「Speed Boosterの被写界深度を確認しなおしてみる」の2回目の更新です。
このページでは、まだ光学縮小系アダプターの話題に触れていません。
まずはレンズの画角、ボケ量、圧縮効果、この3つの関係を確認しなおしてみるため、普通のレンズを使って再確認です。
検証画像
▲クリックで拡大
異なる画角で撮影したデータをリサイズし、重ね合わせてボケ量の差異などを確認してみました。
とりあえず、私の理解してる「焦点距離と被写界深度の関係」の、基本的な部分で合っていれば、上図撮影データのボケ量は同じになるはず。
このページの検証内容
まずm4/3用ズームレンズを使い、同じ被写体をズーム別で撮り比べてみる。
テストに使った機材
・GH4
・LUMIX VARIO 12-35 F2.8
撮影時のカメラ設定 (焦点距離とF値)
・12mm f2.8
・18mm F4.0
・25mm F5.6
・35mm F8.0
各焦点距離で撮影したデータを、リサイズして重ね合わせてみる。
▲クリックで拡大
三脚でカメラを固定して、焦点距離を変える。
ボケ量が同じになるよう、F値も変更して撮影してみる。
撮影データをリサイズして、他の画角の画像と重ね合わせてみる。
検証結果
12mm と 18mm を比較
▲マウスカーソルを乗せると、画像が切り替わります
拡大画像:12mm F2.8/28mmF4.0
※電子シャッター使ったので、少しフリッカーノイズが入っています。
12mm と 25mm を比較
▲マウスカーソルON/OFFで画像が切り替わります
拡大画像:12mm F2.8/25mmF5.0
12mm と 35mm を比較
▲マウスカーソルON/OFFで画像が切り替わります
拡大画像:12mm F2.8/35mmF8.0
予想通りだった結果
絞り値とボケ量については、予想通り。
焦点距離を1段分ずつ上げ、絞りを1段ずつ閉めていけば、ボケ量は同じになる。
予想が外れた結果
ズーム時の圧縮効果は予想外。
「12mmの中央クロップ」と「各ズーム画像」は、背景を含めて同じ画が出てくると思っていた。
圧縮効果なめてた。
ちゅうか、圧縮効果ってこんな現象だったっけ・・・?
3DCGツールを使って検証
圧縮効果の結果に納得行かないので、3DCGツールでシミュレートしてみました。
手持ちの3DCGツールの中では、Poserというツールがカメラの焦点距離やF値をシミュレートしてくれます。
▲Poserのカメラ設定ダイヤル
これを使って、同じ検証をしてみます。
先の実写検証と同じように、
70mm F1.4 と 50mm F1.0 で撮り比べて、リサイズして重ねてみます。
▲クリックで拡大
中央の赤枠は、(画像全体がAPS-Cのセンサーサイズと仮定した場合の)m4/3のセンサーサイズです。
50mm と 70mm を比較
▲マウスカーソルON/OFFで画像が切り替わります。
とりあえず、焦点距離と絞りとボケ量の関係は、予想通りの結果に。
そして3DCGでシミュレートした場合、ズームによる圧縮効果の違いは無しです。
・・・これは、圧縮効果も含め理論上は同じ画になる、と言う事で良いのだろうか?
それともこのツールは簡易的な計算しかしておらず、圧縮効果が計算されていないだけなのだろうか?
3DCGのシミュレート結果の方が正しいと思うのだけど、実際のレンズでは違う結果が出ているので、どっちが正しいか分からん。。。
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今回はここまで。まとめ
「広角撮影のクロップ」と「望遠撮影」は、(被写界深度を同じにすれば)理論上は同じ画が撮れる。しかし、実際にレンズで写してみると圧縮効果(?)が発生してしまい、背景が拡大されて写ってしまう。
と解釈しておく事にしよう。
圧縮効果については、突き詰めて検証しても撮影する時に役に立つ知識になりそうにないので、これ以上の検証はしない事にする。
引き続き、Speed Boosterの被写界深度の確認をメインに検証を進めて行きます。
つづく。