2015.11.09: コメント欄で頂いた情報を追記
前回更新の続きです。
EF 28-105 F3.5-4.5 の次は、EF24-85 F3.5-4.5を購入してみました。全体的に満足なのですが、動画撮影に少し難が出ました('Α`)
GH4 + SpeedBooster + EF24-85 F3.5-4.5
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多忙かつ天気の悪い日が続いていて、まだ大したモノを撮れていません(^_^;
※記事公開2015年10月ですが、は執筆は2015年7月(梅雨)ですm(_ _)m
画質について
- 先に購入したEF28-105よりずっとマシだった。OK。
- 開放がやや甘いのは(ある程度は分かっていたし、古いレンズなので)仕方が無い。F8.0(GH4読みF5.6)あたりを使えばとても良く写る。
- 周辺部の画質もかなり良い。というか、周辺の流れは気にならない。
(EF28-105 の周辺が酷すぎた。スピードブースターの品質が原因で周辺画質が劣化していたらヤだなあ・・・と思っていたのでホッとした。) - 私が入手した個体は、絞れば VARIO 14-140 F3.5-5.6よりよく写りそうだが VARIO 12-35 F2.8の画質には遠く及ばない感じ。
- 「Lレンスに匹敵する」とか「Lレンズが買えない人の代用レンズ」みたいなレビューをよく読むけれど、これはカメラの画素数が1000万以下の時代の情報なのだな、思った。
- EF 24-85を入手した後、改めてネット上でこのレンズのレビューを探してみると、2009~2010年あたりを境に「Lレンズ並み」という表現は見かけなくなりますね。。。読んだ情報が古かったようです(^_^;
レンズがチョット曇っているかもしれない?
- 他のレンズと比較すると、同じF値でシャッタースピードが1/3段遅くなる。
- GH4の背面モニタやEVFが、他のレンズを使用した時より少し暗くなる。
(ミラーレスでもこんな現象が起きるのかな?とチョット不思議に感じるけど、暗くなるのだ) - 撮影データが、他レンズのデータよりちょっとだけ緑かぶりになる。
(ホワイトバランスでM+2~+3で同じ色合いになる) - 開放撮影時の画質(滲み)がEF 28-105よりチョットだけ酷い
(ピントの芯はEF24-85の方がある) - コントラストは低いほうだが、何故か白トビしやすい。
- VARIO 12-35 F2.8 や NFD 50mm F1.4と比較すると、同じ絞り値でシャッタースピードが1/3段遅い。背面モニタの写りも1/3段くらい暗い。
- 開放F3.5の時、SpeedBooster経由でF2.5と計測される。
(28-105のF3.5はF2.6だった)
シャッタースピードが1/3段遅いこと、白トビしやすいこと、EVFがやや暗いことなどは、レンズの曇りではなくSpeedBoosterの換算方法に原因があるかもしれない。
EF 24-85 F3.5-4.5 USM購入時のポイント
- ネットオークションは使わず、カメラのキタムラで実物を触ってから購入した。
- 先のEF28-105でピントリングの引っかかりにウンザリしたので、写りよりもズームリング・ピントリングのスムーズさを重視。
- 経年劣化しやすく、レンズに気泡が発生しやすい・・・と言う噂を聞いたので、レンズを入念にチェック、気泡なしを確認。
テキストでのざっくりレビューここまで。
以下実写サンプル付きで気になった所を評価しています。
開放の写り比較
全景サンプル
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こんな感じで撮影して、「中央のピントが合っている個所を」他のレンズと比較してみます。
今回購入した EF-24-85 F3.5-4.5/35mm F2.8 (50mm F4.0)
▲クリックで拡大 (オリジナル画像を50%縮小したサイズ)
かなり、かな~り甘いですが、個人的にはギリギリ許容範囲です。
どれくらい甘いか、F2.8近辺が良く写る 他レンズと比較してみます。
NFD 50mm F1.4/35mm F2.8 (50mm F4.0)
