2016.08.23: 元に戻せる期間が10日に短縮された旨を補足。
2016.06.23: レガシーUSBのサポートを無効にしなければならないケースがある旨を追記。
2016.01.16:「シャットダウンが正常に行えない場合」にサイト内補足リンク追加。
2015.12.21: Windows7のUSB3.0関連を書き漏らしていたので追記。
2015.12.15:「複数のストレージ/複数のOSを搭載したPCの注意点」を追記
2015.11.29:「バックアップと復元(Windows7)」でバックアップを取る際の注意点を追記
2015.08.18:「アップグレード前の準備」にISRT、Diskキャッシュツール、OCツールなどを追加
Windows7/8.1から Windows 10へのアップグレードに、失敗しないための注意事項やチェックポイントをまとめたページです。
まえがき
- このページの内容を全部チェックするのは大変ですが、これを怠るとアップグレードそのものに失敗したり、アップグレード後のトラブル対処が後手後手に回り、苦労します。
- 非常に沢山のチェックポイントを記述していますが、これでも書ききれていません。
- このページに書いてある事が全てでは無い事に注意してください。
PCの製造時期やユーザーの使い方によっては、更に注意しなければならないポイントがあります。 - クリーンインストールした方がスムーズにPC環境を構築できる場合が多いです。
- Windows10へ無償アップグレードすると、そのPCは(ハード構成を大幅に変更しない限りは)Windows10 へのアップグレード権が付与された状態になり、プロダクトキー不要でクリーンインストールできます。
- Windows10 TH2 (バージョン1511)以降は、Windows 7/8.1 のプロダクトキーがあればクリーンインストール可能です。アップデートする必要はありません。
- 多くの場合、アップグレードよりクリーンインストールの方がPCを正常に稼働させるまでの時間や労力は短くて済みます。
はじめに
- 現在利用しているWindows 7/8.1に 特に不満が無い場合、急いでアップグレードする必要はありません。
- アップグレードを行う前に、必ず別メディアにバックアップを取ってからOSをアップグレードするようにしましょう。
アップグレードに失敗した場合、(Windows標準の機能だけでは)元に戻せない場合があります。 - 自信の無い人は、アップグレードはしばらく控えましょう。
- メーカーの公式対応を待つ、ドライバが出揃うのを待つ、似た構成のPCを持っている人の成功報告が上がるのを待つ、等々、慎重に行動しましょう。
- 特に「タッチパネル」や「指紋認証」などの機能を搭載したPCは、メーカーが対応した旨を発表するまでアップグレードは控えましょう。
- ネットワークカードが(仮想環境含めて)複数あるPC、ネットワークプリンタを使っている場合は、トラブルが発生しやすいようです。シンプルなネットワーク構成で更新しましょう。
- 無償アップグレードは、予約ボタンまたはWindows Updateを使うのが推奨です。
- 上手くアップグレード出来ない場合は、専用ツールやISOファイルやUSBメモリからアップグレードする事も可能です。
- ※注意
Microsoftはメディアからのアップグレードを推奨していません
またUSB メモリ からアップグレードした場合は、元 OS に戻す際も USB メモリ が必要になります
- ※注意
- 上手くアップグレード出来ない場合は、専用ツールやISOファイルやUSBメモリからアップグレードする事も可能です。
- 無償アップグレードの場合は、元のOSのユーザー設定を引き継ぎます。
パスワードを思い出せないままアップグレードしないようにしましょう。 - 一部のソフト・ツールはWindows10で正常作動しない場合がある事を理解しておきましょう。
- このサイト内では
「Windows 10 TH1 の不具合&トラブル情報(2015年8月版)」
上ページの「アップグレードの後、問題が発生しやすいソフトなど」に情報をまとめています。 - オーバークロックツールや、システムモニター系のツールは削除しましょう。少なくともスタートアップメニューから外す等、常駐解除しておきましょう。
- このサイト内では
ログオンに利用するパスワードについて
- 重要:テンキーのあるPCの場合、「NumLock」ボタンの使い方を覚えておく。必要ならばログオンパスワードを変更しておく
