中古で買った EF 24-85 F3.5-4.5 が少し緑がかった色合いで、かつF値より1/3~2/3段ほど暗く写ってしまう事に不満を感じ、キヤノンレンズのオーバーホールや調整に定評のあるヒガサカメラさんにオーバーホールに出してみました、というお話です。
ヒガサカメラさんはキャノンで修理サポートが終了した古いレンズも修理対応してくれます。古くて安い中古レンズを買って「あともうチョットだけ写りが良ければ・・・・」なんて時など、たまにお世話になってます。
ちなみに、中古で買った EF 24-85 F3.5-4.5はこちら。
▲クリックで拡大
2015年7月中旬に購入。
ヒガサカメラさんに調整に出したのもその頃だったのですが、このお話をブログに上げるのを忘れていました。最近になって EF 24-105 F4L や EF 24-70 F4L を試した際、その比較対象としたい EF 24-85 F3.5-4.5 の撮影データがブログに存在しない事に気が付き、改めて記事化した次第です。
まえおきここまで。
以下ヒガサカメラさんを利用した時のメモや調整後のレンズの状態。
文体も「ですます調」ではなくなります。
ヒガサカメラさんに依頼する時の流れ
私がオーバーホールの依頼をした時はこんな感じだった。すべてメールでのやりとり。
- レンズの製品名、修理・オーバーホールの内容をメールで以来する
(レンズが曇っている、ピントリングが引っかかる、写りがシャープでない、オーバーホール希望、等々) - ヒガサさんから見積もり(仮)メールが来る。
- 見積金額に納得できる場合、レンズをヒガサさんに送る。
- ヒガサさんでレンズの状態確認を行う。
見積もりから変更がない場合はそのまま修理が進行する。
見積もりに変更 (追加費用が発生する) 場合は再度メールのやりとりが発生する - ヒガサさんで修理・オーバーホールが行われる。
レンズの状態や部品の調達、ヒガサさんの繁盛具合などの要因により、早ければ2~3日、長いと10日~2週間くらいの期間がかかる。
※レンズの黄変やくもりを除去するのは時間がかかる感じ。 - 修理が終了すると、ヒガサさんから最終的な修理金額とその支払い方法を案内したメールが届く。
※2度利用したが、どちらも最初の見積もり金額と同じだった
※ゆうちょ、三菱UFJ、関西アーバン銀行、代引き引き換えなどが選択できる - 修理費用の支払いを行う。
ヒガサさんで入金確認が出来たら、修理されたレンズが発送される。
金額はどれくらい?
修理やオーバーホールの内容による。HPの見積もりページに書いてある金額でほぼ収まる。自分が頼んだ中で一番安い時が8000円くらい、高い時が2万円強。EF 24-85 F3.5-4.5 は8100円だった。
参考
レンズ修理価格/取り扱い機種 一覧 (EFレンズ)
レンズ修理価格/取り扱い機種 一覧 (FDレンズ)
以下、オーバーホール前後の画質比較
以下、全ての画像が 撮影データの一部を切り抜き、ピクセル等倍で表示してある。
いずれも開放で撮影している。
テキトーに試し撮りしたので、オーバーホール前後で被写体が異なっていたり、画角が異なっていたりする。
1.近距離撮影: タオルの質感
オーバーホール出す前 (タオル地 近影2.0m ピクセル等倍)
このページの上の方でも紹介した画像
緑かぶりがあり、シャッタースピードが想定より1/3~2/3段程度遅い。写りも少しボンヤリしていて、タオルの布地がぼやけている。
オーバーホールから帰ってきた後 (タオル地 近影2.0m ピクセル等倍)
緑かぶりがなくなり、1/3段程度早くなり、EVFや撮影データが暗くなる症状もなくなり、タオルの質感もかなり描写されるようになった。絞り解放時の0.5~3mあたりでも画質がかなり向上した。
オーバーホール前にこの質感を得ようとすると、F8 (GH4読みF5.6) まで絞る必要があった。
2.遠距離撮影: レンズ中央・住宅街(ピクセル等倍)
いずれも開放での撮影。
