2013.12.15: Microsoftの注意文を見つけたので補足としてリンクを入れました。
Windows 8.1の正式リリースから1週間が経ち、ある程度の情報が集まって来ました。Windows 8から8.1へのアップグレードは、想像以上に大変な感じです。
MSの事前告知の少なさや、当初のRTM出し渋り具合から、
「8⇒8.1はスゲーすんなりとアップグレード出来る」と思っていましたが・・・とんでもない。8と8.1は全くの別物 と考えた方が良さそうです。
はじめに
- SecureBoot関連のトラブルは、ページの後半に記載しています。
先に思いっきり噛み砕いて書いておくと
Windowsの署名とセキュリティの歴史
XP・・・・・・・・署名が無かったら警告を出すよ。各自で確認してね。
7(x64)・・・・署名の無いドライバはもうインストールできないよ。
8(x64)・・・・infファイルも署名を必要にしたよ。
8.1・・・・・・・・常駐プログラムなども署名が必要になったよ。
ってな感じです。動かないソフトやドライバが沢山出てきます。 - 8.1にアップグレード時に「予約領域が不足した場合」や「常駐ソフトがアンインストール出来ない問題」などに出くわした場合は、
Windows8.1にアップデートするまでの苦労と対処法 - 道すがら講堂
このリンク先も良い解説されています。参考になります。 - 一般的な注意点や対処方法としては、自作PCの道楽さんの
Windows8からWindows8.1へのアップデートに失敗する場合の対処方
内のPDFファイルが非常に参考になります。
自作PCの道楽さんのPDF文書の「要点箇条書き部分」を抜き出すと、以下の様な感じです。
- 前段・この事態が発生する中でこの文書で取り扱う事象が発生する場合/その原因/理由などの概論
- アカウント名が日本語/漢字(ファイルネーム)の問題
- 「すべてのWindowsアプリケーションを閉じる」とは?
- Windowsのシステム予約領域の容量不足
- 特に今回のWindows8.1へのアップデートにかかる特殊な要因
- 接続機器、ソフトウエア、BIOSなどの一般的解説
- 高速ブートの無効化
- Windows8.1 x64版の見落としがちな追加要件
- アップデート元に自動ログオンを設定してある場合の注意
後段・具体的なPCの操作など
- 日本語アカウント名が使われていた場合のトラブル対処法
- Windowsのクリーンブート
- BIOS設定や画面、各ベンダードライバ/ソフトウエア更新ページの例
- セキュリティーソフトの完全アンインストールツールのダウンロードページの例
- アカウント名が日本語/漢字(ファイルネーム)の問題
追記: Microsoftの注意文
Windows 8.1 Preview から Windows 8.1 に更新する - Microsoft Windows ヘルプ
とりあえず、以前Windows RT で発生していた問題は解消している模様です。
上記文書および文書内から貼られているリンク先に、Windows8.1へアップデートする際に発生する問題の原因や回避方法などが記載されています。
Windows 8.1 Preview版を利用していたPCにリリース版をインストールする際には、リンク先のような注意を行う必要があります。
上記リンク以外で気をつける事
上記以外(と言うか、言い方を変えだけで同じ話なんだけど)、8.1へのアップグレード時に気をつける点は、- SecureBoot関連が8.1でどう変更されたか?を理解する
- 常駐ソフトは全部削除しないと、8.1へのアップグレードは失敗しやすい
- Windows8.1へアップグレードした後、ドライバ類は全部インストールし直しになる。
(以下、最初に紹介したPDFと重複項目もありますが具体的に)
8.1にアップグレードする際、何に気をつければ良いのか
とにかくSecureBoot関連の変更が非常に大きいです。
従来のPCにWindows8.1をインストールする際はとにかくSecureBoot関連の下調べをしておく事。
→ 参考リンク:Microsoft - セキュア ブートの概要(詳細はページ後半で)
- 8→8.1は環境引継ぎできるけど・・・(重要)
- ドライバもプログラムも、全部インストールしなおした方が良い。
- 正常に動かないプログラムは、思いの他たくさんある。
- (超面倒だけど、可能ならば) 8→8.1前に、お行儀の悪いソフトやドライバは削除しとく。
