RADEON系のビデオカードで、sgminer.exeを使い、Monacoin (Lyra2REv2 アルゴリズムのコイン) をマイニングする方法をメモしたページです。
RADEONのGPUで Monacoinのマイニングが上手く出来ない場合は、このページの情報を参考にしてみてください。
私自身のマイニング復帰はもう少し先になるのですが、9月27日に Lyra2REv2の試し掘りをした際、かなりドツボにハマってしまったので、「最低限知っておきたい情報」だけでも先にまとめておくことにしました。
はじめに
- 2015年9月29日時点での情報です。
- Windowsを対象にしたページです。
- 作動検証は、Windows10 Pro(x64) + RADEON R9 280X にて行っています。
- 注意:
- このページには、プールへの登録やワーカー設定についての解説はありません。
- 古い情報でもよいので参考にしたい場合は、サイト内に解説ページあります。
- このページの内容を1行で
- Windowsの場合、ドライバは Catalyst 14.4 を使う。
sgminerのダウンロード
- djm34/sgminer · GitHub
現時点の最新版は 5.1.3-lyra2rev2 - メモ
- 現時点では、Lyra2REv2版sgminerのバージョンに複雑な派生は存在していない模様。動かない原因は主にCatalystのバージョン。
- 最新の5.1.3が最も無難に作動する。
- 手元の環境では、(GPUのドライバ次第では) 5.1.0~5.1.3、いずれも正常にマイニングできた。
GPUドライバのダウンロード
- Windows版 sgminerには14.4が鉄板。
14.6~14.7でも作動するかも。 - 14.4の入手先
AMD Catalyst 14.4 WHQL (14.100.0.0 April 17)
Windows10にもインストール可能。 - AMD Graphics Drivers and Software Download
最新版を入手する場合
※ ただし15.xは、多くのWindows環境でsgminerが正常作動しない。
※ Windows7の場合、15.7、15.8は作動する環境はそれなりに多い模様。
Windows用の(基本的な)コマンドライン
sgminer.exeと同じフォルダ階層に、以下のようなbatファイルを置き、実行すればマイニングできます。
setx GPU_MAX_HEAP_SIZE 100
setx GPU_USE_SYNC_OBJECTS 1
setx GPU_MAX_ALLOC_PERCENT 100
del *.bin
sgminer.exe --kernel Lyra2REv2-o stratum+tcp://startdash.vippool.net:7777 -u user.worker -p password --no-submit-stale --gpu-platform 1
pause
- 赤文字は、PC環境によっては不要(2か所)
- これがないと正常作動しないPCがある。
- 逆に、これがあると正常作動しないPCもある。
- これがないと正常作動しないPCがある。
- 青太文字は、イージーミスしやすい部分
- 添付された「example.bat」は「Lyra2RE (v2がないバージョン)」が実行される様になっており、これに気付かずそのまま流用するとドツボにハマりやすい。
- 緑文字は、ユーザーが個別に設定するところ
- プール別に個別のURLやポート番号がある。プールに登録したユーザー名、ワーカー名、ワーカーパスワードを指定する必要がある。
※上で記述したURLはVIP Poolでマイニングする場合のURL
- プール別に個別のURLやポート番号がある。プールに登録したユーザー名、ワーカー名、ワーカーパスワードを指定する必要がある。
上記、赤文字と青文字の部分は注意です。(このページを含め) ネット上の情報をそのまま利用しても、うまく作動しない場合があります。
sgminerが正常作動してない場合の挙動
正常に作動しない場合、以下のような挙動パターンがあります。
- sgminerがすぐに終了する。
- マイニング開始直後に「続行するには何かキーを押してください」のメッセージが出る場合は、何かのエラーが出てsgminerが止まっています。
- ハッシュレートが異様に低くなる、または高くなる
- 正常に作動していれば、R9 280xの場合、3.5~4.8Mh/s前後の数値が出ます。
- 数百Kh/s や 数Gh/sなどの数値が出る場合、正常作動していません。
- GPU使用率もチェックしてみましょう。
GPUの負荷がほぼゼロのまま、という場合もあります。
- H/W error やInvalid、Rejected がどんどん増える
- 正常作動していれば、H/W errorは増えません。
RejectedやInvalidもほとんど発生しません。 - ASICpoolでは、低ハッシュレートな採掘環境ではInvalidの発生率がかなり高めになります。
- 正常作動していれば、H/W errorは増えません。
sgminerが正常に作動しない原因
多くのPC環境で、sgminer + RADEON系GPUでLyra2REv2のマイニングができない現象が発生しているかと思いますが、以下がその主な原因になります。
- Catalyst ドライバのバージョンによっては、sgminer が正常に作動しない。
(一部のdllファイルのバージョンが重要) - 採掘アルゴリズムのパラメータが間違っている
