2015.07.09:サイト内リンクの誤りを修正
面白い中古レンズは無いものか・・・と地元のカメラのキタムラやハードオフを巡っていた所、とても状態の良いNFD 35-105 F3.5を発見。
既に所有しているレンズなのに・・・購入してしまいました。
▲クリックで拡大
左が1年半前に買ったNFD 35-105 F3.5。
右のGH4に付けているのが今回買ったNFD 35-105 F3.5。
※いつものようにアダプタにSpeed Boosterを使ってGH4に取り付けています。
今回見つけたレンズは、レンズの曇りも、ズームリングのガタツキも、私が現在所有しているNFD 35-105 F3.5と比較して格段に良い。価格は7100円。
このレンズはなかなか面白い写りをするんだけど、私の所有していた個体はレンズの曇りのせいか逆光耐性弱すぎ。そしてズームレンズのガタツキでピントがズレまくり、撮影が激ムズい。
この二つが解消できればスゲエ便利だよな・・・と、見つけたNFD35-105レンズを思わず購入してしまいました。
以前の更新では、レンズの修理を検討している旨を書いていたけれど、修理するより、状態の良い中古を買う方が安い事に気が付きました。
んで、結果はグー!でした。バッチグーでしたヾ(*´Д`*)ノ
以下、撮れた写真と共にNFD35-105 F3.5を改めてレビュー。
掲載写真は、補足が無いものは、全てJPG撮って出しです。
ピント操作
あ・・・! メッチャ楽・・・!というのが最初の印象。
やっぱりズームリングに手が触れただけでピントが盛大にずれてしまう、先代のNFD35-105が難しすぎたのだ・・・!
これは良い買い物をしました。
日陰のコントラストが低い被写体でもサクっとMFが合う
▲クリックで拡大
新緑のもみじ。撮って出し。
同じ被写体でもう1枚
▲クリックで拡大:後処理でコントラストと彩度をちょっと上げた。
補正前は1枚目と同じ明るさと彩度。
新緑はちょっと補正するだけですげえ鮮やかになるので嬉しいw
前のレンズと同じ被写体で撮影
▲クリックで拡大 (前のレンズで撮った写真)
ピントの合ってる部分の等倍拡大(新しいレンズ/前のレンズ)
ピント合わせに掛かった労力は半分以下。
こうして比べてみると、コントラストも瑞々しさも全然違いますね・・・。
別ものです。
スナップに人を入れるのもサクサク。
▲クリックで拡大:この写真はRAW現像
前のレンズは、フォーカス併せるのに15~20秒かかっていました。。。
これなら私の腕でも2~3秒で大雑把なフォーカス合わせられる。テキトーに撮っても、3~4枚撮影すれば1枚はピントが来るレベルに到達しました( ̄▽ ̄;)
マクロモード
前のレンズより、ちょっとだけ寄れるようになった気がする。ピント合わせも楽になった。
一番接写した場合
▲クリックで拡大
マクロもサクっとピントが合います。
マクロで一番遠くにピントを合わせた場合
▲クリックで拡大
背景との距離によってはザワザワした感じのボケになります。
被写体までの距離を40~50cm、背景までの距離が70cm~1mくらいの時、ボケはあまりキレイじゃなくなる。マクロモードの最遠距離で発生しやすいです。
無限遠テスト1
特にテレ端105mmで、ビックリするくらい良く映る。
近所の高台に三脚を持ち運んで撮影
▲クリックで拡大
赤枠の部分をピクセル等倍拡大してチェックしてみます。
屋根だけとは言えども、アップで写ったご近所さんの家はさすがにモザイク処理。
広角側の35mm~38mm付近で無限遠が出ない。。。
と言う事で、以下はレンズ焦点距離約40mm、F5.6
RAW現像。中央部分のピクセル等倍。
民家までの距離は約400m。
(Google Mapで尺度計算した)
おおすげえ、400m先の電線がギリギリ写っているぞ・・・!
テレ端 焦点距離105mm中央部の等倍データ(絞りF5.6)
RAW現像。中央部分のピクセル等倍。
400m先の電線がクッキリ。いやっほぅヾ(*´Д`*)ノ
無限遠テスト2
無限遠の性能が予想以上に良かった事に気を良くして、もう少しチェックしたくなった。
近所のハイキングコースに登ってさらに遠影撮影テスト。
しかし今度は手持ち撮影。
1~2Kmの遠影を手持ち撮影してピクセル等倍観賞するのはするのは、さすがに無理があった模様。全部ビミョーに手ブレしてるっぽい画です( ̄▽ ̄;)
テレ端 焦点距離105mm中央部の等倍データ(絞りF8)
RAW現像。
まあこんなものかな?