- アップグレード時に手順を間違えると環境を引き継げない。
→クリーンインストール扱いになるので注意。
(発生条件は今の所不明)
- マイクロソフトアカウントに日本語名をつけている場合は、半角英数字の名前に変更する
- システムファイル内に日本語名のフォルダが出来上がります。
これ、トラブルの原因になりやすいので、避けるべき。
- システムファイル内に日本語名のフォルダが出来上がります。
- (重要)アップグレード前に常駐ソフトは全部削除する事。
- ウィルス対策ソフト
- (ノートPCなどの)電源管理・省電力化ソフト
- タスクトレイに常駐するソフト・ドライバ
・サウンドドライバ
・ビデオカードドライバ
・iTunes
・MS製以外の日本語入力ソフト
などなど、常駐するソフトやOSの根幹に関わるソフトは全部削除しておく。無線マウスなどもドライバ削除し有線マウスに変えておく。 - Windows8.1のSecureBootは、常駐プログラムをかなり厳しく監視している。8で作動していたプログラムも、一部引っかかる。
- IE9/IE10にインストールされているアドオンも削除しておく。
- ドライバ類は、8.1インストール後に、全部もう一度インストールし直すこと。
- ドライバ類の再インストールで調子が元に戻る報告多数。
- ドライバに添付された常駐ソフトが邪魔をして正常なアンインストールやインストールが出来ない報告も多数。
- 高速スタートアップは無効にしてから8.1にアップグレードする事
- 有効のままアップグレードを開始すると失敗しやすい
Secure Bootに関する資料(このページの本文)
- SecureBootの仕様が大幅に変更された
- 参考リンク:Microsoft - セキュア ブートの概要
- 一部抜粋
セキュア ブートは、承認されていないソフトウェアが起動シーケンス中に PC 上で実行されるのを防ぐことで PC のセキュリティを強化する、UEFI ベースの PC 上の機能です。読み込まれるオペレーティングシステムも含めて、各ソフトウェアに有効な署名があることを確認します。
- 要約:Windowsの署名とセキュリティの歴史
XP・・・・・・・・署名が無かったら警告を出すよ。
7(x64)・・・・署名の無いドライバはインストールできないよ
8(x64)・・・・infファイルも署名を必要にしたよ。
8.1・・・・・・・・常駐プログラムなども署名が必要になったよ。
- お行儀の悪いソフト、設計の古いソフトは、Windows8.1では作動しないようになります。
- ドライバだけでなく、常駐ソフトや重要なプログラムにも署名が必要になった。
- これにより、8⇒8.1へアップグレードした際に、一部のソフトが作動しなくなります。
- 8.1上で改めて再インストールすれば無事作動するようになるソフトもあります。
- 8.1では正常作動しなくなるソフトも多々あります。
その多くは、SecureBootの強化が原因になります。
- 一部抜粋
- 参考リンク:Microsoft - セキュア ブートの概要
具体的な参考資料・トラブル事例・解決事例
- HDD/SSDの接続ポートを間違っていた
- 過去のWindowsは起動する。8.1はコケる
- マザーでシステムドライブ用のSATAポートが指定してある場合に発生する
- 参考リンク:Windows8.1へのアップデートの際のハードウエア(SSD、SATA、M/B)にかかる注意点 - 自作PCの道楽
- Youtubeが再生できなくなった
- Windows8で最新のドライバを適用してから8.1へアップグレード
⇒ ブラウザの調子がおかしい。動画が再生出来ない
⇒ ビデオカードドライバ(同じバージョン)を8.1にインストールしなおしたら解決した。 - 結論: Windows8.1にアップグレードしてから最新のドライバを適用する必要がある。
- 参考リンク:2ch Youtubeスレ
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/streaming/1382111196/
- Windows8で最新のドライバを適用してから8.1へアップグレード
- IE11で正常に閲覧できないサイトが多い
- ツール>互換表示設定>
「Microsoft 互換表示リストの使用」をOFFにする - 現状、互換表示設定は、自力で登録した方がマシな結果になる。
