行してもらえる
▲クリックで拡大
1-1. 署名用電子証明書暗証番号 (e-Tax などの電子署名に必要)
↑暗証番号と言いつつ、アルファベットを含むので注意
1-2. 利用者証明用電子証明書暗証番号
↑公的なWebサービスを、本人確認しつつ利用する時に使う
1-3. 住民基本台帳用暗証番号 (住民票発行とかで使う)
1-4. 券面次項入力補助用暗証番号 (マイナンバーカードの情報を読み取る際に必要)
※ 1-2、1-3、1-4 は同じ暗証番号を設定してもOK
チェックポイント
- 市役所で設定したパスワードは、
マイナンバー「カード」を「電子的」に利用する際に必要なパスワードである。
そして e-Tax のサイトに「ログイン」する際には必要ない。 - e-Taxで重要なのは以下の2つ
- 「1-1. 署名用電子証明書暗証番号」
確定申告データを全て入力した後、一番最後の送信直前で入力するもの
会計ソフトのデータで e-Tax したい場合、コイツが重要。 - 「1-2. 利用者証明用電子証明書暗証番号」
e-Tax の申告用ページにログインする際の本人証明に必要。
税務署発行のIDやパスワードで代用できるので、利用しなくても問題ない。 - 「1-4. 券面次項入力補助用暗証番号」
住所氏名などの個人情報の入力を省きたい場合に便利。
補助的なものなので、利用しなくても問題ない。
- 「1-1. 署名用電子証明書暗証番号」
2. 税務署で発行してもらうもの
こちらは e-Tax 専用のID とパスワードが発行してもらえる
▲クリックで拡大
2-1. 利用者識別番号 (e-TaxにログインするID)
2-2. 暗証番号 (e-Taxへログインする際に必要)
↑暗証番号と言いつつ、アルファベットを含むので注意
チェックポイント
- 税務署で貰うIDやパスワードは、マイナンバー「カード」には関係ない。ただしe-Tax のサイトにログインする際に必要で、マイナンバーには紐付いている。ここをしっかり理解しておこう。
- つまりログインするだけなら、マイナンバーカードをカードリーダーで読み取る必要は無い。
- なので「確定申告書等作成コーナー」(全部手入力するe-Tax) を利用する場合、この2つがあれば大丈夫。マイナンバーカードも不要。
- e-Tax のサイトにログインした後 (つまりデータ入力中やデータ送信時) は、これらのID・パスワードは求められない
- コイツだけ、なぜか何の名称もない「ただの暗証番号」である。
- 「ふざけてんのか!」と思ったが、「2-1. 利用者識別番号」に対する暗証番号は1つだけなので、個別名称は不要なのだ。
- それに対してマイナンバー「カード」には4つの暗証番号があるので、それぞれに名称が必要になっている。
基本、上記2枚に書いてあるパスワードを使う。
3. (おまけ) 住民基本台帳カードのパスワード
古い情報なので 読み飛ばしてOK
マイナンバーカードができる前は、この住民基本台帳カードで e-Tax していた。
市役所・区役所で設定・発行してもらう。
※この時代は、税務署に行かなくても利用者識別番号やe-Tax用のパスワードが発行されていた。
▲クリックで拡大
3-1. 住民基本台帳カード用暗証番号 (e-Taxでカード情報の読み取りに必要)
↑現在の 1-2.~1-4. に相当
3-2. 公的個人認証サービスのパスワード (e-Tax などの電子署名に必要)
↑現在の 1-1. 署名用電子証明書暗証番号
3-3. 利用者識別番号 (e-TaxにログインするID)
3-4. 暗証番号 (e-Taxへログインする際に必要)
3-5. 納税用確認番号
ちょいメモ(読み飛ばしてOK)
- この頃、公的個人認証サービスだけ、なぜか「パスワード」だった
- この時代は、「暗証番号」と言えば「3-1」の暗証番号、「パスワード」と言えば「3-2」だったので、e-Tax 用の暗証番号と間違えることは無かった。
- しかし、住民基本台帳カード時代の「公的個人認証サービスのパスワード」は、マイナンバーカードで「署名用電子証明書暗証番号」という名前に勝手に変わっていた。
- 勝手に変えるな! もっと告知しとけ! せめて入力欄に注釈いれろ!
今回まとめてみて気が付いたコト
- 住民基本台帳カード時代は、「2-1」「2-2」に相当するIDやパスワードも、カードと同時に発行されていた。(なので、これらもカードがないと利用できないと思っていた)
- これらはカードを利用しなくても、PC上でIDとパスワードを入力すれば、e-Tax のサイトにログインできたのだ!
