2018.06.27: ページタイトルの変更と古くなった内容の微調整
2018.03.24: エラー 0x800F0922、0x800F0923などにも対応
2018.03.16: 初出
Windows 10 バージョン 1709 の 累積更新プログラムが更新に失敗する場合の対処方法を紹介したページです。
更新プログラムのインストールが延々と失敗し続けているPC環境が対象です。
主に 2018年2月の KB4074588 や 3月の KB4088776 が対象ですが、4月以降も一部のPC環境ではこのページに記載した問題が発生している模様です。
このページでは、複数の原因と複数の対処方法を紹介しています。PC環境によって異なった問題が発生しているようで、一筋縄では行かない状況が発生しています。
ページ内リンク
- ケース1: Microsoft アップデートカタログを利用している場合
- ケース2: エラー0x80070002 または 0x80070003 の場合
- ケース3: エラー 0x80070bc2 や 0x80070422 の場合
- ケース4: 複合的に問題が発生している場合に注意
- ケース5: まだ正常にアップデートできない場合
※0x800F0922 や 0x800F0923 を繰り返す場合はこちら - まだ解決しない場合
- 個人的メモ
2018年2月の KB4074588 あたりから延々と失敗し続けている人は、ケース5 または ケース1とケース3を先に疑ってみるのが良いと思われます。
ケース1: Microsoft アップデートカタログを利用している場合
累積アップデートの更新に Microsoft アップデートカタログ を利用しているユーザーは注意です。
- 2018年1月の累積アップデート (KB4056892) の差分パッケージをインストールした場合、2018年2月および3月の更新プログラムをMicrosoft Updateカタログからインストールする際に問題が発生する場合がある。
- 具体的には、KB4088776、KB4074588 など2月以降の累積更新プログラムは「エラーコードやエラーメッセージは表示されないが更新ができない」という状態となる
- これはKB4088776 のサポートページ「既知の不具合」にも記載されている情報です。
- またサポートページには Enterprise版向けの情報として掲載されていますが、KB4056892 の差分パッケージをインストールしていると Enterprise版以外でも問題が発生する場合がある模様です。
- 補足解説
- Microsoftは現在、以下3つの差分パッケージを期限切れとし、アップデートカタログから消去しています。
KB4056892 - 2018年1月
KB4074588 - 2018年2月
KB4088776 - 2018年3月 - なお、2018年4月の累積アップデートでは差分パッケージの配信を再び利用できるようにするとの事です。
- Microsoftは現在、以下3つの差分パッケージを期限切れとし、アップデートカタログから消去しています。
このケースの対処方法
- KB4056892の差分更新パッケージをアンインストールする
- KB4073291、KB4058258、KB4077675、KB4074588、KB4090913など(2018年1月~3月の累積アップデート)がインストールされている場合、それらも削除してみる(新しいものから順に削除するのが望ましい)
- KB4056892をアンインストールした後は、最新の累積的な更新プログラムをインストールする
- Microsoft Updateカタログのフル版、Windows Update経由、どちらを利用してもOK
ケース2: エラー0x80070002 または 0x80070003 の場合
これらのエラーは、最近のWindows Updateではありがちなエラーです。
この問題は、サイト内別ページでも解説を行っています。
エラー0x80070002対処法ページ
以下はリンク先のダイジェストです。
エラー0x80070002 の場合
- エラー0x80070002のよくある原因
- サードパーティ製のセキュリティソフトが更新に必要なシステムファイルを保護している
- Windowsのシステムファイルに異常が発生している
- Windows Updateがチェックするファイル、またはフォルダが見つからない
- サードパーティ製のシステムメンテナンスツールやドライバ削除ツールが、Windows Updateに必要なファイルを削除 (または変更) してしまった
- この問題の対処方法1
- トラブルが軽微な場合は、「OSのクリーンブート」や「セキュリティソフトの一旦停止」が有効です。
- コマンドプロンプト(管理者)で「sfc /scannow」や「DISM /Online /Cleanup-image /Restorehealth」を実行するのも効果的です。
- 「sfc /scannow」や「DISM~~~」の後、トラブルシューティングツールの実行が必要な場合もあります。
- トラブルシューティングツールの解説は以下ページで行っています。
Windows updateができない・失敗をくりかえす時の一般的な対処方法
※ 追記が多くなっており読みにくくなっています
※ ダウンロードして実行するタイプのモノの方が効果が高いです。
- トラブルシューティングツールの解説は以下ページで行っています。
- 効果がなかった場合、次項「エラー0x80070003」の対処方法2 (重症な場合) に進みます。
エラー0x80070003 の場合
- エラー0x80070003のよくある原因
- Windows Update 構成ファイルに不整合が発生している
- サイト内解説ページ