- Windows10へアップグレードした後、ログオンパスワードが入力できないトラブルが稀に発生します。
- 原因
- 「NumLock」が解除され、テンキーが使えない状態になった
- キーボードのドライバが正しくインストールされなかった
(日本語109キーボードと認識されず、@や+などの記号の配列が変わってしまう) - 地域・言語などの設定が日本以外になってしまった。
(これも@や+などの記号の配列が変わってしまう)
- これらの原因により、今までと同じキー入力ではパスワードが通らない場合があります。
- 少なくとも「NumLock」ボタンをON/OFFする方法は覚えてきましょう。
- パスワードに記号を含めている場合は、一時的にパスワードをアルファベットのみに変更しておきましょう。
アップグレードに失敗する理由を確認しておく
サイト内関連ページ
Windows10 アップグレード失敗/ライセンス認証失敗の原因リスト
上リンク先で色々書いています。
- HDDの空き容量不足、CPU 未対応などが、意外な盲点となります。
(個人的な推奨は100GB以上の空きとデフラグ) - ハードが未対応な(汎用ドライバすら用意されていない)PCをISOやUSBで無理矢理アップグレードした場合、その多くは失敗します。
- 中古PCや、修理に出したPCの場合などは、(業者が不正なプロダクトキーを利用していると)Windows10の認証がブロックされる場合があります。
- PC内のWindowsプロダクトキーを確認できるツールを使い、PCケースに張られたシールとPC本体のプロダクトキーが一致しているか、確認しておきましょう。
アップグレード前の準備
念のため、以下の準備をしておきましょう。- 大切なデータのバックアップを取っておく
- Windows標準の「バックアップと復元(Windows7)」でシステムイメージのバックアップを取る場合は、注意が必要です
- 参考リンク
Windows7 を Windows10/8.1 と共存させるときの注意点とは:家庭部PC科 - Windows7と8.1/10のバックアップは共存させないようにしましょう。
- 参考リンク
- Windows標準の「バックアップと復元(Windows7)」でシステムイメージのバックアップを取る場合は、注意が必要です
- ログインに特殊な方法(指紋認証など)を利用している場合は、普通のログイン形式に戻しておく
- IRST、IRSTe、ISRTなども含め、DiskユーティリティやSSD/HDDキャッシュツールは削除する。
- Windows上から管理できるオーバークロック ツール(例: ASUS TurboVなど)は削除する。
- 不要な外付け機器は全て外しておく。
USBメモリ、外付けHDD、プリンタ、USBハブなど。PC構成はできるだけシンプルにしておく。 - ウィルス対策ソフトは、専用ツールを使い完全にアンインストールしておく、または最新のバージョンにアップデートしておく。
- 古いウイルス対策ソフトは、Windows10で正常作動しない場合があります。(例: ノートンの場合)
- 日本語入力ソフトにMicrosoft 以外のIMEを利用している場合は、一旦アンインストールしておく
- Google IMEなどで、Windows10上で再インストールしないと正常作動しないケースが報告されています。
- ISO仮想ドライブ化ツール、フォルダの仮想化など高機能な機能が付いた圧縮解凍ソフト、エクスプローラやブラウザ、右クリックの機能を拡張するようなツールも念のためアンインストール(または拡張機能の無効化を)しておきましょう。
(一部のツールで問題が発生しています。) - RAM Disk、シンボリック、驚速系のツールなどで Windowsの環境変数を変更する使い方をしている場合は、必ず元の設定に戻しておく。
- ページファイルをCドライブ以外に設定している場合も元に戻しておく
- 「マイドキュメント」や「ピクチャ」などの「ユーザーフォルダ」を移動している場合も(心配な場合は)元に戻しておく
- ※私のPC環境では、「ユーザーフォルダ」を別ドライブに指定したままでも問題なくアップグレード出来ました。
- BIOSで「レガシーUSBのサポート」を無効にしておく (一部の機種のみ)
- ごく一部の特定機種では、「レガシーUSBのサポート」が有効なままでは「エラー 0xC1900101-0x20017」が発生し Windows10 へのアップグレードが失敗します。
Windows7の場合の注意事項
Windows8以降、「高速スタートアップ」という機能が搭載されています。