さらに、各サイトがIE11の対応を(手探り状態で)進めている感じ。数時間~数日で表示が崩れたり治ったり・・・を繰り返す状態が続いている。 - インターネットオプション>詳細設定>
「拡張保護モードを有効にする」をOFFにする
- ツール>互換表示設定>
- 古いOpenGL関連のソフトは動かないかも・・・
その他の参考に出来るリンク
- マイクロソフト コミュニティ - Windows 8.1へのUpdate後のPC再起動時に”driver_power_state_failure”のエラーが発生 -
読み進めると、問題解決しています。
「電源関連のトラブルでは?」という予想からスタートしていますが、
「Windows8時代の常駐ソフトと8.1のSecureBootの相性が悪かった。」という結論が導き出されています。
- この件に関する関連リンク
・Bug Check 0x9F: DRIVER_POWER_STATE_FAILURE (Windows Debuggers)(英語ページ)
・Windows の STOP 0x9F エラー メッセージのトラブルシューティング
- Windows8.1のSecureBootが、一部常駐ソフトの挙動を「マウルェアっぽい」と判定して、作動を止めちゃう感じ。
- この件に関する関連リンク
- Windows8.1とSecureBootとBIOSと私 - TSUKUMO eX
BIOSを変更してWindows8.1のSecureBootを正常に作動させる話 - Windows8.1へのアップデートの際のハードウエア(SSD、SATA、M/B)にかかる注意点 - 自作PCの道楽
システム専用ドライブ用のSATAポートが要されているマザーもある。
この場合、指定の接続先ドライブにしかOSのインストールはできない。 - Windows 8.1に対応していないことを表示するプログラムは、Windows 8.1への対応を宣言しなければならない矛盾 - inasoft
- windows8.1をwindowsストアからアップグレードする際に表示されるエラーについて : ネットセキュリティブログ
- 最新レビュー!windows8.1をwindowsストアからアップグレードする方法について : ネットセキュリティブログ
- 2ch Windows 8.1 互換性・動作報告スレ
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/win/1381989582
色々と書きかけだけど、例を挙げていくとキリが無い。ここで一旦区切って記事公開。
個人的な結論としては
「Windows8.1はクリーンインストールで使う」のが正解なようです。
あと、ノートPCやタブレット機器は、8.1へアップグレードするのは危険な気がします・・・
8.1Preview版やRTM版、Enterprise90日評価版を試用したユーザーには特に大きな問題が発生しなかった事なども考えると、(少なくとも現時点では)アップグレードして使うのは危険です。。。様子見しましょう。
しかし・・・(Windows8.1の良い所)
「様子見しましょう」とは言うものの、Windows8.1のSecureBootの強力さはなかなか凄いです。
マルウェア感染の心配はかなり減りそうなので、これはこれでアリです。
未署名ドライバやカスタムドライバの利用が(Windows7/8と比較して)さらに大きく制限されるのが(個人的には)非常に厄介ですが、最近のマルウェアの巧妙化を考えると、「ネットに常用接続するPC」ならば、コレ位のセキュリティが必要な気がします。
あとがき
Windows8.1の登場(SecureBootの強化)は、
1995年、DirectXの登場をキッカケにDOSベースで動くゲームが衰退していった当時を思い出させます。
今後Windowsベースのソフトウェアが衰退し、ストアアプリやブラウザ上で動くアプリに移行していく・・・・そんなターニングポイントになりそうな設計になっています。
- Windows8.1は、Windows95登場の時のようなユーザーに受け入れられている感じはないんだけど。
- Windows最大の魅力は過去の資産との互換性じゃん?そこをないがしろにし過ぎちゃいないかい?
- タブレットやノートPCはともかく、デスクトップPCは多種多様な周辺機器を繋げて遊ぶのが楽しいんじゃないか。その楽しみを奪ってどうすんの。
ってな気持ちが大きくて、8.1は現状ではまだ魅力的なOSに見えませんなあ・・・。