2012年9月に発売されたサイバーリンクの動画編集ソフト、PowerDirector11 の紹介です。
▲画像のリンク先は PowerDirector 11 の公式ページ
PowerDirector 11は色々と「スゲエ!」を感じさせてくれる動画編集ソフトです。私は現在、4Kビデオ撮影可能なカメラ「GoPro HERO3」を注文中です(まだ届いてないけど) 。なので4K動画の編集・出力に対応した動画編集ソフトが欲しかったのです。
(PowerDirector 11はアップデートパッチでGoPro HERO3 Black Editionの4K動画取り込みにも正式対応)
4Kカメラじゃなくても、最近は60p撮影できるビデオカメラも増えてきたので、そういう用途にも向いています。PowerDirector 11は、HD画質60fpsの動画も、入力・出力ともに対応しています。
今回、ブログ記事を書くという約束で、サイバーリンク社さんから PowerDirector11 Ultimate Suiteを無償提供して頂きました。ありがとうございます。
以下の3点がとにかくスゴイです。
- 4K ビデオの入力・出力に対応してます。
- SD・HDビデオはサクサク処理してくれます。
- 4KビデオもCore i7機ならば実用範囲内の速度で編集処理してくれます。
- 4Kビデオの出力速度も、カット編集程度なら 3930K +570GTXで27fps前後。速いです。(注:最下位グレードのPowerDirector 11 Deluxeは未対応)
- 初心者向けと思っていた「おまかせ編集機能」(マジックムービーやイージーエディタ、コンテンツ・アウェア)がシャレにならないレベルで進化しています。
- 人物やカメラの動きを解析して、自動で最適な効果を付加してくれます。中級~上級者が時間をかけて編集したビデオより出来が良い。。。ビックリです。
- また、最上位グレードのUltimate Suite の色補正機能が素晴らしいです。
- ホワイトバランスの調整が物凄く楽になっています。
- 家庭用カメラで撮影した動画の編集&色処理が凄く楽。チョー簡単。
はじめは「4K動画の入出力」のみを注目していましたが、侮っていました。
ホワイトバランスの調整方法と「マジックムービー」、「イージーエディタ」の簡単&高性能っぷりにもビックリです。
以下、自分用の覚え書きも含めて、PowerDirector11の気に入った部分や、今後活用したい部分を色々と書き記しておきます。
とりあえずこのページでは、4Kビデオ入出力や、基本的な操作方法について紹介&覚え書きします。それ以外の項目は、明日以降に順次掲載予定です。
4Kビデオの編集能力・出力速度
十分実用範囲です。
- 編集能力
このクラスになると4Kビデオの入力や編集にほぼストレスを感じません。
(まだ長時間動画を扱っていないので、どこまで実用性があるか何とも言え無いですけど、5~10分程度かつ3レイヤー程度ならサクサクです。)
- 変換・出力速度
4K解像度、h.264 形式で (カット編集のみ行って) 動画出力した場合、変換速度は20~27fps。
- 手持ちの動画編集ソフト (Adobe Premiere Pro CS5)と比較して、8~20倍の速度で変換します。4K動画の変換処理はぶっちぎりに速いです。
- 変換速度の詳細な比較データを、このページ下段に掲載しています。SD/HD画質も速いです。
- ※注意: 上記を測定した私のPC環境
CPU: Core i7 3930K(4.2GhzにOC) / GPU: 570GTX
MB: P9X79 Deluxe / メモリ: 16GB
と相当なハイスペックPCです。
- マルチGPGPU対応
PowerDirector11はマルチGPGPUに対応しているので、
「GPUコア内蔵のCore i7」+「NVIDIAやATIのビデオカード」
などの組み合わせでも相当な速度が出ます。PowerDirectorの旧バージョンと比較した場合、38%高速化しているとの事です。
基本操作: 入出力や編集
ビデオ入力方法
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ビデオの入力は、「メディアルーム」へ登録(ドラッグ&ドロップ)するだけでOK。
プロファイルの指定(出力時の動画形式)等を考える必要もなく、4KとかHDとかSDとかの画質も気にする事なく、どんどん登録すればOK。
ビデオ編集方法・特殊効果の付け方など
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トラック(レイヤー)は100本まで重ねる事が可能です。
また、特殊効果の種類がすごく増えています。その中のいくつかは、3Dビデオに対応しています。
また、画面の左中段のボタンから、カット編集なども容易に行えます。
ビデオ編集のコツその1 -複数のレイヤーをまとめて編集
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黄色いマーカーで範囲指定すると、複数のレイヤーをまとめてコピー・カット・削除・貼り付けなどが可能。便利です。
ビデオ編集のコツその2 コンテンツ・アウェア
この機能がすごいです!!!
