LoiLoScope2を使って地デジの生TSファイルを読み込み、カット編集し、mp4などの他形式の動画に変換する手順を紹介。
・・・というか、個人的な覚え書です。ある程度注意をすれば地デジTSファイルもLoiLoScope2で編集可能。LoiLoScope2 の動画編集はラクチン&楽しいです!
#いろいろナンクセを付けているように見えるけど・・・気に入ったソフト&手持ちソフトで一番サクサク編集可能だからこそ書いているページって事で(^_^;
関連ページ- これは次世代の動画編集ツール。LoiLoScope2が色々すごかった
- Loiloscope2 のちょっとしたTips
- Loiloscope2 のCUDAを試してみる
- LoiLoScope2 のリサイズで注意する事
- Loilo のCUDAで最適なCQP・IDR値を模索してみるテスト
- LoiLoScope2を使って地デジTSファイルを編集・変換 (このページ)
このページの要点(注意点とか)
- LoiLoScope2で生TSを読み込むと、時々(3~5割の確率で)ワンセグ側を認識する。
読み込み時にチェックが必要。 - 1分程度の短い動画で、一度出力テストを行う。
→LoiLoScope2 のリサイズで注意する事 で書いたリサイズ時の問題が発生していないかをチェックする。 - BonTsDemuxで分離したm2vとwavファイルを直接読み込みたい場合は、Muxしてmkv 化してから使う。
- AviSynthスクリプトを使いたい場合は、AVFS で仮想avi化すればOK。
編集時/変換時でスクリプトを変更しても基本OK。
ただし動画サイズ/フレームレート/色空間の変更はNG。 - FAW の擬似wavの利用は不可。PCM 出力する際も変換が発生する。
LoiLoScope2では映像部分のみを変換し、後でMuxする。
以下、それぞれの項目について詳しく書いてます。
(ワンセグ注意)LoiLoScope2のみでサクっと編集したい
一発でサクッと編集出来る素材もありますが、そうならない場合もあります。
・CMカットが出来れば良い。
・エラー部分がカット出来れば良い。
・とにかくサクサク編集して別形式に変換したい
って場合は以下。
まず、録画した生TSファイルをLoiLoScope2に読み込ませ、本体(1440x1080 Mpeg2)、ワンセグ(320x180 h.264)どちらが認識されているかを確認すること。
▲このように1440x1080サイズの動画として認識された場合は、そのままカット編集を行えばOK。
▲読み込みサイズ「320x180」と表示されていたら、ワンセグ部分が認識されている。
録画した素材の3~5割がこの状態になる感じ。
LoiLoScope2には、複数トラックの認識やトラック切替などのオプションは無い様なので、このまま編集・変換してはいけない。
回避方法
Loilo2 に読み込ませる前に、MurdocCutter または HDTVtoMPEG2を利用する。
この2ツールは TSファイルのカット編集と同時に、ワンセグデータも除去できる。
他にも方法はありそうだけど、個人的にはコレがいちばん楽。
▲HDTVtoMPEG2を使った場合、画面右上の「Channel」と「PIDs」の項目でチェック、ワンセグデータのチェックを外す(通常は初期設定で大丈夫)
この状態でTSファイルを素通しする・または冒頭・末尾の不要部分をカットして出力する。
▲HDTVtoMPEG2 ワンセグデータをカットし、もう一度Loiloに読み込ませる。
1440x1080サイズのMpeg2側が認識されていればOK。
あとはLoiLoScope2側でCMカット編集などを行い、好きなサイズ・好きな形式の動画に変換する。
注意点- 番組本編とCMで音声chが切り替わる番組などは、編集時にCMを全てカットするのが無難。「必ず」という訳ではないが、よくエラーが出る
- 電波状況が悪く、大きなドロップフレームが発生した場合も、その箇所はカットしておく事。変換時に大きく処理速度が落ちる・または変換が止まる。
リサイズする場合は、リサイズ後の画質をチェックする事
「LoiLoScope2のリサイズで注意する事。」で書いた内容になるけれど、HD動画を720x480 / 640x480サイズに縮小したい場合などは、一度短い動画を出力して意図したサイズで出力出来ているかをチェックする事。
(これはうちのコーデック環境がわるいだけなのかもしれない。)
▲真空波動研などを利用して、出力動画のサイズをチェックする。
この画像の場合、縦方向を480px指定したはずが、482pxで出力された。
▲意図したサイズより2pxほど縦に伸びた場合、こんな感じにボヤける。
今のところ良い対処方法がみつけられない。
私の場合、DVDサイズに合わなくても気にならないので、(800x448とか768x432とか)、目的に近いサイズへ変更し、それで満足できている。
何らかの理由で、映像と音声を分離・別処理したい場合
・音声を一旦wav化して安定した状態で編集・変換したい
・AviSynthのフィルタを使いたい
・FAWで作成した無劣化aacを利用したい
