先日書いたドロップフレーム/ノンドロップフレームに関するお話の続き。
このお話の前編はこちら
私は、10年前の失敗を引きずってて、的外れな所で悩んでいたみたいです(^_^;

最初にまとめ

あれ?音ズレしてるぞ?
と思ったら、複数の再生環境や、再生ソフト、動画編集ソフトに音ズレ素材を放り込んでみよう。ファイルは正常で、一部の環境のみで音ズレが発生しているかもしれない。

あと、無理にノンドロップフレームでの動画撮影や動画出力にこだわるのはやめておこう。動画編集ソフトの初期設定(ドロップフレームタイムコード)で編集するのが無難ですねえ。

音ズレの原因は再生ソフトだった

「Premiere Proで出力した長時間動画を再生すると音がズレちゃう」原因は、再生ソフトを変更する事で皆無になりました。

 ・音ズレ発生は、MPC-HCを利用している時のみだった。
 ・デコーダー/スプリッターはLAV Filtersを利用。
 ・1~2週間前に設定を変更したばかりで、音ズレの確認してなかった。

LAV Filtersをどう設定していたか
Premier ProのCUDAアクセラレータを有効にしていると、LAV FiltersのGPU処理が(動画編集中の再生確認作業と)干渉しやすかった。

なのでLAV FiltersのGPU支援を無効にして、インターレース処理はBOBに指定、インターレース素材が滑らかかつクッキリ映る事を優先して設定変更していました。それが原因だったみたい。

 ・PowerDVDやVLC Media Playerを使ったら、全然音ズレしない。
 ・MPC-HCを使った場合でも、スプリッター類を変更してやれば音ズレしない
 ・音声デコーダーをLAV Filters以外のモノへ変更するだけでも気にならないレベルまで解消できた。

つまり、先日行ったむりやり音を合わせる作業
4分割
▲クリックで拡大
これは全くの無駄だったワケです(^_^;
Premier上のシーケンスで音と映像が同期していたら、通常の再生環境ではちゃんと再生できます。。。。orz

GH3の音声の切れ

PHOTOfunSTUDIOを使ってPCに取り込めば、ファ入り切替時の音声のブツ切れはなくなりました。

また、PHOTOfunSTUDIOを使わなくても、GH3の録画ファイルをPremiere Proに読み込んだ後、ファイル別に音声ファイルのみをwav出力してやる事でも、切れている音声が復活しました。

デジカメGH3のノンドロップフレーム
▲Premiere Proの書き出しで「WAV」を選んで音声のみを書き出すと、この6フレーム分の空白の音もしっかり出力できました。
上記の状態のまま、一気にmpeg2やmp4に出力すると音声が切れちゃうみたいです。。。

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ボイスレコーダーDR-07MkIIの音ズレ

これはドロップフレーム/ノンドロップフレームとは関係ない感じ。
録画・録音機材で微妙に同期がずれる現象については、もっと何回か経験を積まないと何ともいえない。

とりあえず、自分の手持ち機材では、1時間以上の連続撮影する場合は100.01%分または99.99%ほど時間を伸張または圧縮する必要がある(という場合もある)、と覚えておこう。

Premiere Proで編集・出力したファイルの再生時間の確認

ドロップフレーム、ノンドロップフレーム、どちらの設定で出力しても、(再びPremiere Proのシーケンス上に登録した際に)再生時間の違いはない。
シーケンス上での再生時間に違いはない。
▲再生時間は一致した。
どのフレーム部分で再生しても、映像・音声共にズレは無かった。
やはりドロップフレーム、ノンドロップフレームの処理は、再生ソフトで出力する際に制御されるモノみたい。

VirtualDubModやAviSynthに通してみる

ちょっと古いツールの話になるけれど、今回のmpeg素材をVirtualDubModやAviSynthを通してaviに変換してみた。
10年位前、mpegキャプチャボードでキャプチャした素材を変換する際に、散々音ズレに悩まされた組み合わせ。

シーケンス上での再生時間に違いはない。
▲なんと、ドロップフレーム素材、ノンドロップフレーム素材、両方とも音ズレは発生しなかった。また再生時間を見てみると、どちらもドロップフレームタイムコードとして処理されている感じ。

でも、フレーム処理もタイムスタンプ処理も、ドロップした形跡を発見できない。どこでどういう風にドロップが発生しているのか謎。。。

VDM出力したavi素材を再びPremiere Proに読み込んでみる
VDM出力したavi素材を再びPremiere Proに読み込んでみる
▲クリックで拡大
フレーム、音声、共に元素材と完全に一致。1フレームのズレも無い。

うーん。10年前と今とではVirtualDubModもAviSynthも利用しているバージョンが違うし、過去と同じミスが発生する事はなくなっているのかなあ。

しかし再生してみると・・・・おかしな事に・・・

マルチプレクスの方法や、再生ソフトによって、再生時間や音ズレに変化が生じた。

用意した素材(いずれもPremiere Pro CS5で出力)
・A:ノンドロップタイムコード、マルチプレクサDVDで出力
  (Premiere上の)再生時間 2時間14分19秒
・B:ノンドロップタイムコード、マルチプレクサなしで出力、tsMuxerGUIでMUX
  (Premiere上の)再生時間 2時間14分19秒
・C:ドロップタイムコード、  マルチプレクサなしで出力、tsMuxerGUIでMUX
  (Premiere上の)再生時間 2時間14分28秒

MPCやVLCで再生した場合
MPCの場合
▲A~Cの全てが再生時間2時間14分28秒となった。
ドロップタイムコードで出力されている感じ。
デコーダーとスプリッターに気を使えば、MPCでも音ズレは発生しない。

PowerDVDの場合
PowerDVDの場合
▲「A」のノンドロップタイムコード、マルチプレクサDVDで出力したモノだけ、再生時間が異様に短くなってしまった。

5分くらい短い。しかも、動画の前半は映像が0.3秒くらい早くなり、音ズレ現象が発生している。(後半に行くに従い、音ズレは小さくなって行き、後半1時間くらいは全く気にならないレベルになる)

これは、再生ソフトや再生機器によってかなり違いが出るという事なのか。。。
これは面倒臭いかも。。。

Adobe Encoreに読み込んでみる

上記の動画A~Cは、全部「ドロップフレームタイムコード」に変換された。
全部「ドロップフレームタイムコード」に変換された。
▲うーむ。Adobe Encoreを使う場合は、ドロップフレーム固定なのか。
ノンドロップフレームの素材も、オーサリングの時にすべてドロップフレームタイムコードになってしまうらしい。
もちろん、出力した動画は音ズレ発生しなくなった。

 

あとがき

昔々に悩んでいたような音ズレは、今のPCや編集ソフトでは発生しないモノなんだなあ。。。と実感。VirtualDubModもAviSynthも、この6~7年はほぼバージョンアップが無い状態だったので、速く気が付けよ俺って感じでした('Α`)

こういう音ズレはファイルの問題よりも再生環境の問題なんだなあ。と改めて気が付きました。
動画出力時、再生時共に、中途半端に環境にこだわると場合によっては大きな音ズレが発生する。徹底的にこだわるか、もしくは何も考えずにドロップフレームで出力しておくのが良いみたい。

また、話をGH3に戻すと、カメラの設定で「ノンドロップフレームで撮影できるぞ~」とかワクワクしていたけれど、手持ちの動画編集環境では気にしない方が良いみたいです('Α`)

 

「ノンドロップフレームで長時間動画を出力してみよう」という当初の目的は果たせなかったけれど、ドロップフレームに対する理解を深める事が出来た。
今回はこれで良しとしておこう。