また、ACPIというPCの省電力関連の規格もかなり新しくなっていたり、マザーボードの主流も旧BIOSからUEFIという規格に代わっています。
Windows7時代の古いハードやドライバが残っていると、スリープやシャットダウンが正常に行えない場合があります。
- Windows7からWindows10へアップグレードした後、USB3.0 ドライバは必ずインストールしなおしましょう。(Windows10の汎用ドライバでOK)
- シャットダウンが正常に行えない場合
- 高速スタートアップは無効にしましょう。
- または、マザーボードのチップセットドライバや、ディスクコントローラー、AHCIドライバ、USB機器やビデオカードなどを中心に、ドライバを入れなおしてみましょう。
サイト内参考リンク→ Windows10がシャットダウンできない、再起動してしまう時の対処方法
複数のストレージ/複数のOSを搭載したPCの注意点
PC内に複数のHDDやSSDを搭載している場合などでは、以下に注意しましょう。
- 過去Cドライブとして運用したHDDを、Dドライブなどに「使いまわし」している
- 複数のOSでマルチブート環境を構築している
- OSをカスタマイズして「システム領域」と「ブート領域」を別ストレージに振り分けている
- 過去MBRで使ったストレージをGPTで利用しようとしている(またはその逆)
- 気が付かないうちに(Dドライブなどに) Windowsのシステムフォルダを移動・作成している
上記のように「システム領域」や「ブート領域」が複数存在している場合や、起動用のストレージをカスタマイズしている場合は、正常なアップグレードが出来ない場合があります。
- また、アップグレード前のOSの「Windows標準のバックアップ」が残っている場合、Windows10にアップグレードした後にバックアップ機能が正常に作動しない場合があります。
- 上記リストのようなストレージ構成の場合、アップグレードだけでなく、クリーンインストールした場合でも問題が発生する事があります。
その他 確認事項、注意事項
- 出来れば予約ボタンやWindows Update経由でアップグレードを行う。
- ISOやUSBメディアでのアップグレードは、Microsoft非推奨です。
この場合でも、少なくともWindows7/8.1マシンに予約ボタンが登場するまで待ちましょう。
- ISOやUSBメディアでのアップグレードは、Microsoft非推奨です。
- Cドライブの空き容量を確認する
- Cドライブ空き容量が少ない場合や、デフラグしていない場合は、アップグレードに非常に時間がかかります。また失敗する場合もあります。
- 100GB以上、できればCドライブの半分は空き容量となっている状態が望ましいです。
- 最低でもOSのマスターイメージ(20GB)+移行データ容量の約2倍の空き容量が必要です。
(一般的なPCの場合で、30~40GBと思われる)
- 最低でもOSのマスターイメージ(20GB)+移行データ容量の約2倍の空き容量が必要です。
- またアップグレードによって、HDDの後ろの方に「(通常は)約450MB の隠しドライブ」が追加されます。
- HDDの後ろの方に連続した空き容量があると、このドライブがスムーズに作成されます。
- 空き容量の確保だけでなく、Cドライブのデフラグも行っておきましょう。
- DドライブもHDDとなっているPCの場合は (1 台のHDDが二つのパーティションに区切られていると思われるため)Dドライブもデータ整理した後にデフラグし、連続した空き容量を確保しておく。
- メーカー製PCやノートPCの場合、ストレージの末尾に隠しドライブ(リカバリ領域)が用意されています。
- Windows10が、ここを自身のリカバリ領域としてデータを書き換える場合もあります。
- メーカー指定の手順を調べ、元OSのリカバリディスクも作成しておきましょう。
- CPUがWindows10に対応していることを確認する
- PAE、 NXbitかXDbit、 SSE2に対応している必要性あり。
特にNXbit、XDbit - CPUが対応していても、マザーボードのBIOSで無効化されている場合もあるので注意する
- 参考リンク: Windows10まとめ (5 ポイント / 5.1 システム要件の罠) -VMware Fusion7でも使えるよ♪ | eye4brain