▲クリックで拡大 (オリジナル画像を50%縮小したサイズ)
VARIO 12-35 F2.8/35mm F2.8
▲クリックで拡大 (オリジナル画像を50%縮小したサイズ)
許容範囲と言いつつも、写りの良い他のレンズと比較するとかなり悪いですね(^_^;
まあ、解った上で使う分には問題ないです。
コントラストや発色について
上の比較写真をで見比べた限りでは、
・コントラストは手持ちの他レンズと同等
・色味はかなり緑がかる
といった感じです。
緑かぶりはかなり酷く、他レンズと比較してホワイトバランスをA+2/M+2くらい調整する必要ありです。
晴天・順光時の発色などはまだ行っていません。
布地などの表現力
かなり厳しいです。絞り開放では、2m先のタオル地すら解像しません。
50cm~3mあたりの近距離は特に厳しいです(^_^;
部屋干し中のタオルを撮ってみました。
中央部をピクセル等倍(36mm F4.5/GH4読み78mm F3.2)
ピント合わせをメチャメチャ頑張り、さらにRAW現像してシャープネスかけてもコレが限界です。
同じ被写体をNFD 35-105 F3.5で撮影
こちらもRAW現像でシャープネスかけていますが、現像前からカリっとシャープでした。
30年前のレンズとは思えないくらい見事ですね。
被写体に近距離の布地などを選ぶと、マジでメチャメチャ差が出ます(^_^;
私の入手したEF24-85は、こういう撮り方には向かないようです。
※その後、ヒガサカメラさんでオーバーホールしてもらい、メッチャ解像力あがりました。
とりあえず実絞りでF5.6~F8.0あたりまで絞り、3m以上離れた被写体を撮れば EF24-85 でもそれなりに解像するのですが、それでもVARIO 14-140と同等かチョットマシ、というレベルです。
とりあえず絞ってもエッジの柔らかさは残るので、多分お花見写真撮る時に向いてるなあ、と思いました。
(以前12-35でお花見写真撮ったら、遠くの桜がカリカリに写ってしまい背景がうるさくなった)
レンズの歪みが電子補正される。しかし・・・
先に書いた Speedboosterのレビュー更新でも書いたのですが、Speed Booster EF to m4/3を使うとGH4でも歪曲収差補正が作動しました。
また、Speed Boosterのファームによって歪曲収差補正が大きく異なる場合があります。
EF24-85 F3.5-4.5の場合 (38mm (53mm) で撮影)
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左: jpg撮って出し/右: RAW
※撮影時のSpeed Booster EF to m4/3のファームはV1.57
- 歪曲が補正され、画角がやや狭くなっています。
- EF28-105 F3.5-4.5では補正はかかりませんでした。レンズによって挙動が異なるようです。
- EF24-85 F3.5-4.5は (v1.57 の時は) フルサイズ換算で37-130mm F2.5-3.2になりました。
- また周辺減光も補正されている感じです。
- しかし歪曲収差の補正はフルサイズ用のプロファイルを使っているためなのか、ズームほぼ全域で補正後の方が歪みが酷くなります・・・。
- ちなみにファームをv1.70に更新した後は、歪曲補正は一切かからない状態となりました。(画角はフルサイズ換算で34-120mm)
MFの操作性について
- ピントリングの幅は異様に狭い。慣れるまでは操作しにくい。
- 慣れれば苦じゃない。なんとかなるレベル。
- ピントリングの回転角は約90度。
- NFD 35-105 F3.5のピントリングの回転角は約120度あったけど、24-85の90度の方が私には操作し易く感じた。
- 画質がかなり甘い分、ざっくりピント合わせした時と、ピントを追い込んだ時との差がほとんど無い。(全く無い、と言いたくなるほど追い込んでも変わらない)
- つまり、フォーカスピーキングだけで十分。MFアシストほぼ不要。気楽にMFできる。
- 10m~30mあたりのピントリングの幅は異様に狭いけど、先に書いた通りピントを追い込む必要がないので、使いにくいとは感じない。
20年前のレンズなので、こんなモノなのかなあ・・・?
