2016.11.25: 対処方法にPC強制終了と完全放電を追加。
2016.10.18: サイト内関連ページへのリンクを追加。
システム修復ディスクなどからPCを起動すると、マウスやキーボードが使えなくなった場合の対処方法を記載したページです。
こんなトラブル↓が発生した時に有効です。
- Windows 10/8.1の調子が悪くなる
- 2回以上連続で起動失敗する
- Windows回復環境が起動し、「詳細ブートオプション画面」が表示される
- マウスやキーボードが反応せず、PCが一切動かなくなってしまう・・・・
- システム修復ディスクも起動しない、もしくはマウスやキーボード操作が聞かなくなってしまう
このページでは、Windows回復環境 (Windows RE) や システム修復ディスクで起動した時に、マウスやキーボードを正しく認識させる方法、およびマウスやキーボードが使えなくなる原因について解説しています。
対処方法
通常は、以下1.~3.のいずれかで対応できるはずです。
- Windows 10/8.1 の場合、マウスやキーボードをUSB3.0接続してみる。
Windows 7 の場合、マウスやキーボードをUSB2.0接続してみる。 - USBの接続を変更してもマウスやキーボードが動かない場合
- PC起動時(Windows回復環境が起動する前) にDELキーを押し、UEFI (BIOS) 画面に直行する。
- 補足リンク
UEFI の Fast Boot を無効にする手順
※Fast Boot が 有効になっていると、POST画面でキー入力を受け付けてくれない場合がある。
- 補足リンク
- UEFI画面に入った状態から 以下の手順を試してみる。
- 何も変更せずに (Discard Changes and Exit を選んで) BIOSを終了させ、回復環境に進んでみる。
- BIOS上から DVDブート(システム修復Disc やインストールメディアの利用) を指定して起動してみる
- OSのインストール方法でDVDブートは異なる
MBR・・・・ DVDはレガシーブートさせる
GPT・・・・ DVDのはEUFIブートさせる
- OSのインストール方法でDVDブートは異なる
- BIOS上で「セキュアブート無効/CSM有効/Fast Boot 無効」という設定を行った後BIOS再起動 → 改めて「2.」の手順(一旦BIOSを経由してDVDブートさせる) を行ってみる。
- PC起動時(Windows回復環境が起動する前) にDELキーを押し、UEFI (BIOS) 画面に直行する。
- 「1.」「2.」がダメな場合、PS/2 マウスやキーボードを試してみる。
(ただしPC側にも PS/2ポートが必要) - それでもダメな場合は、電源ボタン長押しでPCを強制終了する。コンセントを抜いて10分前後放置しPCを完全放電させ、もう一度 1.~3. を試してみる。
解決方法の紹介はここまでです。
以下、マウスやキーボードが動かなくなる原因についてです。
原因:USBドライバが入っていない
この「回復環境でマウスやキーボードが動かない」というトラブルは、最近のWindows回復環境にはUSB2.0ドライバが入っていない事が原因です。逆に、Windows7時代のWindows回復環境にはUSB3.0ドライバが入っていません。
ざっくり箇条書き
- Windows回復環境 や Windowsのシステム修復ディスクは、Windows PEというOS上で作動している。
- 補足:Windows PEとWindows REについて
この二つは名前も見た目も非常に似ていますが、以下のような違いがあります。
- Windows PE
・・・・Windows プレインストール環境。Windowsオペレーティングシステムをインストールするプラットフォーム
Windows RE
・・・・Windows プレインストール環境 (Windows PE) に基づく拡張可能な回復プラットフォーム。 - Windows回復環境、システム修復メディア、インストールメディア、いずれもWindows REの機能を持っており、Windows PE上で作動している、という解釈でOKです。
- Windows PEは、他社製の Windows バックアップツールやクローンツールでも利用されています。
- Windows PE
- Windows回復環境 (Windows RE) では、全USBコネクターがUSB3.0コントローラーで制御される。
- USB2.0ポートのマウスやキーボードは動かない。
