2017.08.02: 文末にその後の録音状況を追記
2017.05.18: 初出
表題通り、ボイスレコーダー「DR-07MkII」の録音が途中で止まってしまう問題に悩まされ、解決に時間がかかってしまったので その原因や対処方法メモ。
TASCAM DR-07MKII
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生産終了。後継機 DR-07MK2-JJ あり。
ステレオコンデンサーマイク搭載。
耐音圧125dB SPL。大音量のライブ録音でも音が歪まないスグレものです。
原因および解決策
先に結論から書くと 身も蓋もない話になってしまうが、録音に使っていたmicroSDカードが原因だった。
解決策
- microSDカード を DR-07MkII で完全フォーマットする
- 別のSDカードを使う
上記のいずれかの方法で問題は解決した。
非常にシンプルかつ基本的な問題だったのだけど、問題が解決するまでに1年半かかってしまった。「問題が発生する条件」にはSDカード以外の所で共通項が多く、SDカード以外の問題だと思い込んでしまっていたのだ。
録音が途中で止まるケースの共通点
- 特定のライブ会場の爆音ライブ録音のみ、録音停止が発生する。
- 録音設定が「ピークリダクション」または「リミッター」で発生する。
- 録音が止まるのは、録音開始から10分くらいたった後。
最初の10分くらいはどんなに爆音でも録音できている。
30分~1時間録音出来ていても、1時間半くらい経った所で止まる事もある。 - 1GB、2GBなどのファイルの切り替え時ではない。
- 録音形式は wav、48kHz、24bit
問題発生中にチェックした事象
- 電池は毎回新品を使っている。
- DR-07MkIIは三脚に固定している。録音中は一切触っていない。
- 他の会場で録音しても録音は止まらない。
録音中にピークを越えた後、さらに何らかの要因が加わる事で発生する。 - 録音開始前、どんだけピークレベルを上げておいても問題が発生する。
- 爆音ライブでのみ発生するが、録音レベルがピークを越えた瞬間に必ず止まるわけではない。(一度ピークに達した後であれば)小さな音の時でも録音は止まる。
- 録音設定「オートレベル」でも録音が止まる時もある。
ただし「ピークリダクション」や「リミッター」ほど問題発生しない。 - 録音できたデータには音のひずみやゆがみは発生してない。
- データ的にエラーはない。SDカードのエラーチェックや書き込み速度チェックをしても問題はない。
こんな感じで事前に録音テストしても問題が起きないので、ぶっつけ本番で録音してその度に「疑わしいポイント」を一つずつ潰していくしかない状態だったのだ。
問題解決に1年半かかった理由
SDカードのエラーチェックで問題が無いため、原因がSDカードにあると思わなかった。なので、以下のチェックを怠っていた。
- SDカードの「完全フォーマット」は今まで殆ど行わなかった。
- DR-07MkII の「完全フォーマット」は死ぬほど時間がかかるのだ。
撮影日の前日準備でSDカードの完全フォーマットしたくなかったのだ。あと、DR-07MkII には 新品SDカードを使っていなかった事も原因。
- DR-07MkII の「完全フォーマット」は死ぬほど時間がかかるのだ。
- SDカードの記録速度が劣化していたかもしれない。
- SDカードが新品なうちはデジカメの動画撮影に使い、10~20回フォーマットをした時点でDR-07MkII の録音用にまわしていた。
- DR-07MkIIでは、フォーマットせずファイルを1つずつ消していくような使い方をしていた。たぶんファイル構造の断片化がとても酷い状態になっていた。
- 先に挙げた「完全フォーマットに死ぬほど時間がかかる」問題で、ここ3年くらいは同じSDカードを使いまわしていたのが1番の敗因かもしれない。
その他の考えられる原因1
問題の会場は、DR-07MkII の設計を超えた音量が出せるのかもしれない。もしくはピークの設定を追い込みすぎかもしれない。
あと2~3回 録音してその全部で録音停止が起きるのなら、この会場+この機材の利用は諦めよう。
その他の考えられる原因2
似たような症状がネット上で拾えないか探してみた
- 価格.com - 『使用感』 オリンパス LS-10 のクチコミ掲示板
メーカーや機種違うけど、↑こんなのがあった。
電池の消耗が激しい。電池の一時的な電圧降下も考えられる。
あと、衝撃にも弱そう。
という事で、今回SDカードを変えて録音成功したのはひょっとすると偶然かもしれない。
- 録音に失敗した時、成功した時、いずれも電池は新品。
電池メーカー、購入日、購入場所も同じ。
(家電量販店で8本セットで安売りしているヤツ。メーカーは忘れた)
- 電池のセンはとりあえず消そう。
- 爆音の振動 や 床の振動で、電池もしくはSDカードの接触が一時的に悪くなって録音停止した可能性も残っている。
- 私が録画・録音しているステージでは、この会場のスピーカーが一番お腹にズンズンくる。
- 問題の会場は (体感できないレベルだけど) 床がすごく揺れる。
- ライブ会場は、鉄筋の建物だけど 3階にある。
演者が軽く飛び跳ねるくらいの動きをしても、三脚撮影しているビデオカメラの映像がブレるくらい床が揺れる。
(35mm換算で70mm以上の望遠域では素人でも気になるレベルのブレが起きる)
(野球やサッカーのTV中継でも観客が一斉にジャンプすると起きるブレ。演者一人のジャンプでも発生する)
(スピーカーの爆音ではカメラのブレは発生しない)
ここまで書いて気が付いた。
次の録音テストの時、テスト中に機材を何度か叩いてみよう。それで録音が止まらなければ問題はSDカードのみにある。機材の振動で録音が止まった場合は何かしらの防振対策を取るか、機材の変更が必要、という事になる。
2017.08.02追記
全く問題おきなくなった。
問題が発生していたのは、やはり「SDカードのみ」と考えても良さそう。
最近2か月間の録音状況
- SDカード交換後は爆音ステージの録音すべて成功している。
- 床が揺れても関係なし。「箱馬の上に (タオル1枚挟んで) DR-07MkIIを設置する」などという音の振動をモロに受けそうな録音環境でも、最後まで録音できた。
- 100均や異様に安売りしている電池の利用はやめている
安物電池の「一時的な電圧降下」のセンも消えなくはないが、SDカードの劣化が録音の成否に大きく影響を与えていると実感できた。