などの理由がある場合は以下。
BonTsDemuxで分離・音声をWav化して使いたい場合
BonTsDemuxで映像と音声を分離・音声をwavすると、「音声切り替わり箇所」でのエラーが無くなり、安定してカット編集を行える様になる。
しかし、BonTsDemuxで動画を分離した場合、「拡張子がm2vのまま」ではLoiLoScope2に動画を取り込む事が出来ない。
▲クリックで拡大
エクスプローラ上で拡張子.m2vを.mpgに変更するだけでLoiLoScope2に読み込み可能となる。しかし音声との同期情報を失ってしまうので注意。
▲2時間番組で、6秒くらい音ズレしてしまった。
この場合は、m2vファイルとwavファイルをmkvtoolnixで mkvファイルにMUXしなおせば、「LoiLoで編集可能になる」&「音声処理でエラーが発生しなくなる」&「音ズレの心配もなくなる。」と、色々な問題が解決する。
サイト内参考ページ:地デジTSファイルをmkv化して音ズレ解消
AviSynthのフィルタを使いたい
LoiLoScope2は、直接avsファイルを読み込む事は出来ない。
しかし、AVFS で仮想avi化 すればavsファイルも読み込む事が可能。
PowerDirector やAdobe Premiere elements にAVFSを利用すると、頻繁に強制終了が発生したが、LoiLoScope2は安定している。今の所無茶な編集やっても落ちない。
また、動画変換にGPU処理を利用すれば、殆どの環境でx264などで変換するよりも高速に処理できる。
(私の環境:Core i7 920 3.4Ghz + NVIDIA 9600GTで、CUDA処理の方が15%程度高速)
- avsファイルにGPGPUプラグインを使わない
→フィルタと動画変換の両方をGPUに任せると、大抵の場合、かなり遅くなる。 - avsファイルに音声を読み込まない
→音声付avsファイルの変換は、かなり遅い。
音声は別途LoiLoScope2に読み込ませるか、最後にMUXするのが良い - avs内のフィルタによっては、編集はそれなりに重くなる。
- 当たり前だが、フィルタが重いと編集中のレスポンスが悪く、ストレスが溜まる。
- AviSynthに慣れている人の場合は、CMカットもAviSynth側で行った方が良いかも。
- 今の所、フィルタが重いせいでツールが強制終了する事はない。
- 編集時に重いフィルタを外しておき、変換時のみ有効にする方法もある。
- ただしこの場合、変換する前に編集データを保存、LoiLoScope2を再起動させ、ファイルを読み込みなおす必要あり。
- LoiLoScope2の保存ファイルには動画サイズやフレームレートの情報が入っているので、途中でこれらを変更するとおかしな事になる。
AviSynthが利用出来る場合、以下のような事が可能になります。
・TV局のウォーターマークを除去したい。
・ノイズリダクションなどの処理を加えたい。
・映画素材なので、逆テレシネ処理(30fps→24fps変換)を行いたい。
・リサイズ処理をマルチスレッド化して、少しでも高速に変換したい。
注意
AviSynth
AviSynthは扱いが難しいです。
このサイト内でも解説ページを設けていますが覚える事は非常に多いです。
FAWで作成した擬似WAVを使いたい。無劣化aacを使いたい。
LoiLoScope2の音声出力機能は、かならず変換工程が入ります。LoiLoにはPCM音声出力の機能もありますが、非常に遅い&変換出力されるので、擬似wavが壊れます。
FAWの擬似wavを利用したい場合は、音声はLoiLoScope2に取り込まない事。最後に別ツールでMUXするのが良いです。
- 地デジTSファイルをDGIndexでd2vとaacに分離
- aacをFAWで擬似wav化
- AviSynth+Virtualdubなどでd2vと擬似wav同時に編集
→映像部分をLoiloScope2でmp4に
→音声部分はFAWでaacに戻す
→MUXツールでmkvやmp4にMUX する
LoiLoScope2のお話はこれでおわり
1ヶ月前にさらっと評価したLoiLoScope2でしたが、使い込んでみると相当に面白い&使いやすいソフトだったので、覚え書き含めて6ページに拡大して紹介してみました。
この編集ソフトは、本来HD画質のホームビデオを編集する用途で販売されている事もあり、地デジTS動画を変換する用途などではいろいろと注意点はありますが・・・
1.生TSを直に読み込んだ場合でも 64bit PowerDirectorよりサクサク編集できる
2.CUDAで品質固定できる。CPU変換よりも高速。画質も良い部類。
3.AviSynthスクリプトの読み込みも安定している
この3点でエンコードツールとして見ても、動画編集ソフトとして見ても、LoiLoScope2は非常にお気に入り。
あと、独特のインターフェイスと再生画面上に直接マウスやタブレットでお絵かき出来る機能なども、ユニークでお気に入りです。
初心者用・ホームビデオ用途と侮る無かれ。意外と使える&楽しいです。
公式サイトには30日無料体験版もあり。試してみるべし。