2015.08.21: 高速スタートアップに関する情報を追記
KP41病/KP41問題がなかなか解消しない人のためのトラブルシューティング情報を新しく書き直しています。
まえがき1
このサイトでは過去、「原因の特定・対策の難しいKP41エラーをKP41問題、KP41病などと呼ぶ」という考え方をしていました。しかしこの考え方では、PCトラブル解決が難しい事に気が付きました。
そして (このサイトのような) PCトラブル抱えた人が数多く訪問するサイトの情報としては、これは不適切だと気付き、今更のようにKP41関連の情報をまとめ直している次第です。
まえがき2: サイト内の以前の情報について
サイト内の以前のKP41カテゴリー
上リンク先は、自作PCユーザーやオーバークロッカー向け (主にSandyBrige/SandyBrige-E世代) の情報でした。メーカー製PCやノートPCなどの場合、あまり役に立たないページです。
その上、基本的なトラブルシュートも省略してあり、それなりの経験がある人に向けた情報でした。
(このような経緯で古いカテゴリーは「PC41問題(私の場合)」という名称に変更しました)
まえがき終わり。
以下、現時点の「KP41病かな?」と感じた場合の、おすすめの対処方法を紹介します。
KP41病を疑う場合の心得
まずはじめに
「KP41エラーが出た」=「KP41病/KP41問題」ではありません。
またトラブル対処をする場合は、シンプルな考え方が出来るよう、問題を切り分ける必要があります。
KP41病を疑いたくなるような原因不明のトラブルでも、問題を切り分けて仮定して、一つ一つの問題に丁寧に対処しましょう。
KP41病の再定義と対処方法
KP41病と判断するのは、以下の1点に絞りましょう。
KP41病の再定義
「KP41病/KP41問題」 =「電源オプションの設定を高パフォーマンスにする/省電力設定の無効化」で改善する症状
- これ以外の症状は、「KP41病/KP41問題」ではない、と考えてトラブルシューティングした方が解決しやすいです。
- 省電力設定以外のトラブルは、「KP41」というキーワードを使わなくても、検索すれば似たような症例や解決方法を記載したWebページにたどり着くことが可能です。
- また「BIOS側の省電力設定」は、(現在の)メーカー製PCの場合は設定を変更しなくても(ほぼ)大丈夫です。
原因(予測)
KP41病と呼ばれる症状の原因は、(予想ですが)恐らくマザーボードやUSB機器等の省電力機能が正常に作動せず、システムに不要な負荷をかけているのが原因です。
OS側かハード側、どちらかで省電力設定を無効にすれば、システムは安定します。そして多くの場合、Windows側で設定すれば症状は治まります。
KP41病の対処方法
ブルースクリーンエラーや予期せぬ再起動が頻繁に発生し、かつ「KP41病」を疑う場合は、Windows側の省電力設定を無効にしてみましょう。
(スリープ復帰から失敗する場合は別問題と考えます)
- コントロールパネル:Windows電源の管理
- まず、Windowsの「電源の管理」の設定が「バランス」や「省電力」の場合は、「高パフォーマンス」に変更する。
- まだ解決しない場合
- USB設定-USBのセレクティブサスペンドの設定:無効
- PCI Express-リンク状態の電源管理:無効
- ハードディスク- 次の時間が経過後HDDの電源を切る:なし
- プロセッサの電源管理
最小のプロセッサの状態:100%にしてみる。(20~50%でも安定しちゃう場合もあり)
効果がない場合は、最大プロセッサの状態を逆に下げてみる(98~90%くらいにする)最小プロセッサは0~5%にしてみる。 - ハイブリッドスリープを許可する:無効
- 次の時間が経過後スリープ/休止状態にする:無効
※稀に手動スリープは正常に復帰するが、自動スリープは復帰失敗するケースがある。
- デバイスマネージャ上の設定
このページを参考に電源管理設定を無効にする
無効設定するデバイスは、マウス、キーボード、USB Root Hub、Generic USB Hub、ネットワークアダプターなど。
これで改善しない場合は、「KP41病/KP41問題」以外のトラブルを疑いましょう。
スリープ復帰で失敗する場合
(注意)スリープ復帰の失敗は、厳密にいうとKP41病とは別物として考えるべきだと思いますが、(わりと良くある症状なので)一応このページにも記載しておきます。
スリープからの復帰に失敗する場合は、まずはUSB機器や通信機器(LANやWi-Fi)を疑ってみましょう。
- トラブルが発生した後の対処方法
- 一度全ての周辺機器を外し、コンセントも抜き、PCおよび周辺機器を完全放電させる。
- ノートPC、タブレットPCの場合は、一度バッテリーを取り外してみましょう。
- バッテリーが取り外せないタイプのPCの場合は、完全放電は諦めましょう。
- 完全放電すると、バッテリーの性能が著しく落ちる場合があります。
- 完全放電すると再充電できない等の不具合が発生する場合もあります。
- バッテリーが取り外せないタイプのPCの場合は、完全放電は諦めましょう。
- ノートPC、タブレットPCの場合は、一度バッテリーを取り外してみましょう。
- マザーのCMOSをクリアする
- 接続機器の再接続は丁寧に行う。
- Wi-Fiでネット接続している場合は、USB3.0ポートとWi-Fi受信機の距離を空ける。
- PCを起動後にする事
- pagefile.sysとhiberfil.sysの再作成をしてみましょう
- コマンドプロンプトで「sfc /scannow」を実行してみましょう。
- sfc /scannow でエラーが出る場合は、chkdskを実行してみましょう。
(サイト内参考URL: コマンドプロンプトからWindowsを復旧する4つの方法 (Vista/7/8/8.1/10)) - それでも不調な場合は、USB、LAN、ビデオカードを中心とした周辺機器のドライバを入れなおしてみましょう。
- 一度全ての周辺機器を外し、コンセントも抜き、PCおよび周辺機器を完全放電させる。
- トラブルの予防
- スリープ中にUSB機器や通信機器の接続を外さない。電源を切らない
- Windows 8/8.1/10の場合、高速スタートアップを使わない。
もしくはWindows8以降に正式対応した最新のBIOSやドライバを利用する。 - USB3.0ポートにUSB2.0ハブを使わない。
- Windows インストール時や、Windows Update時、余分なUSB機器は外しておく。
- ※Windows Updateの時は、少なくともPC再起動前にUSB機器を正規の手順で外す
上記以外の対処方法は、「基本的にKP41病ではない」として、このカテゴリ内の別ページで別途対処方法を記載しています。
このカテゴリーの内容
- まえおきページ
- KP41病(と思われるPC)の具体的な解決方法
- KP41病の問題の切り分け方を学ぶ
- KP41 病 関連の更新、反省会&まとめページ
あとがき
「原因特定・対策の難しいKP41エラーをKP41問題、KP41病などと呼ぶ」という考え方が変にメジャーになり過ぎてしまい、通常のトラブルシュートで解決する問題までがKP41病と認知されてしまい、解決を諦めるユーザーが増えてきていると感じました。
もう一度「トラブルシュートの基本」や「問題の切り分け」を考え直すキッカケになるページになればと思っています。