デジカメ写真をHDR処理して作成された、超美麗な風景動画を紹介。
▲紹介ムービー: Hdr skies
撮影・制作: Tanguy Louvigny
ギャラリー: Hdr skies
ものすごく美しい動画で、うっとり見とれてしまうのは勿論ですが、注目すべきは、輝度やコントラスト(雲・空・影のグラデーションや輝き・陰影)などの表現力。
非常に勉強になります。
どうやっているの?てな疑問はページ下部で紹介。
個人的なお話になると・・・動画変換テストやブルーレイ化テストする際の輝度やコントラスト、色合い調整用の "サンプル" にもってこいの動画になりそう。製作者さんの意図と違う楽しみ方に使っちゃいそうです( ̄▽ ̄;)
HDR合成とは
HDR(ハイダイナミック・レンジ)合成
通常の写真技法に比べてより幅広いダイナミックレンジを表現するための写真技法の一種。
例えば風景のダイナミックレンジ(最も明るい部分と最も暗い部分の明暗の比)は広く、しばしばコントラスト比100000:1を軽く超える。フィルムやCMOSイメージセンサなどの一般的な記録手段のダイナミックレンジは狭く、せいぜい11段、すなわちコントラスト比2000:1程度しかない。また、一般的なモニタのコントラスト比も1000:1程度である。そのため、現実の風景などの持つ広いダイナミックレンジをそのまま記録、表示することができない場合がある。
そこで、非常に大きなコントラストの元画像(現実)を、1000:1程度のコントラストになるように、コントラストを落とした画像に変換するのが、ハイダイナミックレンジ合成である。
データ自体が100000:1~10000:1くらいのコントラスト比を持っていても、モニタでは1000:1程度の表現力しかない事に注意。動画の規格や表現力も、モニタのそれと同程度。
つまり、HDRデータから動画を作成する場合は、個人の感性とか、画像編集能力とか、そういう部分に大きなウェートが掛かってきます。
どうやって撮影&処理しているの?
現状、HDRで動画撮影できる機器は一般販売されていないので、静止画撮影したHDR画像を通常モニタ用に加工(トーンマップ処理)した後、動画編集ソフトでムービー化します。
最近では、iPhone4など iOS4.1以降のカメラでHDRを搭載しています。通常の静止画ファイルと比較して、コントラスト情報が圧倒的に大きいので、液晶モニタ上では確認できなくても、これだけの表現力が撮影データの中に眠っています。
それを頑張って加工すればこんなに美しい動画が出来るわけですね。
通常のデジカメで撮影する場合などは、「デジカメで「HDR動画」を作ろう - デジカメWatch」などが参考になります。
個人ブログでは、EXPLOSIONさんの「Canon EOS Kiss X4 を使ったHDR合成のための撮影の設定方法」などでHDR化の解説がされています。
紹介した動画の場合
紹介した動画は、下部のキャプションに撮影・編集機材のリストが明記されています。
撮影はCanon EOS 400D(日本国内ではCanon EOS Kiss Digital X)やCanon EOS 60Dです。どうやらこれらの機種にはHDR撮影する機能は付いていない様で、自家製の3軸モーションリグを取り付けて連続撮影し、Photomatix v4でトーンマップ処理を行いHDR化している様です。
最後に動画の編集には Adobe Premiere と After effects を利用。
想像以上に手間もお金も掛かった作品です。