前ページ「Windows10 の初期化・リカバリを「このPCを初期状態に戻す」で行う手順(前編)」の続きです。

はじめに

PC初期化前に必要な準備や注意事項は前ページに記載してあります。
このページには、初期化手順と手元のテスト結果のみが掲載してあります。
必ず前ページにも目を通しておいてください。

前ページのおさらい

「このPCを初期状態に戻す」は、以下の手順で起動します。

Windowsが起動できる場合

Windowsが起動できる場合の「このPCを初期状態に戻す」
▲クリックで拡大
「スタート」>「設定」>「更新とセキュリティ」>「回復」
ここで「開始する」を選択すると「このPCを初期状態に戻す」の画面が現れます。

「このPCを初期状態に戻す」のメニュー
Windows 10 が起動できる場合の「この PC を初期状態に戻す」その2(オプション)
▲クリックで拡大
ここで「個人用ファイルを保持する」を選択します。

Windowsが起動できない場合

Windows 10が起動できない場合の「この PC を初期状態に戻す」手順
▲クリックで拡大
この画面から「詳細オプション」>「トラブルシューティング」>「このPCを初期状態に戻す」と進みます

「このPCを初期状態に戻す」のメニュー
「この PC を初期状態に戻す」のオプション画面
▲クリックで拡大
ここで「個人用ファイルを保持する」を選択します。

前ページのおさらいここまで。
以下、これらの画面で「個人用ファイルを保持する」を選択した後の手順とPC初期化の流れを解説しています。

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「個人用ファイルを保持する」を選択した場合

ここから先は、自動でOSの再インストールが実行されます。
システムドライブに SSD を搭載したPCであれば、通常は 20分~60分でインストールが完了します。
ほぼ見ているだけ。PC操作の必要性ありません。

はじめにPCが再起動されます
「この PC を初期状態に戻す」開始画面
▲クリックで拡大

Windows回復環境 (Windowsが起動できない状態) から「個人用ファイルを保持する」を選択していた場合、ここでアカウントの確認が入ります。
アカウントの確認
▲クリックで拡大
※アカウントの指定後、利用するアカウントのパスワードの入力が必要です。
※複数のアカウントが表示された場合、最初に作成したアカウントまたは管理者権限のあるアカウントを選択します。

アカウント確認完了後の画面
アカウント確認完了後の画面
▲クリックで拡大
ここで「初期状態に戻す」のボタンを押すと、実際にWindows の再インストールが始まります。後戻りできません。

この先は、すべて自動で処理されます
Windows の 再インストール (初期化) 開始された画面
▲クリックで拡大
途中、何度か再起動が繰り返されます。
SSDかつあまり使い込んでいないPCの場合、再インストールは20分ほどで終了します。
SSDでも使い込んだPCの場合、40~60分程度の時間がかかると見ておきましょう。

補足項目
途中、以下のような設定画面は出てきません。
プライバシー関連の設定
▲クリックで拡大
「個人用ファイルを保持する」で初期化した場合、利用していたアカウントの基本的な設定は保持されているようです。メジャーアップデート や クリーンインストール の時のような OSインストール時の各種設定は不要です。

しばらく待っていると、初期化されたWindows10が起動します。
初期化されたWindows10起動
▲クリックで拡大

「個人用ファイルを保持する」を利用したPCの初期化・リカバリ手順は以上です。

Windows 10 再インストール後のチェック

削除されたアプリのチェックはここから行います。
削除されたアプリのチェック
▲クリックで拡大
デスクトップ上に「削除されたアプリ」というファイルが作成されているので、ダブルクリックしてそれを開きます。
必要に応じ、削除されたアプリやドライバの再インストールを行ないます。

Windows Update のチェック

Windows Updateのチェック
▲クリックで拡大
Windows 10 バージョン1709では、この手順でPCを初期化しても「既にインストールした品質更新プログラムは適用された状態」が保たれています。
リカバリ前の Windows 10 が既に最新の状態であった場合、初回 Windows Update でも、Windows Defender の更新と 悪意のあるソフトウェア削除ツール のみがインストールされます。

「個人用ファイルを保持する」では、どこまで初期化されるのか?

公式資料

Microsoftの解説ページ(How push-button reset features work | Microsoft Docs) には、以下のように記述されている。

  • 保持されるもの
    • ユーザーアカウント(ローカル、ドメイン、Microsoftアカウント)
      グループメンバーシップの設定、ドメイン設定
      Windows Updateの設定
      マイドキュメントなどライブラリの設定
      ロック画面の背景、デスクトップテーマ、国際設定
      ワイヤレスネットワークプロファイル
      Windows Welcomeで設定された項目 など
  • 削除されるもの
    以下、Windows.oldフォルダにバックアップされる
    • C:\Windows
      C:\Program Files
      C:\Program Files(x86)
      C:\ProgramData
      C:\Users\<ユーザー名>\AppData(各ユーザープロファイル内)
      • 個人でインストールしたアプリは削除される。
      • 削除されたアプリはリスト化されたファイルが作成され、デスクトップ上に保存される。
      • メーカー製PCなどのプリインストールアプリや、ストアアプリなどは削除されない。→ C:\Recovery\Customizationsの「プロビジョニングパッケージ」に格納されているカスタマイズは新しいOSに適用される。
        プロビジョニングパッケージとは1 / プロビジョニングパッケージとは2
      ※ドライバについて
      • ドライバは、PC購入時に存在していたもの、もしくはメジャーアップデート時に存在していたものは復元される。(ただし INF パッケージ以外でインストールされたデバイスアプレットは削除)
        メジャーアップデート以降にインストールされたドライバも削除。

手元のPCでチェック

※バージョン1709で確認。

  • Windows の設定やアカウントの設定
    • Windows の設定は多くの部分が初期化された。
    • アカウントの設定は基本的な部分は保持されているが、ユーザープロファイルは初期化された。
    • ↑デスクトップアイコンの並び順は初期化された (ここは保持して欲しかった)
    • ユーザーが登録したスタートアップ設定は (アプリケーションが削除されていなければ) 維持される。
  • マイドキュメントなどの個人用ファイルは残ったままになる
    • IEのお気に入りは残った。しかしEdgeのお気に入りは削除された。
    • IE、Edgeともに (ホームページやタブ設定など) オプション設定は初期化された。
    • ユーザーの作成したフォルダやデータも残った。
      • 「このPCを初期状態に戻す」画面
        ▲クリックで拡大
        Cドライブ直下に作成したフォルダ、およびその中に入っていたデータやアプリ (非インストールタイプ) は削除されなかった。
  • ユーザーがインストールしたドライバやアプリケーションはほとんど削除される
    • さすがにこれらは再インストールが必要になった。
    • ただし削除されたものについては、自動的にリストが作成される
      • 「新たに開始」が完了した後の画面
        削除されたアプリのチェック
        ▲クリックで拡大
        デスクトップ上には削除されたアプリケーションやドライバのリストファイルが作成されています。
  • 一部のアプリ・データはそのまま残る
    • インストーラーの無いアプリをユーザーが手動で (Program Files フォルダ以外にフォルダ作成して) インストール した場合も削除されない (ただしレジストリは初期化されている)
    • また、(手元では検証できていないけど) メーカー製PCの場合、ストアアプリにプリインストールされたものなどは削除されない (らしい)。

その他

  • アプリやドライバなどをできるだけ残しておきたい場合

このページの情報は以上です。

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