Windows Updateのエラー 0x80070003 の対処方法
- この問題の対処方法1 (軽症の場合)
- システムの復元を行い、Windows Update をやり直してみる
- 各種トラブルシューティングツールを利用する (リンク先にダウンロードリンクあり)
- この問題の対処方法2 (重症の場合)
- Windows Updateのエラー 0x80070003 の対処方法
↑このリンク先「まだエラーが消えない場合」のコマンドプロンプトの手順を行います - コマンド (コピペでOK)
net stop usosvc
net stop dosvc
net stop wuauserv
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren %systemroot%\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren %systemroot%\System32\catroot2 catroot2.old
del "%ALLUSERSPROFILE%\Microsoft/Network\Downloader\qmgr0.dat"
del "%ALLUSERSPROFILE%\Microsoft/Network\Downloader\qmgr1.dat"
net start msiserver
net start bits
net start cryptSvc
net start wuauserv
net start dosvc
net start usosvc - 重要: コマンド実行後はリンク先の手順でバックアップファイルを削除する必要があります。(削除コマンドを実行していない場合、このコマンドを2回目に実行した時にエラーが出てしまい、効果が出なくなります。)
- Windows Updateのエラー 0x80070003 の対処方法
ケース3: エラー 0x80070bc2 や 0x80070422 の場合
こちらのページ (answers.microsoft.com)で発見した対処方法。
2018年2月の KB4074588 用の記事なのですが、それ以降の累積アップデートでも有効な模様です。
(ひょっとすると「ケース1」と同じ問題なのかも?)
- この問題の原因と対処方法
- ちょっと謎なのですが、trustedinstaller のサービスが正常に実行されていないケースがあるらしく、trustedinstaller のサービスが自動実行されるよう設定するだけでエラーが解消する模様です。
- チェックポイント
- Windows Update 無効化ツールや、 (自動メンテナンス無効化などの)Windows の高速化ツールを常駐させている場合、それらのツールを停止してから 更新を開始する
- 具体的手順
- コマンドプロンプト (管理者)を起動
- 以下コマンドを入力
「SC config trustedinstaller start= auto」 - PC を再起動する
- 「設定」>「更新とセキュリティ」を開く。
- 「今すぐ再起動する」など再起動ボタンが表示される・・・・この場合はもう一度再起動する
- 「更新プログラムのチェック」ボタンが表示される・・・・そのままWindows Updateしてみる
- まだ問題が解消しない場合
- 「ケース2」の 0x80070003 の対処方法2 (重症の場合)を実行してみる (コマンドプロンプトのやつ)
- 個人的メモ
- この問題は、海外・国内両方で一定数発生している
- trustedinstaller が正常動作していないのは何が原因なんだろう?
- PC高速化 や Windows Update 無効化などで変なツールまたはTipsが広まっているのだろうか?それとも 一部PC環境で何か問題が発生しているだろうか?
ケース4: 複合的に問題が発生している場合に注意
上記の「ケース1~3」が複合的に発生している場合は注意です。
この場合の手順
- まず、1~2月分の累積更新プログラムを削除
- 「ケース2」の手順で「SoftwareDistribution」フォルダの削除など Windows Update 構成ファイルのクリアを行う
- その状態で「ケース3」の「trustedinstaller の有効化」を行う
- PCを再起動する際には「ケース2」の手順通り「Windows のクリーンブート」を行うようにしましょう。
この状態で Windows Updateを行なえば、問題の更新プログラムは無事インストールできるかと思われます。
ケース5: まだ正常にアップデートできない場合
エラー 0x800F0922、0x800F0923などで繰り返し失敗する場合は、「保留中」となった更新プログラムが残っている可能性があります。
この場合の対処方法
- Windows Update のエラー 0x800F0922、0x800F0923、80073712 の対処方法
- Windows Updateに失敗しWindows が起動しなくなり、なおかつ更新が「保留中」となっている場合の対処方法
この場合、(再起動ループが発生していなくても) 上記手順のように「回復環境から DISM を利用した問題の起きているKBのアンインストール」が必要になる場合があります。
まだ解決しない場合/上記の手順が難しいと感じる場合
ここまでの手順で解決しない場合や、紹介した手順を実行する自信がない場合は「Windows の上書きインストール」を行ってみます。
サイト内手順解説ページ
「上書きインストール」の場合、クリーンインストールやPCのリフレッシュなどと異なり、インストールしたアプリはそのまま残り、個人設定の初期化も最小限に抑えた状態でWindows システムの異常を修復することが可能です。
このページの情報は以上です。