▲メディアルームに登録した素材の上で「コンテンツ アウェア」をクリックすると、ビデオの自動解析が始まります。
コンテンツ アウェアで解析後の画面
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自動的にズーム・パン・顔検出、手ブレ・モーション・明るさ不良などを検出しています。ここから気に入ったシーンだけタイムラインに登録可能。不要なシーンだけ削除する事も可能。タイムライン登録時に、手ブレ補正や明るさ補正などを自動で行ってくれます。なにコレすごい。
ビデオ編集のコツその3 シーン検出機能
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メディアルーム内の動画を、シーン検出機能で自動的に分割する事が可能。検出精度は100段階で調整可能。用意する動画素材によっては、これもかなり便利。
・音声ではなく、動画部分で解析する。
・TV録画素材などの場合は、シーンチェンジが多くてちょっと使えない。
・個人撮影したビデオ編集用としては秀逸。
インターレース処理
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インターレース処理の指定はタイムライン上の動画を右クリックし、[クリップの属性]から行う。
PowerDirector9時代は、素材や出力形式によっては正しく処理してくれなかったのですが、キッチリ修正されています。60i>60p、60p>60iどちらの処理も正しく行ってくれます。
インターレース処理の精度は手持ちツールの中でトップクラス。
60i⇔24pの [テレシネ処理]・[逆テレシネ処理] は無理。仕方がないけどそういう用途のソフトじゃない。微妙にカクカクする。
ビデオ出力
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4Kや2K用のプロファイルが最初から登録してあるので、それを利用すれば4K、2K動画の出力が可能です。
また、SD/HD/4K各解像度で、毎秒60フレームの出力も可能になっています。
Core i7 + GPGPU対応ビデオカードがあれば、4K出力も実用範囲内の速度で動画変換します。
動画をアップサンプリング(拡大)出力する場合
▲クリックで拡大
「SDからHD」、「HDから4K」などへ動画をアップサンプリングしたい場合は、「強調ツール」を利用してあらかじめ動画に「エンハンスメント効果」を付けておくと良い感じです。
同社の再生ソフト「PowerDVD」のアップコンバート機能と同程度の効果を得ることが出来る感じ。
(参考: PowerDVDのアプコン比較ブログ その1 / その2 / その3)
動画変換速度
変換速度はかなり高速。
手持ちのAdobe Premiere Pro CS5との比較を行ってみました。
PC環境
CPU:Core i7 3930K 4.2Ghz / GPU: 570GTX
MB: P9X79 Deluxe / メモリ: 16GB
かなりハイスペックPCです。
ソース: MPEG2の場合 (2分30秒の映像)
入力サイズ | 出力サイズ | 出力形式 | Power Director11 | Premiere Pro CS5 |
1440x1080 60i | 720x480 60i | MPEG2 | 14秒 | 18秒 |
720x480 60i | MPEG2 最高画質 | 20秒 | 22秒 | |
720x480 60i | h.264 | 21秒 | 30秒 | |
720x480 60p | h.264 | 23秒 | 36秒 | |
1280x720 60p | h.264 | 23秒 | 49秒 | |
1920x1080 60i | h.264 | 25秒 | 38秒 | |
4096x2304 30p | h.264 | 2分54秒 | 25分32秒 |
※Premiere Proは地デジTSファイルを読めないので、普通のMPEG2ファイルを使っています。
※補正処理はリサイズとインターレス処理のみ行っています。特殊効果やレイヤー処理は一切付けていない状態です。
※両ソフトとも、動画変換中のプレビューはOFFにして計測しています。
4K画質ではHD画質より6倍近く処理時間がかかりますが、Premiere Pro CS5と比較すると8~9倍速いです。スゲー差が付きました。
SD~HD画質でもPowerDirector11の方が10~20%高速です。
入力サイズ | 出力サイズ | 出力形式 | Power Director11 | Premiere Pro CS5 |
1920x1080 60i | 1280x720 60p | h.264 | 34秒 | 49秒 |
1920x1080 60i | 1920x1080 60i | h.264 | 25秒 | 58秒 |
1920x1080 30p | 1920x1080 30p | h.264 | 31秒 | 1分18秒 |
4096x2304 30p | 1920x1080 30p | h.264 | 1分07秒 | 25分32秒 |
4096x2304 30p | 4096x2304 30p | h.264 | 2分47秒 | 32分45秒 |
4K画質では12~20倍の差が出ました。4K から4Kへの変換が、ほぼ等速で変換できます。スゲー。。。
ちょっと長くなってきたので、続きは明日以降の更新で。
次回は「おまかせ編集」や「色補正」などを紹介する予定です。
あとがき
「4K動画の普及なんて、まだまだずっと先の事じゃん?」とか思っていましたが、2012年末に74gという小型ボディーで4K~2.7Kの超高画質ビデオも撮影できるアクションカメラGoPro HERO3が発売されました。GoPro3大人気です。注文したけど品薄で届きません。
PowerDirector11 は、GoPro HERO3入手後のビデオ編集で大いに活用する予定です。
GoProみたいな小さいカメラでも4K撮影が可能ってことは、各メーカーがその気になればいつでも4Kビデオカメラは発売可能な所まで技術は進歩しているのかな?もう少し規格が定まってくれば、または市場で需要ありと判断されれば、各メーカーがどんどん商品化して行くんじゃないでしょうか。
4K動画は、TVやブルーレイよりも先にPCや家庭用ビデオで普及していくかもしれません。
PowerDirector11 公式サイトリンク
PowerDirector11 Ultimate Suite (ダウンドード版・Amazon)