表題通り、性能の良いズームレンズが欲しくなってきたので色々メモ。
念のため書いておくと、今回の更新は「まえおき」です。
本題は次ページの「EFマウント 24-70 F2.8など、今欲しいレンズを比較してみる」です。ただ、「私が欲しいレンズの条件」を色々メモしていると、これがまたもの凄く長くなってしまったので、別エントリーにして紹介した次第。
まずはじめに前提条件のお話。
- 私はLUMIX GH4 ユーザー
- 舞台の動画撮影(長回し)が好き。
- ステージの大きさやカメラ設置位置の関係で、換算40mm~120mmあたりが最も必要な画角になる。
- 最近「4K撮影→編集でFHD等倍クロップ」が楽しくなった。
ズーム倍率より画質重視になりつつある。
- Speed Booster を使って EFマウントのレンズを使用中。
- F4 または F2.8 で性能の良い通しレンズが欲しい。
4年前に「GH3 on Steadicam Merlin ステディ オフ会 鎌倉~江ノ島part1/2」という動画を観て以来、デジイチでの動画撮影に魅了されてしまった。舞台動画を取る場合でも、ハンディカムではなくデジイチで動画を取りたい。長回しするので、デジイチを利用する場合は録画時間の制限が無いパナソニックの LUMIX 上位機種しか選択肢はない。
こんな感じで現在私はGH4ユーザー。
(色々な理由があって今のところ GH5 には食指が動いてないが、ここでは割愛)
現在、舞台撮影で使っているレンズ
Metabones社の Speed Booster EF to m4/3 S + CANON EF24-85 F3.5-4.5 という組み合わせ。EF24-85 F3.5-4.5 は20年前 (※1995年製) の古いレンズだけど良く写る。なかなか侮れないヤツだ。
EF24-85 F3.5-4.5の良いトコ
- 重さ380g
軽い。GH4に付ける場合、ホントはこれくらいの大きさがベスト。 - 画角 24-85mm
この画角が 私にとって実に丁度良い。
(GH4で利用する際は 換算33.6-119mm、4K撮影(1.2倍クロップ)時は 換算40-143mm) - 明るさ F3.5-4.5
Speed Booster + GH4で利用する際はF2.5-3.5
舞台撮影を考えるとテレ端が少し暗いが、ギリギリ何とかなる
- F2.8 SS60の場合、通常は ISO400~800で撮影できる。
- 暗いシーンもISO1600で撮影できる。
- まれに ISO 3200~6400が必要になるが、そういうのはホントに暗いシーン。
- AFもバッチリ効く。
Speed Booster + GH4 でもほぼ正常に動く。
屋外撮影で空を多めにフレームに入れない限り、かなりの制度でフォーカスを合わせてくれる。舞台撮影(5~15m、10~20mの範囲)でAF繰り返す分には何の問題もなく、十分早い。モーター音もほぼ無音。録画データを視聴しててもAF音はあまり気にならない。 - ズームした時のフォーカスシフトが小さめ
10~15m先の被写体にテレ端でピントを合わせた場合、ワイド端までズームアウトしても気になるほどのピントずれはおきない。動画撮影中、これはとても重宝する。 - ズームリングの回転角は約45度。
ちょっと狭い気もするが、非常にスムーズに回るので操作に不満はない。
三脚に付けた状態で、テレ端からワイド端まで一気に回す場合、これくらいが私的に丁度良い気もする。 - 画質もそこそこ良好。
500~800万画素時代は「Lレンズ並み」と評される事もあったレンズ。
- 私の EF24-85 F3.5-4.5 は(ヒガサカメラさんで一度オーバーホールして貰った後は) FHD撮影で利用する場合なら全く問題がない。
- 4K動画の場合でも、画面中央と右側は十分耐えられる画質。(4Kクロップのエリア内の左側が僅かに片ボケしてる)
- 片ボケを除けば、一段絞れば、RAWで比較すれば※1、と条件は付くけど、とりあえず LUMIX 12-35mm F2.8に負けないくらいの解像度がある。