ここまでが暗証番号の名称についての基礎知識である。
しかし、上記の名称を覚えていても、実は e-Tax では役に立たない。
実はマイナンバーカードの4つのパスワードには 別の名称 が付いており、e-Tax では基本的に、その「別の名称」が利用されているのだ。
追記&重要: マイナンバーカードの各種「暗証番号」には、別の名前が付いている
地方公共団体情報システム機構という団体が配布している「JPKI利用者ソフト」というツールを使うと、マイナンバーカードに格納された4つの暗証番号は、以下の名称で管理されている。
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全ての名称が「暗証番号」ではなく「パスワード」となっている。
そして市役所で貰ったものとは全く異なった名称になっているものもある。
まったくもって、なんじゃこりゃ!である。
比較すると、このようになる。
▲クリックで拡大
名称もバラバラ、順番もバラバラである。
e-Tax のサイトでは、多くの場合は「JPKI利用者ソフト」と同じ名称が使われているようだが、どちらが使われるかは該当ページを開くまで分からない。
パスワード入力時は、名称に惑わされずケタ数に注目することが望ましい。
各種 ID、パスワード、暗証番号の説明ここまで。
これを元に、最初に書いた「申告時の流れ」をもう一度書くと、以下のようになる。
実際の申告時の流れ
以下、「e-Tax ソフト (Web版)」を利用する際のパスワード入力の流れ。
※詳細な手順は、後日 別ページで解説する。
- e-Tax ソフト (Web版)にログインする
1-2. 利用者証明用電子証明書暗証番号・・・・パスワードとして使う
もしくは税務署でもらったヤツを使う
2-1. 利用者識別番号・・・・IDとして使う
2-2. 暗証番号・・・・パスワードとして使う
この時、マイナンバーカードは不要。 - マイナンバーカードの情報を取得する
1-4. 券面次項入力補助用暗証番号・・・・パスワードとして使う
マイナンバーカード必要(手入力する場合不要) - 会計ソフトで作った申告データを読み込む
ここでパスワードの入力はない - 電子署名を行う
1-1. 署名用電子証明書暗証番号・・・・パスワードとして使う
マイナンバーカードが絶対に必要 - 以上で e-Tax の申告手順は完了
補足
※ デスクトップ版は未確認 ※ 住民基本台帳カードの情報は割愛
まとめ&覚えておくことは以下
- 税務署でもらったID・パスワード・・・・e-tax にログインする時に使う
市役所でもらったID・パスワード・・・・カードリーダーを利用する時に使う - 発行される ID・パスワードは全部で6つ。
この中で、e-Tax につかう ID・パスワードは4つ。
この4つはそれぞれ、利用するのは1回ずつ。 - 「暗証番号」と言いつつ、アルファベットを含んだパスワードの場合があるので騙されない事。※もちろん4ケタの「暗証番号」もある。
- 時々、パスワードの名称を勝手に変えてくるので油断しない事。
例)住民基本台帳カード時代の「公的個人認証サービスのパスワード」は、マイナンバーカードで「署名用電子証明書暗証番号」という名前にすり替わった。
このページの情報は以上
サイト内 e-tax 関連ページ
- パスワードの種類を理解・整理する
- 確定申告書作成コーナーで申告する (一般の人)
- e-Tax (Web版) で申告する (個人事業主など)
- e-Taxソフト(Web版) で確定申告 (自分用まとめ)
おまけ(あとがき)
こうやってまとめてみて、私が過去、ドコを勘違いして、または混乱してして e-Tax に手間取っていたのか、ようやく理解できるようになってきた。時間をかけてじっくりまとめてみた甲斐があった。
余談だが、今回の更新にあたり、過去の私のe-Tax 履歴を調べてみた。
- 2009、2010、2011年と3年連続で e-Tax していたが、2012年は途中まで e-Tax の準備をしつつも 途中であきらめ、紙出力で申告会場に足を運んでいた。
- 3年連続で e-Tax してみても全く覚えられず、申告にかかる時間が短縮できなかったのだ。
- 私の場合、申告会場まで往復1時間くらいだが、プリントして持って行った方が e-Tax するより何倍も速いのだ。
- そして 2016年、久々に e-Tax してみると、上に書いた名称変更(公的個人認証サービスのパスワード → 署名用電子証明書暗証番号)に気が付かず、5回の入力ミスでパスワード失効してしまい、ここで e-Tax を諦める事となった。(「公的個人認証サービスのパスワード」以外の「暗証番号」を総当たりで入力し玉砕した)
いやもう、2度と e-Tax はやるものか!と思っていたが・・・・・ どうやら来年から e-Tax したほうが控除が大きくなるコト、現在は複数人の会計を任されているコト、などの状況もあり、今後はしっかり e-Taxできないとダメだなあ・・・・と感じた次第。
とりあえず来年はスムーズに e-Tax できるよう、頑張って色々とまとめている所。
今年はコロナの影響で確定申告の時期が1ヶ月伸び、また仕事も減り気味となったので、こういう時間が取れることに限ってはとても助かったと思っている。