(リンク切れ) http://eye4brain.sakura.ne.jp/wp/blog/2015/07/29/windows10%E3%81%8C%E6%AD%A3%E5%BC%8F%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9/#i-13
- PAE、 NXbitかXDbit、 SSE2に対応している必要性あり。
- Windows10用のドライバを出来るだけ集めておく
- 予約ボタンからアップグレードした場合、ユーザーがドライバをインストールする必要は、基本的にはありません。
- ただし、ビデオカード、オーディオカードなど一部のハードは正常に作動しない場合が多く、ユーザー自身でドライバのアップデートが必要になります。
- 念のため、自身のPC内に入っているハードの、Windows10用の最新ドライバをできるだけ集めておきましょう。
- 最低限準備しておきたいドライバ
(アップグレード後に不具合が出なければ、無理に更新する必要は無い) - 指紋認証、タッチパネル (ノートやタブレットの場合)
- ビデオカード
- オーディオ関連
- LAN機器、無線LAN関連
- SATA、記憶域コントローラ
- マザーボードのBIOS(更新する時は、特に慎重に行う)
- マザーボードのチップセット
- 最低限準備しておきたいドライバ
- ビデオカードがWindows10に対応していることを確認する
- 対応ドライバが出ていない場合は、正常作動しない場合がある。
- 複数のビデオカード (GPU内蔵CPU+ビデオカード) 環境で、出力の優先順位が変わるなどの不具合が多い。
- NIC(ネットワークインターフェイスカード)が対応している事を確認する
- Windows10専用のドライバでなくとも正常作動する場合は多い
- しかしビデオカードと同様、複数のNICが存在するPCの場合、優先順位が変わるなどの不具合が多い。
- ネットワークカードで不具合が出ると、クラウドなどの同期フォルダにも問題が発生します。念のためクラウドツールの常駐や同期は解除しておきましょう。
- Windows 10 の仕様とシステム要件 - マイクロソフト
- ディスプレイは8インチ(解像度は800×600ピクセル)以上
- メモリ
32ビットは1Gバイト、64ビットは2Gバイト - ストレージの空き容量
32ビットが16Gバイト、64ビットは20Gバイト必要
(※注意:アップグレードの場合は、最低でもこの倍の空き容量が必要と思われる) - グラフィックカード
DirectX 9 以上 (WDDM 1.0 ドライバー) - スマホの場合:
- ディスプレイは3~7.99インチ、メモリは512Mバイト(32ビットの場合)、ストレージは4Gバイト必要。
- アップデートのためには4Gバイト以上のSDカードが必要。
- 参考: Microsoft、「Windows 10」の最低システム要件を発表 - ITmedia ニュース
元に戻せる条件を確認しておく
Windows10に無償アップグレードしたPCは、以下の条件を満たしている限り、元のWindowsに戻すことが可能です。
サイト内手順解説ページ
メジャーアップデートしたWindows10を元のバージョンに戻す方法と注意事項
- 無償アップグレードしてから30日以内
※Windows10 バージョン1607(RS1/Anniversary Update)以降は10日以内に短縮された - アップグレード後に、「システムファイルのクリーンアップ」機能を使っていない
- アップグレード後に、「このPCを初期状態に戻す」の機能を使っていない
- アップグレード後に、新規ユーザーアカウントを追加していない
- Windows.oldフォルダ、$WINDOWS.~BTフォルダなどのシステムフォルダを削除していない
- アップグレードの前後でストレージやハードの構成を変更していない
- システムドライブの空きが十分にある(10GB以上または 10%以上)
上項目のルールから外れたPCは、元のWindows7/8.1に戻せなくなるので注意です。
OSを元に戻す場合の注意
正しい手順でOSを元に戻しても、一部のアプリが削除されたままになります。
またOSを元に戻す作業に失敗すると、最悪の場合はOSが起動不能になります。
OSを元に戻す場合でも 念のため(Windows10側も) 別メディアにバックアップをとるようにしましょう。
トラブルの元になりそうなツールや設定の削除、バックアップ、ドライバの準備、心の準備が出来たら、あとは「Windows10 の予約と無償アップグレードの全手順」の通りにアップグレードを進めます。
このページの情報は 以上です。