2017.08.02: ページ後半の「SDカードとカメラの相性?」の箇所に追記&修正
2017.06.09:「追記(古いメモ)」を追加
2017.05.13: 初出
Premiere Pro CC で「MTS ファイルのプレビューが極端に重い」という現象に何度かぶち当たり、解決(というか原因探し)に手間取ったのでメモ。
まずは一般的な解決方法 (手元のMTSファイルでは解決しなかったもの) を紹介し、続いて手元のPCで発生した「例外的な問題」の原因と対処方法を紹介しています。
手元のPC環境
CPU: Core i7 3930K
GPU: Nvidia GTX 1070 (2016年8月までは R9 280X)
Premiere Pro のバージョン: 2015 と 2017
PCやビデオカードのスペックは十分に満たしている状態。
症状はこんな感じ
- とにかくMTSファイルのプレビューが重い。エフェクトやフィルターを掛けない素の状態のMTSでもプレビューがカクつく。
- メディアへの書き出しはスムーズに進む。プレビューより書き出しの方が10~20倍速い。
- GH4などで撮影した4K動画は「解像度1/2」で実用範囲内のプレビューと編集が可能。
- ビデオカードを交換 (RADEON R9 280X と NVIDIA GTX 1070) してみるが、どちらも同じ症状が出る
MTSファイルのプレビューが0.1FPSくらいになり、マトモに編集できない。
4K動画の編集では問題は起きないので、「スペック不足でMTSがプレビューできない」という訳ではない。
一般的な対処方法1:
プレビューの状態チェック
- 「ファイル」>「プロジェクト設定」のチェック
▲クリックで拡大
「レンダラー」が適切に設定されているかチェックする。
「レンダラー」をソフトウェアとハードウェアで何度か切り替えて見るのも効果的。 - プレビュー画面を右クリック
▲クリックで拡大
「再生時の解像度」を下げてみる。
「高画質再生」のチェックを外してみる - 「ウインドウ」で以下を確認してみる
▲クリックで拡大
「Lumetriスコープ」「リファレンスモニタ」「タイトル (テキスト編集画面)」などのプレビューを切ってみる - 「編集」>「環境設定」
▲クリックで拡大
「バックグラウンド作動時のビデオ出力を無効にする」にチェックを入れてみる
一般的な解決方法2: キャッシュ削除
プレビューの設定変更で問題が解消しない場合はキャッシュの設定を確認し、必要に応じてキャッシュの削除を行う。
- Premiere Pro CCのキャッシュを削除してみる
- サイト内参考ページ
Premiere Pro CC のキャッシュの場所
- サイト内参考ページ
- 動画・音声ファイルを保存しているフォルダをリネームしてみる
- 動画・音声ファイルを別ドライブに移動してみる
- 動画・音声ファイルを保存しているストレージや、キャッシュを置いたストレージをデフラグしてみる
- キャッシュの場所を別ストレージに移動してみる
- 動画・音声ファイルを保存しているストレージに対して chkdsk を行ってみる。
- サイト内関連ページ
Premiere Pro CCでMTSファイルだけ読み込めない/特定のファイルだけ読み込めない
「chkdsk /r」でなければ問題が解決しなかった体験あり。
- サイト内関連ページ
一般的な解決方法3: しばらくPCを放置する
プレビューが重い動画を読み込んだ状態のPremiere Pro CCを起動した状態で、PCをしばらく放置するだけでも問題が解消する場合がある。
- 既に「キャッシュは生成済み」という状態になっている、という場合でも、そこから5~6分ほどPCを放置しておくとプレビューが軽くなる。
(※1~2時間放置が必要なケースもあった) - タスクマネージャを開いてPCの状態をモニタリングしてみても、Premiere Pro CCが特に何かの処理をしているようには見えないが、PC放置だけで解消する場合があるので不思議。
一般的な対処方法はここまで。
以下、一般的な対処方法で解決しなかった問題。
というか、私の場合は以下の解決策しか見つける事が出来なかった。
私の取った解決策: Premiere Pro CC 2014 を使う
Premiere Pro CC 2014 を使うだけで、何故か MTS ファイルのプレビューはとてもスムーズになった。
補足: 古いPremiere Pro をインストールする方法
▲クリックで拡大
Adobe CCのサブスクリプションは、過去バージョンの利用が可能。
なぜ Premiere Pro CC 2014で解決できたのか
どうやらPremiere Pro CC 2014 の場合、MTS ファイルにキャッシュファイル「*.cfa」が作成されるが、CC 2015 以降では「*.cfa」は作成されない感じ。
Premiere Pro CC 2014 の場合
▲クリックで拡大
Premiere Pro CC 2015~2017 の場合
▲クリックで拡大
そして、Premiere Pro CC 2014で作成された*.cfa ファイルは 2015以降では利用されていないように見える。
ちなみに
長尺撮影していない (MTSファイルが1個の) 場合であれば、MTSファイルをAVCHDフォルダの外に出せばCC 2015や2017を使った場合でも問題は解決した。
MTSファイルが4GBを超えて複数ファイルにまたがる場合でも、音ズレや音トビを気にしない場合であれば、「MTSファイルをAVCHDフォルダの外に出してMTSファイルを1個ずつPremiere Pro のタイムラインに登録する」という方法であれば問題は発生しなかった。
ここまで来て、ようやく問題の本質が分かってきた
この問題が手元の環境で発生するようになって約1年、「あーでもない、こーでもない」と色々と試行錯誤しているうちに、「問題の発生する MTSファイル」と「問題の発生しないMTSファイル」がある事にようやく気が付いた。
上に記載した「一般的な解決方法」では解決できなかった動画ファイルには、以下の共通点があった。
問題が出るファイルの共通点: SDカードとカメラの相性?
