Premiere Proで編集した長尺動画(約2時間)を元にEncoreでブルーレイ素材を作成すると、かなり高い確率で音ズレが発生しちゃう問題がようやく解決しそうなのでメモを残しておく事に。

原因は二つありました。
編集方法とオーサリング方法、両方で問題が出るようです。

原因1: 音声と動画が1フレーム分ずれる

Premiere Proで編集した動画を、「インをマーク」・「アウトをマーク」で切って出力した場合、音声と動画が1フレーム分ずれる。

書き出し出力で音声が1フレーム足りなくなる
▲出力した音声と動画をタイムラインに登録した状態。
映像が1フレーム余計に付け足された状態になる。
例えば元動画が2時間前後あり、こういう感じで「15~20分」区切りで編集し、何も考えずに10~15本に分けたファイルをつなぎ合わせると最終的に大きく音ズレする。

これは過去のメモ更新
 ・Premiere Pro CCの「アウトをマーク」
 ・Premiere Proの音ズレで再び悩む
あたりでも書いていた、既に気が付いていた現象。
当時は「音声が1フレーム足りなくなる」と思っていたけど、どうやら「映像が1フレーム増える (アウトをマークした次のフレームも含まれる)」という挙動になっている感じ。

そして、以下が今回 はじめて気が付いた現象。

原因2: オーサリングツールによって音声と動画の同期が異なる

オーサリングツールによって、音声と映像の同期が違う感じ。
オーサリングツールによって、音声と映像の同期が違う
▲クリックで拡大
 ・オリジナル動画
 ・オリジナルをX264で(AVCHD準拠なh.264 RAWに)変換した後に
   ・Encoreでオーサリングした動画
   ・tsMuxerでオーサリングした動画
この3つをPremiere Proのタイムラインに登録してみると、元は全く同じフレーム数の動画なのに、tsMuxerでオーサリングしたファイルは再生時間が大きく異なっていた。(11個にファイルを分けて9フレーム(0.3秒)分ずれていた)

スポンサー リンク

問題点の箇条書き

  • 「tsMuxerでオーサリングした動画」は、Premiere Pro上で再生すると動画後半は激しく(0.3秒/9フレーム分)音ズレする。
  • MPC-HC、VLC Media Player、PowerDVDなどで直接再生する分には音ズレしない。
  • しかし最終的にEncoreでブルーレイ化する際、
    • 「tsMuxerでオーサリングした動画」を利用すると、音ズレが発生するDiscが出来上がってしまう。
    • 動画ソースにh.264 RAWをそのまま使った場合は音ズレは発生しない。

ちなみに音声側は、2時間14分経過した時点でも全くズレていない。
音声側は全くズレていない
▲クリックで拡大
あくまでも動画側、またはオーサリング時の音声同期の方法が違う感じ。

上記「原因1」や「ドロップフレーム/ノンドロップフレームのカウント方法」などに気を取られ過ぎていて、今までこの現象に気が付かなかった。

解決方法

x264を使ってブルーレイ規格のH.264動画を出力する場合、出力時のフォーマットをRAW形式にするだけでなく、その後のオーサリングにはEncoreを使う。

もしくは、tsMuxerなどのフリーのオーサリングツールを使う場合、もう一度勉強しなおしてキチンとパラメータを設定しなきゃダメ(^_^;

あとがき

うーん。
再生ソフトでは音ズレせず、Adobe製品で編集したりオーサリングしたりする時だけ音がズレる・・・って現象そのものはいまだに謎。
だけど、とりあえずこの問題を回避する方法だけは分かった。

おまけ: H.264動画の出力にx264を使う理由

x264を使う理由というより、Premiere Pro を嫌う理由です (^_^;
「H.264化も音声とのMUXも Premiere Proで済ませば良いじゃない」という考えもありますが、私はPremiere Pro のH.264エンコードを信用していないのです。

  • CS5時代、「クロスフェードを多用した動画」や「スモークをガンガンに炊いたライブ動画」をPremiere Pro のH.264でエンコードするとごく稀に映像が破たんする現象を確認しています。※当時の記録サンプル画像
  • この経験してから「1~2時間のライブ映像」をPremiere Pro の H.264でエンコードすると「その後で超々念入りな画質チェックが必要になる」という強迫観念を持ってしまい、問題が起きてから4年以上経過した今でも、一旦別の形式で中間ファイルを出力してからx264でブルーレイ規格にエンコードしています( ̄▽ ̄;)