エミュレーターとは、コンピュータに限らず、ある物(ハード・ソフト)を模倣して作動させる機械やプログラムの事です。
PC9801シリーズのアプリケーションをWindows上で走らせたいと思ったときはPC-9801エミュレーターを入手する必要があります。
ここ数日で(全く解らないなりに)3種類のPC98エミュレータをいじり倒してみたレポートを書いておきます。
ここまでの個人的経緯
本来の目的
1.父の一太郎Ver.3の文書ファイルをWindowsマシンへ移動
≫PC-9801時代の5インチFDをWindowsで読めるようにする1
≫PC-9801時代の5インチFDをWindowsで読めるようにする2
2.Windows上で表示、編集、印刷
≫Windowsで一太郎3 (PC-9801) の文書ファイルを読む・編集する
以上は前回までで出来るようになりました。
今回はWindows上で一太郎Ver.3そのものを操作出来るかどうか、エミュレーターを数本試してみた次第です。
個人的な問題点
1.私はPC9801の事を全く知らない。DOSの知識も少ししか無い。
2.父はWindowsを全く知らない。DOSの知識も全く無い(FD Formatも出来ない)
つまり、PC-9801の事を知らなくても直感で「これは使える」と思えるインターフェイスを持ち、Windowsを知らなくても「電源ON、即一太郎操作可能」なエミュレータがあればベストなんですが、、、、
そんなツールなんて無いですね(^_^;
で、色々エミュレータを調べていて良く解らなかったPC-9801とPC9821の違いとかが以下。
PC9800,PC9821,PC98NXの差がわかりません - 教えて!goo
読み進めていくと、PC-9801やPC9821以外にも、なにやらエプソン互換機と云うものも存在したようです。NEC PCの進化の過程が良く分かります。
今回試してみたエミュレータ
現在ネットで入手出来るPC-98エミュレータを6~7本入手してみて、直感的に「使えそうだ」と感じたのは以下3本
- Anex86 (2010/12/08よりフリーウェア) (公式サイト消失?)
現在Anex86を入手可能なサイト: WINDOWS USER のための PC EMULATORS - Neko Project II(フリー)(旧Ver他色々)
- T-98 NEXT(フリー)
もっと他にもエミュレータを知りたい!って方は以下リンクを辿ると良いかも。
PC98エミュレータを応援するページ
WINDOWS USER のための PC EMULATORS
PC98Emulatorの部屋 (サイト消失 http://hiromaru-web.hp.infoseek.co.jp/)
Emulator List(エミュレータリスト)←PC98に限らず、色んなエミュレータへのリンク集。凄いです
上記3本が良かった理由
- PC98実機からROM情報を吸い出したりしなくてもツール本体+PC98用アプリの準備だけで作動させる事が出来た。
- PC-98用FDのデータ、アプリからFDイメージへのデータ移行が直感的に出来た
この2点に尽きます。解説サイトやReadMeファイルを読めば6~7本試したエミュ全てがなんとかなるんだろうけど、自分自身で「すぐ使う」「毎日使う」モノではないだけに「直感的に」と云うのが私の中で凄く大事。現在現役のPC-9801が動かなくなった時にスグ使えるかどうかが大切なので。
以下は各エミュレーターを作動させてみての寸評
Anex86(シェアウェア)
- 試してみた98エミュレータ3本の中で一番高速。
- ネット上、書籍を問わず、情報入手が非常に容易。
- サードパーティー製ツールも豊富
- FD内イメージのファイルをWindows上で操作可能
(大量のファイルを一度に扱うには難あり) - プラグイン導入でPC98実機で作動可能なプリンタへの出力も可能
- 一太郎Ver.3を作動させるには、実機のFONTファイルの吸出しが必要
(罫線などが文字化けする)
シェアウェアと言いつつも、1155円と云う価格もお手ごろ。送金、レジストする前でもかなり試せます。98実機ROMが入手可能で、完全にWindows機に移行している人ならコレが一番よい選択になりそう。
Neko Project II(フリー)
- 3種のエミュレータの中では一番遅い。けっこうストレスのある遅さ
(PC98実機の速度に合わせてあるっぽい?) - HPにはWin98用、2000/XP用、Mac用などがあり、PC9801エミュ、PC-9821エミュなどなど、数種類のエミュレーターが置いてあった。目的に合わせて導入すれば問題は起きなさそう。
- 個人的には一番直感的に操作できた。
- FDイメージ内のファイルをWindows上で取り扱うのは少し大変
- 一太郎Ver.3(多分)問題なく作動
個人的には一番直感的に操作出来たので、「Windowsの操作に何の迷いも無いけれど、PC98エミュとは何ぞや?」って人はコレを入門用にしてみるのも手かも。
2~3日触ってみれば、他のエミュレータへの移行も簡単かも。
T-98 NEXT(フリー)
- PC-9821のエミュらしい。
- 3種のエミュレータの中では2番目の速度。これくらい速ければストレスは無い。
- ネット上での情報入手は比較的容易。
- PC98実機からのROM吸出しツール付き。
実機ROMが無くても一太郎だけなら全然問題なさそう。
実機ROMを使えばより正確なエミュレートが可能に。 - FDイメージファイルだけでなく、Windowsマシンに搭載されたFDDを扱う事が可能
- PC98実機で作動可能なプリンタへの出力も可能
- 画面の拡大縮小アルゴリズムがバイリニア法らしく、1280X800サイズに拡大すれば大画面でもクッキリシャッキリ。大画面液晶モニタとの相性良好。(他のエミュレータではボケボケになっちゃう)
- 一太郎Ver.3(多分)問題なく作動
この3種類の中で一番クセがあると感じたが、Windows上のFDドライブが使えたり、PC98エミュ窓を拡大した時にクッキリ表示してくれるなど、他には無いメリットがT-98 NEXTにはあります。
3つのエミュレータの中で、ドレを選択するか
簡単に、ストレス無く一太郎を操作出来るのは間違いなくAnex86。
しかし、操作するのはウチの父。
1.恐らく文書の管理はフロッピーで行う。
2.小さな窓での一太郎操作は恐らくストレスになるだろう
この2点でT98-NEXTに軍配が上がります。
また父が作成した文書ファイルを整理するのは私。
その際にAnex86では10個以上のファイルを一度に移動させようとすると頻繁にエラーが発生するのでチマチマ作業はちょっと勘弁。
T-98 NEXTなら
1.ファイル管理を「5インチFDDを取り付けたPC」でFDD<->Windowsが行える
2.イチイチ「FDイメージからデータ取り出し」、「データを再びFDイメージ化」しなくて済む
てな事でウチのPCに導入するPC-98エミュレータはT-98 NEXTに決定です。
次ページにて、今回試したPC98エミュレータ3種類の簡単な導入方法、覚書きを記載しています
≫T98-next、Anex86、Neko Project II、各種PC98エミュの覚書き