画質の甘さについては「20年前のレンズなので、こんなモノなのかなあ・・・?」とは思うものの、昨年購入した30年前のレンズ「NFD35-105 F3.5」が非常に良い写りをしていたので、内心はチョットがっかりですw
「EF24-85はLレンズに匹敵する写りをする」なんてレビューをドコかで読んだのですが、私の買った個体にはそこまでの実力は無い模様です。ちゅうか、フルサイズやAPS-C機が1000万画素以下だった時代に語られていた情報を、今更鵜呑みにしてもダメですね(^_^;
そして NFD35-105 F3.5は30年前のレンズのクセにどんだけ写りが良いんだってコトも改めて思い知らされました。
動画撮影時の絞りの動きが大誤算
このレンズ、「ズーム操作時のフォーカス移動」が私の手元のレンズの中では一番少なかったので、「これは動画にも使えるかも?」と思ったのですが、絞りの挙動が予想外にヘッポコでした(^_^;
以前の更新で、ズームマイク機能を紹介した動画です。
今回は、絞りの挙動に注目。
- 絞りが変化する時、一瞬ホワイトアウトしたり、ブラックアウトしたり、非常に目立つチラツキが発生しました('Α`)
- ※この挙動は その後のスピードブースターのファームアップでかなり改善しました
(少なくともクリエイティブ動画のMモードでは、この症状は出ない)
(かなりマシになったというレベルで、完全解消ではない(再確認していない)) - ※新しいレンズの場合、このような心配はしなくても良いようです。
Speed Booster + Sigma 17-50mmではこの症状は見られない旨のコメントを頂きました。(テストに使ったレンズは約20年前の製品)
- ※この挙動は その後のスピードブースターのファームアップでかなり改善しました
- クリエイティブ動画のMモードとAモードで発生しました。
- 一定の条件化(絞りやISOに余裕が無い状況)では、上の動画の様にチラツキが恐ろしく目立つようになります。
- 手動で絞りを変更する時や、ズームに連動して絞りが変化する時に発生します。(絞り開放時のズームでは、ここまで酷いチラツキは発生しません)
- クリエイティブ動画Sモードや通常の露出オート撮影の場合は、ここまで酷いチラツキは出ないようです。(12-35や新14-140の2~3倍くらいのチラツキでした)
- 動画撮影中の絞り作動音もかなり大きめでした。20mm F1.7クラスの音が出ます。
うーん。こんな現象が発生するのなら、Exif諦めてニコンアダプタを選択して、マニュアルで絞りを動かすほうがマシなのかな。。。
他のレンズを使ったらこんなに酷いチラツキにはならないのだろうか・・・?
このレンズの後日談
実はこのレンズ、購入後しばらくしてから キャノン製レンズの調整やオーバーホールに定評のあるヒガサカメラさんに出し、点検と再調整を行ってもらいました。そして、「レンズにやや曇りがある」「光軸が少しズレている」という事でがっつりオーバーホールしてもらい、バッチリな写りになって帰ってきましたヾ(*´Д`*)ノ
オーバーホール出す前 (タオル地 近影2.0m ピクセル等倍)
このページの上の方でも紹介した画像
オーバーホールから帰ってきた後 (タオル地 近影2.0m ピクセル等倍)
緑かぶりがなくなり、1/3段程度早くなり、EVFや撮影データが暗くなる症状もなくなり、そして絞り解放時の0.5~3mあたりの画質もかなり向上しました。
近影の布地の質感を十分に表現できるか?というと微妙な所ですが、「これくらいの解像度が欲しい」の最低ラインはクリアしましたヾ(*´Д`*)ノ
この辺のお話は、またいつか。時間が出来た時に掲載します。
→ EF 24-85 F3.5-4.5 をヒガサカメラさんにオーバーホールに出してみました
今回はここまで。
あとがき
- とりあえず、お散歩のお供にできる「そこそこ画質が良く」「MF専用で」「軽量かつ便利なズームレンズ」が入手できて満足です。
- その後、SpeedBooster EF to m43 が AF 対応し、このレンズは「20mm F1.7より2倍早い」レベルのAF速度で撮影可能になりました。これで撮影は随分楽になりました。(ただしワブリングは強め)
- EF24-85 F3.5-4.5購入後、お天気と私の時間と体力の兼ね合いが悪くて、まだ満足な撮影が出来ていない。このレンズのちゃんとした評価は、もうちょっと先で行う予定。
- とりあえずアタリ個体を引く、もしくはレンズをオーバーホールに出せば、最新のカメラでも十分満足できる画質になる可能性はあります。
- 安物&軽いレンズで味をしめたら、頑張ってお金を貯めて EF 24-105 F4Lを狙ってみようと思っていましたが、動画撮影時の絞りの変な挙動に気付いてその考えが白紙に戻りました。
- 動画撮影の場合は、やはりマニュアルで絞り操作出来る方が安全ですね。。。そうすると、NFD 35-105 F3.5で十分なワケだ (EF 24-105 F4Lより軽いし)
- 最初に買ったオールドレンズ NFD50mm F1.4 と NFD 35-105 F3.5が個人的にツボ過ぎて、次に買うレンズのハードルが妙に高くなっているんだなあ・・・とチョット困り中です。