- ※1 GH4やGM5にレンズプロファイルの無い他社製レンズを取り付けると、シャープネスやコントラストの効きが悪くなりjpgではあまり解像していないように見える。
RAW現像してみると想像以上にシャープな絵が出てきてビックリすることもある - サイト内関連リンク
(デジカメの髪の毛や布の描写力) Raw現像のメリットは、ダイナミックレンジ、ホワイトバランスだけじゃないのね
- ※1 GH4やGM5にレンズプロファイルの無い他社製レンズを取り付けると、シャープネスやコントラストの効きが悪くなりjpgではあまり解像していないように見える。
EF24-85 F3.5-4.5の不満
- やっぱ通しレンズが欲しい
- ズームでF値が変化するのはやはり使いにくい。
- ズームすると1段暗くなってしまうのは撮ってて悲しい&後で編集が面倒。
- テレ端 (GH4読みでF3.5)だと通常シーンがISO1600以上になるケースもあり、チョットきつい。
- 絞りが変わる時に小さな「チャッ」という音が出る。
- 絞り音がGH4に録音される。静かな会話劇などでは結構耳障り。
- 普段は音は別撮りしているのだけれど、ボイスレコーダーが止まってしまった場合はGH4の音源を利用する。この音はなくしたい。
- 絞り値を F4.5 で固定しててもズーム操作で音がする。
- ちなみにクリエイティブ動画モード、SS優先、ISO オートにするとこの音は消える。(ただし F値、SS、ISOすべて固定で撮らないと 意図せず明るく撮られるケースがあるのでなるべく避けたい)
- AFリングがちょっと使いにくい
- フォーカスリングが細く、少し硬い。回転角も小さい。
- 安いAFレンズは仕方がないのかなこれ。
- 一部の焦点距離で片ボケが酷い
- 手元の個体では28~35mm(40~50mm)付近で画面左側の片ボケが酷くなる。
- FHDで撮影する分には問題ないレベル。
- 4Kで少し広めに撮影して、等倍クロップして左半分をFHDで利用するというケースでは、たまにボケボケ画像になる。
- 手振れ補正がない
- 三脚使ってもやっぱりブレが気になる。
(主にズーム操作、タッチ操作、三脚に手が触れるときに発生) - 以前はこういうものだと割り切って使っていたが、やっぱり手振れ補正が欲しくなってきた。
- 三脚使ってもやっぱりブレが気になる。
これらの不満を解消できるレンズ
- 通しズームで
- GH4の4K撮影で40mm~120mmをカバーして
- (4Kクロップの範囲内でよいので) 周辺までしっかり描写できて
- 手振れ補正が付いている
となると、最低でも「24-70 F4」や「24-105 F4」、ちょっと欲張って「24-70 F2.8」あたりが必要になってくる。片ボケやセンサー周辺の描写まで求めると、10~20万クラスのレンズが必要になる。
画角的には24-105 F4がベストなんだけど、4Kを等倍クロップしてFHDで使う場合は周辺の描写も必要になるので、ズーム倍率より画質を重視して24-70を選択した方が良い気もする。そして24-105 F4 で795gもあるのなら、タムロンの24-70 F2.8(825g)の方が良いかなあ・・・・一回り小さい24-70 F4(600g)、もしくはEF24-105 F4 の旧型(670g)の方が良いかなあ・・・・でも24-105の旧型は周辺の描写が悪いとも聞くしなあ・・・・などと、とても悩んでしまう。
なぜもっと早く悩まなかったのか
- 私が EF24-85 F3.5-4.5 を購入したころは、Speed Booster
はまだAFや手振れに対応していなかった(対応予定にはなっていた)。
どんだけAFや手振れが効くかが分かる前から「m4/3のために高いLレンズを購入する」なんて気はなかった。 - あと、この1~2年で私の撮影がFHDから4Kに移行した。
4Kで撮影して一部をクロップして使うケースがとても増えた。
FHD時代は EF24-85 F3.5-4.5 で全く不満が無かったが、4K撮影&等倍クロップしてFHD化を行うと、所々で画質に不満な部分が出てくる。 - この4K撮影&等倍クロップに伴い、三脚撮影してても、ズーム操作や露出操作、床の振動などでカメラがブレているのが気になりだした。これらを解消したい。手振れ補正機能が欲しい。
