Windows8では、(ソフトウェアによっては)電源オプション[高パフォーマンス]と[バランス][省電力]では、各種ベンチマークにかなりの差が出るというお話を聞き、また実際にそれを検証されてる方々もいらっしゃるようなので、ウチのPC環境でもテスト。
以下URLに触発された感じ。
・Windows8の動画能力に愕然 - 録画人間の末路
・Windows8でCPUがパフォーマンスを発揮しきれない??? - 自作PCの道楽
▲どちらもWin8+電源パフォーマンスで、ベンチ結果がえらく落ちている模様。
テスト環境
- Windows7(Professional)
Cドライブ:SATA3(450MB/s) - Windows8 (RTM 版)
Windows to Go環境。
Cドライブ:USB3.0 (180MB/s) - ベンチ中は、セキュリティ対策ソフトは無効にした。
- 電源オプション設定を変更するたび、念のため再起動を行った。
ウチのPCはKP41回避のため、BIOSをかなり弄っています。
・Vcore
・CPU Voltage Frequency
・DRAM Frequency
など、本来は負荷に応じて可変する項目を、全て固定しています。(設定の詳細)
テストに用いたソフト
・AviSynth 2.58 + h.264(Simple x264 Launcher)
データ:1440x1080 Mpeg2-TSデータ(約9分)
・CINEBENCH R11.5
いずれも5~6回テストを行い、(明らかに変な数値が出たものを除いた残りの)平均値を掲載。(時々大きな誤差を含んだ結果が出るため、それを回避)
結果(文章)
- やはりWindows8のほうが、若干遅くなる感じ。
- 電源オプションの違いによる大きな差は発生しなかった。
(ただし私のPC環境はBIOS上であらゆる電圧・周波数を固定している。ちょっと特殊な環境。)
- Windows8のOpenGLベンチは、電源オプションの設定によりかなりの差が発生した。
結果(データ)
電源オプション | Windows7 | Windows8 | 差 | |
h264 変換(リサイズなし) | 高パフォーマンス | 58.74 | 52.70 | ▲10.3% |
単位fps | バランス | 58.70 | 52.67 | ▲10.4% |
省電力 | 58.61 | 52.73 | ▲10.0% | |
Mitigate.bat | 58.74 | 52.73 | ▲10.2% | |
h264 変換(1280x720) | 高パフォーマンス | 86.08 | 79.34 | ▲9.2% |
単位fps | バランス | 85.93 | 79.30 | ▲9.2% |
省電力 | 86.06 | 79.08 | ▲9.2% | |
Mitigate.bat | 85.74 | 79.24 | ▲9.6% | |
CINEBENCH (OpenGL) | 高パフォーマンス | 58.96 | 57.42 | ▲3.6% |
単位fps | バランス | 58.94 | 57.38 | ▲2.6% |
省電力 | 58.94 | 56.11 | ▲4.8% | |
Mitigate.bat | 58.94 | 57.40 | ▲2.6% | |
CINEBENCH (CPU) | 高パフォーマンス | 10.06 | 10.00 | ▲0.6% |
単位pts | バランス | 10.03 | 10.03 | なし |
省電力 | 9.98 | 10.04 | ↑0.6% | |
Mitigate.bat | 10.05 | 10.04 | ▲0.1% |
電源オプションの隠し項目(DCアダプタ設定)を無効にするためのファイル。
これに関する情報は「KP41解消バッチ(Mitigate.bat)を試してみる」で紹介。
電源オプションによる違いが発生したのは(Windows8+OpenGL)のみ。
残りの検証結果は誤差範囲、違いなしとみて良いかな。
ちなみに AviSynth 2.58 + h.264のベンチはWin8CP時代にも比較していて、この時の差は3~5%ほどだった。今回のテストはto Go環境(USB3.0ストレージにアクセス)しているため、前回より大き目の差が開いたのかもしれない。
結果(画像)
▲クリックで拡大
左上から順に
・Windows7-高パフォーマンス
・Windows7-省電力
・Windows8-高パフォーマンス
・Windows8-省電力
その他(CPU使用率)
AviSynth 2.58 + h.264(Simple x264 Launcher)のテストの際、
Windows7・・・・CPU使用率:80~100%
Windows8・・・・CPU使用率:常に100%
明らかにWindows8の方がCPU負荷が高い。ただし負荷時のCPU温度は変わらず。
マルチスレッドを上手く使えるソフトならば、Windows8は化けそうな気配はありますねえ。
その他2 (オーバークロック耐性)
1~2日の検証では違いは見つけられず。多分同じ。
Windows7時代にセッティングしたOC設定をそのまま利用可能。
引用(録画人間の末路さんより)
リクエストがありましたので、電源設定を「高パフォーマンス」に切り替えてみました。するとTVMW5で
1時間57分20秒
という、Windows7(バランス)のときよりもやや高速な結果が出ました。このモードにするとクロックが低負荷状態でも4GHzからほとんど下がらず、ほぼ常時高クロック状態で動きます。どうやらWindows8は「バランス」のときのクロック落としをWindows7より大きめにやっているみたいです。
あとがき
Windows8は、タブレットやノートPCにかなり最適化されたOSなので、(電源オプション:高パフォーマンス以外では)Cでベンチマークが落ちてしまうのは仕方が無い事なんじゃないかなあ、と思う次第。
ちなみに自作PCの道楽さんのPC環境でも、Vcore固定したら[Win8+電源:省電力]でもベンチの低下がかなり防げた模様です。
Windows8のデスクトップPCで、性能をフルに発揮させたい場合は、[電源オプション:高パフォーマンス]に設定、もしくはBIOS からVcoreなどを固定しておくのが無難みたい。
それ以外の場合は、「PCが省エネになった」と喜んでおくしか無いのかも。