共通点
- 撮影に使ったカメラ・・・・ Panasonic DMC-GM5
- 記録メディア・・・・128GB SDXC (スピードクラス U3)
※ 64GB のSDXCカードでも発生した。 - 記録方式・・・・ AVCHD (1920×1080 60p (28Mbps) )
- 撮影時間・・・・2時間撮影 X 3~4回
(AVCHD フォルダ内のファイル が 64GB超え)
症状
- 一部のMTSファイルのみ、プレビューが極端に重い。
- 0.1FPSくらい。10秒に1コマくらいしかプレビューされない。
- 処理が重くなるのはプレビューだけ。
変換出力する際は期待した速度が出る。
参考情報
- ※追記注意: この項目は関係なかったかも
- Panasonic DMC-GM5 は SDXC (スピードクラス U3) には非対応。
正式対応は SDXC 64GBまで。取説には128GBの記載なし。 - GM5 + SDXC 128GB (スピードクラス U3) の組み合わせでも、とりあえず普通に撮影できている。Premiere Pro CCで問題が発生したファイルも、他ソフトでの再生は正常にできているように見える。
解決策
- DMC-GM5 では「128GB クラスU3」のSDカードは利用しない
※ 64GB のSDXCカードでも発生した。 - AVCHDフォルダ内のファイルが64GBを超えないように撮影する
64GBを超えた後は次回撮影の前にSDカードをフォーマットする - 解決しない場合は既に記録した動画ファイルは 再変換して利用するしかない
2017.08.02: 追記
SDカードを変更しても 問題が解決しない事を確認した。そして、私のGM5は寿命が近いのかもしれない。
※最近になって私のGM5に発生した現象
- EVFの映像が急に、そして明らかに色あせてきた。
- 背面タッチパネルが誤作動するようになってきた。
- 動画の長時間 (2~3時間) 撮影でエラーが発生し、録画停止するようになってきた
- ※参考
長時間撮影中は、背面モニタオフ、EVF オンという設定で利用する事が多かった。
GM5は 2015年2月に購入してから、AVCHD Progressive の設定で「2~3時間の長時間撮影」を少なくとも18~20回は行っている。スチルの撮影枚数こそ少ないものの、撮影頻度や外に持ち出す機会も多く、その際もかなり乱暴にカバンに詰め込んでいた。
どこかしらのタイミング (恐らく昨年夏頃) から、M2TSファイルの録画に何らかの異変が発生している感じ。
GM5は、m43センサーをむりやり281gという小さなボディに詰め込んだ上に30分以上の動画撮影も可能にしたかなり無茶な製品なので、耐久性は低いのかもしれない。
追記おわり。
その他の原因:
ビデオカードの故障もしくは相性
RADEON R9 280X + Premiere Pro CC 2015 の組み合わせの時だけ、別の問題が発生する事にも気が付いた。
症状
- 動画ファイルに「RGBカーブ」もしくは「シャープ」を適用すると、プレビューが0.1FPSくらい。10秒に1コマくらいしかプレビューされない。
- ただし、Lumetriカラーの「カーブ」や「シャープ」を利用した場合はプレビュー速度の低下は見られず、期待した速度でプレビューが可能。
- 処理が重くなるのはプレビューだけ。変換出力する際は期待した速度が出る。
- Premiere Pro CC 2014 の場合は問題が出ない。
CC2017では確認していない。
(ビデオカードは既にNVIDIA 1070GTXに変更してしまったため)
当時の対処方法
- Premiere Pro を CC 2014 にダウングレードして利用する
- ビデオカードを買い換える
その他
- 実は当時、手元の RADEON R9 280X は既に故障寸前だった。
長時間高負荷をかけ、GPU温度が80℃を超えると画面にノイズが走るような状態だった。
まとめ
私の場合の問題をまとめると以下。
- 古いデジカメに新しい規格のSDカードを使っていた。
64GB、スピードクラス U1まで対応のカメラに 128GB スピードクラス U3のカードを使っていた。 - 撮影に使ったデジカメが故障もしくは故障寸前だった。
- RADEON R9 280X + Premiere Pro CC 2015 の組み合わせが相性が悪かった、もしくは RADEON R9 280X が故障していた。
- Premiere Pro CC は、バージョン2015以降MTSファイルでキャッシュファイル「*.cfa」を作成しなくなった。
私の場合、上記3つの問題が同時に発生していたため、原因の特定に時間がかかってしまっていたようです。
追記(古いメモ)
2014年9月頃にメモしたものが今更出てきたので追記
当時のメモ
1枚のSDカードで複数回の動画撮影をする場合、「撮影モード」と「画質設定」は、固定しておく。
※撮影モード・・・・1080 30i とか 720 60Pとか選択する項目
※画質設定・・・・SH、Sなどを選択する項目
GH1用もしくはGH2用に書いたメモなのだけど、どちらに向けて書いたのか不明。
これを守らなかった場合、どういうトラブルが起きるのかも覚えていない。
今回問題の出たGM5での撮影はこれに該当していて、1080 60i と 1080 60P両方を1枚のSDカードに撮影していた。当時何のために残したメモなのかすら覚えておらず、これを守らないとどういうトラブルが発生するのかすら思い出せないのだけど、念のためこのページにも記載。
このページの情報は以上です。