- ここまでの Speed Boosterのファーム更新履歴を見たり、他ユーザーの利用具合を見て、ようやく「正常に動かなかったらどうしよう・・・・」という不安がなくなった。そして「m4/3用に高いEFレンズを買うのもアリかな?」という考えを持つようになった。
今回の更新はここまで。
こんな感じで、現在「なにか新しいレンズが欲しいなあ・・・・」という状態になっています。次回は欲しいと思うスペックを持っているレンズを何本かリストアップして比較をする予定。
という訳で、このお話は以下ページに続きます。
EFマウント 24-70 F2.8など、今欲しいレンズを比較してみる
以下、少しおまけ(補足)
おまけ1: なぜLUMIX純正レンズを使わないのか
- 欲しい画角がない
舞台を動画撮影する場合、LUMIX 12-35 F2.8 では望遠が足りず、LUMIX 35-100 F2.8では広角が足りなかった。
- 広角12-17mmは普段からあまり使わない。
- 望遠70mm(換算140mm)以上は三脚使っても手振れとの闘いになって使いにくいので、70mm以上の焦点距離にあまり興味がない。
- 17-70 F2.8 (20-60 F2.8) くらいのレンズがあれば良いのになあ・・・と思っている
- LUMIXの手振れ補正は三脚で使いにくい。
手振れ補正ONでゆっくりパンすると、パンを止めた後で「よっこらしょ」ってな感じで補正でズレたレンズがワンテンポ遅れて元に戻る。かなりウザい動き。
おまけ2: 新しいm4/3レンズのお話
1年くらい前にも「高いEFレンズ欲しい病」を患ってしまったが、この時は以下の情報を目にして思いとどまった。
- 2016年8月頃、パナソニックが 12-70mm F2.8 の特許を出願している。
パナソニックが12-240mm F3.6-6.5を含む6本のズームの特許を出願中 - デジカメinfo - 商品化されるかどうかも不明だが、もしこれがリリースされれば EF24-70 F4 や 24-150 F4 IIは多分不要になる。
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12-70mmなんて高倍率だと周辺画質は悪くなるかな?
パナやオリからは絶対出ないようなスペックのレンズを、と思うと最終的に残るのは TAMRON SP 24-70mm F2.8 A007になる。が、 825gは多分私にとって非常に重い。
約1年が経過し、このレンズについて何の音さたもなく、ロードマップに登場する気配すらないので、再び「新しいレンズ欲しい病」が頭をもたげてきた。
おまけ3: その他メモ
- GH4の4K撮影で利用するケースを想定している場合のメモ。
- GH4の4K動画は1600万画素センサーの中央800万画素分をクロップして4K動画にしている。(センサー横方向で1.2倍(4608÷3840)狭くなる)
- Speed Boosterを介すと0.71倍に集光される。画角は0.71倍になり、約1段分明るくなる。
- GH4の4K動画はピクセル等倍で撮影されるため、(4608÷3840=1.2)倍にクロップされる。
- 4K動画撮影時(クロップ後)の換算 40mm-150mmという画角は、(4K動画のクロップ分を除外すると) 換算33.3-125mmになる。これを Speed Booster を介する前の画角に戻すと23.8-89mmになる。
- とりあえず、フルサイズ24-70mmは GH4+Speed Boosterで換算 34-98mm、4Kクロップされる範囲は40-118mmになる。
欲しい画角をだいたい満たしている。 - 24-85 F4なんてのがあれば嬉しいなあ。
フルサイズレンズの24-85mmという画角は 33.6-119mm (16.8-59.5mm) という画角になる。
このぺーじのつづき
EFマウント 24-70 F2.8など、今欲しいレンズを比較してみる