手前の民家まで約1.5Km、奥の民家までの距離は3Km
(Google Mapで尺度計算した)
うん。想像以上に実に良く写っている。
開放は(仕方が無い事だけど)やや甘くなる。
F11あたりまで試したけれど、周辺まで流れは殆ど無く良く映ってる。
焦点距離70mm中央部の等倍データ(絞りF8)
RAW現像。
中央上部「コーナン」の看板まで約4.5Km。
画像周辺2~3割の部分が流れるようになってくる。
開放で撮影したデータも更に甘くなって来た。
焦点距離70mm中央部の等倍データ(絞りF3.5 開放)
RAW現像
ボヤっとしていたが、絞り開放でもなんとかディティールが残っていた。
JPG撮って出しを確認した時点ではかなり流れた画になっていたので、ここまでディティールが残っていると思わなかった。
70mm時のレンズ周辺に写ってた鉄塔(F8)
RAW現像したもの。
まだまだ許容範囲。
ただ、これ以下の広角を使うと、周辺の流れ具合は急激に悪くなる。前のレンズより酷いかもしれない。
焦点距離40mmあたりの中央部の等倍データ(絞りF8)
RAW現像したもの。
上と同じ辺りを写したもの。
ギリギリ無限遠が出る38~40mm付近では、中央部も画質は悪い。レンズ周辺の流れはスゲー酷い。
ここまでの画質メモ
- 前のレンズはややオーバーインフだったけど、今回のレンズはギリギリ無限遠が出る・・・という感じ。
- その分、最短撮影距離が短くなった(公称スペック1.5mに対し1.3mくらいの撮影が可能)のは嬉しい。ちなみに前のレンズは最短撮影距離2.1mくらいだった。
- 今回買ったレンズは
- 焦点距離35~40mm・・・
ピントが合うのは10mくらいまで。
四隅は絶望的に流れる。中央部分のみが使える・・・という感じ。 - 焦点距離40~70mm・・・
200~300mくらいまではビックリするくらい良く写る。ただし四隅はそれなりに盛大に流れる。 - 焦点距離70~105mm・・・
500~600mくらいまではビックリするくらい良く写る。
四隅もほとんど流れない。105mmの時は四隅の流れは全く気にならない。
- 焦点距離35~40mm・・・
逆光耐性
これもかなりイケる。
やっぱ前に買ったヤツはレンズの曇りが原因で逆光耐性無さ過ぎたっぽい。
ちょっと逆光
▲クリックで拡大
少しコントラスト落ちるっぽいけど、このくらい写るなら全然おっけー。
同じ場所で角度を変えて撮影
▲クリックで拡大:これは補正で少しコントラスト上げた。
かなり逆光
▲クリックで拡大
補正しているように見えるだろうケド、補正していない。無加工。
逆光でコントラストが落ちた失敗写真
▲クリックで拡大
この日は450枚くらい撮って、こういう明らかな失敗は10枚ほど。
前のレンズより全然マシ。思ったより逆光耐性がある!