オーバーホール前は「3m以上離れた被写体」かつ「順光」であれば良い写りをしていたが、オーバーホール後は曇天、逆光、真上・真横からの光、室内光、どんな状況でも良く写るようになった。
その1(テレ側)
▲クリックでピクセル等倍に拡大
左: オーバーホール前/右: オーバーホール後
その2(ワイド側)
▲クリックでピクセル等倍に拡大
上:オーバーホール前
下:オーバーホール後
上記の写真、実は撮影時のカメラ設定が異なる
オーバーホール前のカメラセッティングはかなりシャープに、コントラストもクッキリするよう設定している。オーバーホール後は普通の設定。それでもオーバーホール後の方がクッキリ写っている。
- オーバーホール前
ピクチャースタイル NAT +3/+2/+2/0、コントラスト標準で撮影。
大雑把な部分はしっかり描写してくれるが、細かい描写はしてくれない。
かなりコントラストが低く写る。 - オーバーホール後
ピクチャースタイル NAT 0/0/0/0、コントラスト-2/+2(コントラスト低め)で撮影。
かなり細かい所まで描写してくれるようになった。
オーバーホール前は「RAWから現像してガッツリとシャープ処理して、かつコントラスト高くすればそこそこ使えるかな?」というレベルだったのが、普通の設定で撮影しても現役で十分使えるレベルになった。
EF24-85 F3.5-4.5購入時は「動画(FHD)撮影で利用できれば良いかな?」程度で考えていたが、オーバーホール後は「4K撮影&等倍クロップでFHD化」でも (つまりピクセル等倍でも) 少しシャープネスをかければ一応許容範囲内で撮影できるレベルになった。
3.レンズ周辺 (遠距離撮影・住宅街)
注意: レンズ周辺と言っても、GH4 + SpeedBooster の組み合わせなので レンズのイメージサークルでいうとAPSCサイズの周辺と同じくらいの箇所。
中央の右端ギリギリのあたり
▲クリックでピクセル等倍に拡大
上:オーバーホール前
下:オーバーホール後
右側はセンサー周辺付近も満足できるレベルで写る。
中央の左端ギリギリのあたり
▲クリックでピクセル等倍に拡大
上:オーバーホール前/下:オーバーホール後
左周辺はコントラストの改善はあったものの、オーバーホール前と変わらないレベル。ズームの焦点距離によってはオーバーホール前より少し画像流れが大きくなった。
以下、一番流れが酷い所 (オーバーホール後)。
中央左端ギリギリのあたり (焦点距離40~60mm付近)
ピクセル等倍/絞り開放 F4.0(F2.8))
普通に撮影する分には特に気にならないレベル。しかし4K撮影してピクセル等倍クロップして画面左側をFHD化しよう、なんて用途ではかなり苦しい。
今回の更新はここまで
開放撮影ではフワッフワの写りだったオールドレンズが、想像以上の写りになって戻ってきてチョット感動した。
あとがき
以下、ヒガサカメラさんとは関係ない話。
今になって EF 24-85 F3.5-4.5を2年前にオーバーホールに出した話を書いた経緯など。
この EF 24-85 F3.5-4.5 というレンズは、GH4 + SpeedBooster の組み合わせで使うと 換算33.6-119mm、4K撮影 (1.2倍クロップ 時)は 換算40-143mm という実に私好みの画角となり、またレンズの重量も380gと軽い部類に入る事から、このオーバーホールを行った後はとてもお気に入りのレンズとなりました。
最近になって「4K動画撮影&等倍クロップでFHD化」という撮影スタイルが増えてきて、上記の「左周辺部の画像流れ」が気になってしまい「もっと良いレンズを・・・・」という気持ちが大きくなってしまい、現在新しいレンズを色々と物色しています。
そして、新しいレンズを買う時の基準がこの EF 24-85 F3.5-4.5。
画質だけでなく、ズーム操作や AFの安定度など、色んな面で超えてくれるものを選びたい。(はたして予算内でそんなレンズが存在するのだろうか。。。)