- Windows7時代のWindows PEの場合、逆にUSB3.0のマウスやキーボードは動かない。USB2.0ポートのマウスやキーボードは動く。
- DELキーなどで一度BIOS画面に直行すると、USB2.0コントローラーに制御が切り替わる。
- この場合、USB2.0ポートのマウスやキーボードが認識されるようになる。この状態でWindows回復環境に進むと、USB2.0接続したマウスやキーボードが使えるようになる。
- 注意
「セキュアブート有効」「CSM 無効」「Fast Boot 有効」という完全にUEFIなマザー設定では、USB 2.0制御に切り替わらない場合があります。 - マザーボードが古い場合、今度は USB3.0ポートのマウスやキーボードが動かないケースもあります。
- 注意
- この場合、USB2.0ポートのマウスやキーボードが認識されるようになる。この状態でWindows回復環境に進むと、USB2.0接続したマウスやキーボードが使えるようになる。
このページの本文はここまで、
以下、Windows回復環境を起動する際の、マザーボードのBIOS設定に関する注意事項です。
Windows回復環境を起動する時に注意するポイント
- PCトラブルが発生した時は、POST通過時のロゴ画面は低解像度(VGA)モードにしておくのが無難。
- マザーボードのFast Bootも無効にしておく
- サイト内関連ページ・・・・UEFI の Fast Boot を無効にする手順
- 「Fast Boot 有効」の場合、OSが起動するまでマウスやキーボードの操作を受け付けてくれない(DELキーやF2キーでBIOSに入れない) ケースがある。
- Windowsのシステム修復ディスクを起動する時は、
「セキュアブート無効/CSM 有効 / Fast Boot 無効」
「セキュアブート有効/CSM 無効 / Fast Boot 無効」
いずれかの設定でブートさせる。
- サイト内関連ページ
セキュアブート有効にするならCSMは無効にする - ネット上の情報などを読んでも「セキュアブート無効」を選んだ方が無難。
- マザーや接続デバイスが古い場合、「CSM無効」がネックになる。
- サイト内関連ページ
- システム修復ディスクのセキュアブートへの対応
- Windows PE 4.0 (Windows8時代のPE) 以降は、セキュアブートに対応している。
- Windows 7 時代の Windows PEはセキュアブート未対応
- サードパーティ製の回復ディスクも、そのほとんどがセキュアブート未対応
- 復旧に使う修復ディスクやインストールDVDは(特別な理由がない限り)修復するWindowsのバージョンと合わせて使う。
- Windows 7/7SP1/8/8.1/10 で PEも別物
- Windows 10 TH1/TH2/RS1 でPEに違いがあるかは未調査
- マザーや接続デバイスが古い場合は「セキュアブート無効」の組み合わせを使うのが無難。
- Windows PE 4.0 (Windows8時代のPE) 以降は、セキュアブートに対応している。
- 電源ボタンを5秒以上長押ししてPCの電源を切り(Windows上から完全シャットダウンしてもOK)、コンセントを抜いて数分放置して完全放電すると、マウスやキーボードを認識しない問題が収まるケースもある。
- サイト内補足リンク
Windows 10で「完全シャットダウン」を実行する方法
「Windowsを終了する」と「PCの電源を切る」は意味が違う場合がある - 完全放電の補足注意
完全放電するのに1~2時間放置しなければならないケースもある。
この場合でも、コンセントを抜いている最中にも電源ボタンを長押しすると、1~2分で完全放電できるケースが多い。
- サイト内補足リンク
あとがき
Windows回復環境(詳細ブートオプション)やWindowsのシステム修復ディスク が、自分のPC環境で正常に起動するかどうかは、PCドラブルが発生する前に確認した方が良いです。
個人的な話をすると、2014年頃 および2016年8月にテストした時は「セキュアブート有効」では修復ディスクは起動せず、当時は「システムの修復ってこういうものかな?」と思っていたのですが・・・・私の場合 ビデオカードに改造BIOSを利用していたため、「セキュアモード有効/CSM無効」という組み合わせ (UEFIネイティブ) でPC を起動することが不可能だったのが原因みたいです。
(この状態でもWindowsが正常に作動していたので、今思うととても不思議(^_^;)