西日をレンズに入れてみる
▲クリックで拡大
ゴーストは出るものの、フレアで画面が真っ白になる事はない。
実は今回、撮影中のプレビュー画面はかなり真っ白になっていたのだけど・・・記録されたデータは何故かクッキリとした移りになっていた。
ちなみに前のレンズでは・・・
▲クリックで拡大
太陽の角度は同じくらい。空気はこの日の方が澄んでいた。
どう頑張っても画面全体が白く霞んだ。
前のレンズのサンプルおしまい。
以下からは再び今回買ったレンズ。
思いっきりゴーストが写っていた1枚
▲クリックで拡大
光源の位置によってはここまでゴーストが出る。
絞ると5枚羽なのでゴーストも5角形になる。
日中の時間帯のフレームに太陽を入れた写真
▲クリックで拡大
フレアもゴーストも出ないことがある。
オールドレンズのくせに意外と頑張る。
コントラスト・発色
順光時のコントラストや発色は、最近のレンズに引けをとらない・・・と思う。
▲クリックで拡大
前のレンズと同様、赤の発色はかなりキツく、見た時の色より濃く、かつややマゼンダかかった写りになる。
青は前のレンズの方が濃く写った。今回のはだいたい見た時と同じ色になる。
緑はだいたい見た色・記憶の色と同じに写る。
5月の新緑
▲クリックで拡大
後処理や補正なしでこの緑が出るなら大満足です。
上画像の緑は、カメラやレンズが造り出した「不自然な緑」じゃないです。
同じ木をちょっと引きで撮って他の緑と比較
▲クリックで拡大
周りの樹木も一緒に撮るとこの通り。
新緑以外はちゃんと濃い緑や 褪せた緑に映ります。
どっちかというと、このレンズは緑の発色はシビアです。
でも緑が緑になり過ぎないのはとても嬉しい。
ちなみに、以前VARIO 14-140mm /F3.5-5.6で撮った緑
▲ツッコミを入れたくなるほど鮮やかな緑になります。
実際にはこれくらいの色でした。
撮って出しでこんなキレイな色を出されると、私はちょっと萎えちゃうのです(^_^;
今回のレンズで、日陰でかなりコントラストを低く撮った写真
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これも赤は飽和ギリギリとなってしまった。
補正をかけるとこの赤は潰れます。
黄色や緑は結構余裕がある
▲クリックで拡大
同じく日陰写真。カメラ内の彩度の設定を+4まで上げてみた。
ど派手に見えるけど、まだ飽和していない。
曇りの日の写真
▲クリックで拡大
いまどきのレンズと比べたら、コントラストも発色も落ちるかな・・・?
いや、まあコレくらい写れば十分だろう。
白トビ・黒つぶれ耐性
コントラストや発色がよくなった分、残念ながら普通に白トビ、黒潰れが発生してしまう。
▲クリックで拡大:ナンバープレートのモザイク処理のみ
この写真はギリギリで白トビも黒潰れも発生していないけど、本当にギリギリ。
無茶な被写体選びをして露出を考えずに撮影すると、簡単に白トビが発生してしまう。
白トビ・黒つぶれ耐性チェックその2
▲クリックで拡大 (トーンカーブで暗部持ち上げ。)
晴れた日のサイド光。手前の池と林はかなり暗いので空が白トビするのは仕方が無い状況なんだけど、、、前のレンズでは白トビしなかったよなあ・・・。と思うと少し悔しい。
暗所撮影、レンズの明るさ
いつもの暗所テスト
▲クリックで拡大
前のレンズは、公称値から1/3段ほど暗く、スピードブースターを介した開放F3.5でもF2.8相当の明るさにしかならなかったが、今回のレンズは12 -35 F2.8より1/3段明るく写る。きちんとF2.5相当の明るさがある模様。
その他
大気のかすみ、ヘイズの写り
▲クリックで拡大
これも普通の写りになってしまった。
ちょっと大気が水蒸気を含んだだけで普通に霞む。
最初に買ったNFD35-105レンズは元からレンズが曇っていたためか、大気のかすみには異様に強く、(順光 限定だけど)まるでPLフォルターを付けたかのように良く写っていた。
余談
コントラストを高くして、かつ絞って撮影すると、ピーキングが効き過ぎてピントがドコに合っているのか?露出が適正なのか?などが非常に分かり難くなる場合があるんですね(^_^;
▲クリックで拡大:トーンカーブで明るさ補正変更
手前から奥までピーキングのマークが出てたのに、微妙にピンボケだった。
さらに全面にピーキングのマークが出たお陰で露出も分からず、お手上げ状態になってしまった。絞った時はピーキングOFFで撮るべきですねえ。
とりあえず、今回の更新は以上。
あとがき
かなりお気に入りのレンズになったので、上手く撮れた写真を一杯アップしよう・・・!なんて考えて更新を始めましたが、いざ本文を書いてみるとレンズの特徴が顕著にでた写真ばかりを選ぶ羽目になり、気に入った写真は最初の2枚しか出せず・・・微妙に悔しいですビクンビクン。
あとがき その2
購入前は「同じレンズの2本目を買うのはいかがなものか?」と随分迷ったけど、買って良かったです。十分戦力になるレンズだし、何枚も撮影しているうちにMFにかなり自信が付きました。
以前に買ったNFD35-105は売り払ってしまおうと考えていましたが、白トビ耐性が異様にある事と、大気が霞んでいる時でも良く写る事などの特性を考えると、処分するのも惜しい気がします。。。。
しかし、600gもの重量があり、使い道が超限定される古いほうのNFD35-105 F3.5レンズを、次はいつ持ち出すのか全く検討が付かない・・・。
多分二度と使わない気がするけれど、当分の間は古いほうのレンズも処分せず手元においておこうと思います(;´∀`)