CyberLink社の動画編集ソフトPowerDirectorが、コンシューマー向け動画編集ソフトとしては「世界初」のネイティブ64bit対応してきました。
パッケージ版の販売は12月10日から。現在はCyberLink社のサイトからダウンロード販売のみが行われています。
私はパッケージ版や乗り換え優待版を待ち切れず、約1週間前に購入してしまいました。
やはりCGや動画編集ソフトは64bit OSにネイティブに対応すると全然違いますね。編集サックサク、最終出力もスイスイです。
色々書いていたら長くなったので、本日から3~4回に分けてPowerDirector Ultra 64のレビューを行いたいと思います。
- ネイティブ64bit対応したビデオ編集ソフト、 PowerDirector 9が凄い!
PowerDirector Ultra 64概要
64bitネイティブ化した事で、HD動画への変換が爆速です。
通常の32bitアプリより1.5~3倍高速変換出力。HD出力が苦手なPremiere Elementsと比較すると、30倍前後高速です。
対応OS:Windows XP/Vista/7
※PowerDirector Ultra 64 は、32bit OS では 32bit プログラムとして動作。
対応CPU:
高解像度H264動画を編集する場合は、Intel Corei5/7 / AMD Phenom II X4 推奨。
DVD(Mpeg2)ならばPentium 4 2.2 GHz/AMD Athlon XP 2200+以上推奨
メモリ、HDD空き容量
作成する動画サイズにより、かなりの量が必要。
2時間のHD動画を編集する場合はHDD60GB位空きが必要。
メモリもバカ食い。メモリ9GBなんてスグ使い切っちゃう。
それでも32bitアプリより体感5倍はサクサク。
ハードウェアデコード
NVIDIA、AMD、IntelのGPUに対応
ハードウェアエンコード
NVIDIA、AMDのGPUに対応。IntelのGPUには未対応。
NVIDIA:GPUGeForce 8500GT 以上、GeForce 9800GT 以上
AMD:HD 2600以上
(注意:XPの場合GPUエンコーダーが正常に作動しない場合もあり。)
(当方9600GT。Core i7 920 3.5Ghzと同等の変換速度)
その他注意
一部機能にQuicktimeを利用。K-Lite Codec Packなど競合するコーデックをインストールしていると不具合が出る可能性あり。
最初に辛口レビュー
私はとりあえずPowerDirector Ultra 64大絶賛ですが、以下の項目は注意。
とりあえず購入検討している人は以下の部分だけ注意しましょう。
- SD画質オンリーで楽しんでいる人は不要?
- HDは爆速だが、SDの場合は32bitアプリと大差は無い
- SD画質(DVD画質)で編集する場合のレスポンスや動画変換出力の速度は、メモリが足りているうちは64bit対応の恩恵を感じない。
- SD画質で「簡単な編集」だけを楽しんでいるうちは不要。複雑な編集や長時間編集を行っててHDDスワップが頻繁に発生するならば、大いに恩恵アリ。
- AVI出力は出来ないと考える。
- 64bitネイティブに対応したことで既存のAVI(VFW)出力は全滅に近い。
- 入力に関しては問題ない。Divx、Lagarith lossless、MJPEG等々取り込める(追記修正:Huffyuvは取り込めず)
- インターレース処理がおかしい1
- 入力素材がインターレース形式の場合、強制的に解除されるっぽい。
- 入力素材を30fpsで取り込み、ツール内で倍速にしないとインターレース形式で出力出来ない。60fps素材がインターレース化できない。
- インターレース出力はトップフィールドファーストしか出力出来ない。
- とりあえずMP4とAVC形式なら60fps出力可能。この場合はソースが60fpsでも問題ない。
- インターレース処理がおかしい2
- MP4、AVCHD方式は上記の方法で綺麗にインターレース出力出来る。
- DVD、Mpeg2への出力の場合、現状バグ持ち。奇数フレームの偶数フィールドと偶数フレームの奇数フィールドが同じ画像になる。
- 見た目はインターレース化されているのに全然ぬるぬるしないので何でかな~と3日位悩んだ。AviSynthでBob化してみて何じゃこりゃー!状態。
- 「出力はMP4にする」「出力はプログレッシブにする」って人は、全く問題ない。
- リサイズ処理は甘い
- 甘いとは言え、SD動画のHDアップスケール機能を搭載しており、手持ちの他社動画編集ツール(VideoStudio12、Premiere Elements 7:共に2008年発売)よりはシャキっとした絵を作ってくれる。
- とりあえずVirtualDub、AviUtl、AvisynthなどでLanczosResizeや各種シャープフィルタを利用している人じゃなければ「これはスゲエ」ってレベルにはなってる。
- 出力画質はギリギリ合格レベル?
- やっとまともな画質が得られるGPUエンコーダーが登場したかな?
- 上記の「リサイズ処理が甘い」と混同するとドツボにハマる。エンコーダー側の処理は良い部類だと思う。
- 過去のGPUエンコーダーと比較すると、ブロックノイズが非常に少ない。
- ブロックノイズの出現パターンを見る限り、アニメには不向きかもしれない。
(単調な絵柄へのビットレート割り振りが極端に少ない気がする) - オープンソースのx264等と比較すればまだまだ画質は悪い。
- 当方9600GT。もっとシェーダーを沢山積んでいる場合は違った結果になるかも。
- GPUエンコーダーをOFFにすると、若干画質は少しだけ向上する。
- Core i7 920(3.5Ghz)とNVIDIA 9600GTの組み合わせの場合は、CPUエンコとGPUエンコで速度差なし。購入検討している人は目安にして欲しい。
- 2パス出力なし。出力設定も少な目
- 変換設定を殆ど弄れない
- 「PowerDirectorはオモチャ」と言われる最大の原因はコレ。
- 残念だが、各種デバイスへの出力や互換性を考えると、市販ソフトの場合はこれがベストなのかもしれない。
- XPでは一部機能しないっぽい?
- PowerDirector Ultra 64は、32bitマシンやXPにもインストール可能。しかしハードウェアエンコーダーやGPUエフェクトの一部が利用できない模様。
- 再生速度の変更が早回しが0.2倍刻み
- 普通の編集をするには問題ないが、私は動画編集時に1.5倍速とか1.75倍速を多用する人なので、再生速度の変更が0.2倍速刻みなのはかなり不満。
- ちなみにスロー側は0.02倍刻みでかなり融通が利く。
- 音声は簡単なピッチ変更機能でx0.5~x2.0の範囲なら音程を変えずにストレッチ可能。
上記以外は大絶賛。
体験版を使っている内に我慢出来なくなって、多少高くてもサイバーリンクのサイトから直接購入してしまった。私のような動画エンコ大好き人間には2000円ケチるより、1日でも早く使いたい!と思わせてくれる、ステキなソフトでした。
と、本日はここまで。詳細な使い心地等々、次回更新以降に続きます。
コーレルVideoStudioや、アドビPremiere Elementsも近いうちに64bitネイティブ対応します。
各社の動画編集ソフトが出揃うの待って一番良いものを選ぶも良し、私の様に速攻で飛びつくも良し。これからは動画編集は64bitの時代ですよ!
- ネイティブ64bit対応したビデオ編集ソフト、 PowerDirector 9が凄い!