- 不要なオプションパラメータを利用している
Catalyst ドライバのバージョンについて
- Windowsの場合、Catalyst 14.4でなければ、lyra2rev2版sgminer は正常作動しないようです。
※ Windows7の場合、Catalyst 15.7、15.8で作動する環境はそれなりにある模様。 - それ以降のバージョンでは、正常作動しない環境の方が多いと感じます。
- Windows10にも、Catalyst 14.4のインストールは可能です。
- 注意:古いドライバを上書きインストールすると不具合が出るので、Driver Fusionなどを使い、新しいドライバは完全削除しておきましょう。
- Windows10にも、Catalyst 14.4のインストールは可能です。
一部 dllファイルの不足について
- Catalyst 14.4に含まれていた「msvcr110.dll 」および「amdocl.dll」が、lyra2rev2 版 sgminer の作動に必須な模様です。
- 既にこの2つのdllファイルがWindowsに登録されている場合、Catalystのバージョンに関わらずsgminerが正常作動する場合があるようです。
- ※手元の検証
Catalyst 15.8に古い「msvcr110.dll 」と「amdocl.dll」を入れたら、(一時的に) Monacoinのマイニングが可能になった。
ただしスリープ復帰後、ビデオカードドライバが正常認識されなくなり、入れ替えたdllファイルは強制的に元に戻され、また掘れなくなった(´・ω・`) - 似たような事をやっている海外の人の情報
- bitcointalk.org - Vertcoin#msg12192515
- bitcointalk.org - Vertcoin#msg12192915
- v14.4 の amdocl.dll の差し替えとその時生成されたbinファイルを保存することで、Catalyst 15.4またはそれ以降で sgminerが作動している人がいる模様。
- ※ただし このリンク先のものとカーネルの置き換えが必要とのこと(当方未検証)
- その他の参考URL
Hashing Lyra2REv2 on an AMD R9 280X |Windows 10 Pro 64bit | Catalyst 14.4 : vertcoin - Windows10の場合
- Catalyst 14.4 をインストールした上で、上記「msvcr110.dll 」と「amdocl.dll」をsgminerと同じフォルダに入れる事で、lyra2rev2版 sgminer が正常作動します。
- 注意1:前項と同じ。
古いドライバを上書きインストールすると不具合が出るので、Driver Fusionなどを使い、新しいドライバは完全削除しておきましょう。 - 注意2:ドライバが勝手にアップデートされないよう、Windowsの設定を変更しておきましょう。初期設定のWindows10では、自動的にドライバが最新の状態にアップデートされます。
採掘アルゴリズムのパラメータを確認してみる
冒頭で紹介したスクリプトの「赤字部分」に注意setx GPU_MAX_HEAP_SIZE 100
setx GPU_USE_SYNC_OBJECTS 1
setx GPU_MAX_ALLOC_PERCENT 100
del *.bin
sgminer.exe --kernel Lyra2REv2-o stratum+tcp://startdash.vippool.net:7777 -u user.worker -p password --no-submit-stale --gpu-platform 1
pause
- setx GPU_MAX_HEAP_SIZE 100
- Windows10の場合、これがないと正常作動しないPCがあります。
- Windows10の場合、これがないと正常作動しないPCがあります。
- --gpu-platform 1
- sgminerにGPUが正常に認識される場合は、このパラメータは不要です。(このパラメータがあると、逆に正常なマイニングができなくなります。)
- 2014年6月頃 (Catalyst 14.6から?) 、一部の RADEON系GPU が正常認識されなくなったため、エラー回避のTipsとして出回るようになった情報です。
このページの情報は 以上です。
その他 (おまけ)
- バッチ例
sgminer.exe --kernel Lyra2REv2 -o stratum+tcp://xxxx.com:1111 -u user.woker -p pass --no-submit-stale --xintensity 32 --thread-concurrency 8192 --worksize 32 --gpu-threads 4 - 「--xintensity」「-I」「--thread-concurrency」「--worksize」「--gpu-threads」などのパラメータは、2014年6月~8月頃の「X11」や「X13」アルゴリズムのマイニングの頃と大きく変わっていないようです。
これらのパラメータを調整したい場合は、多少古い情報を参考にしても大丈夫です。 - NiceHashに書かれている Lyra2REv2 のオススメ設定
- 参考リンク: Lyra2REv2 algorithm added --NiceHash--
- "algorithm" : "Lyra2REv2",
"xintensity" : "32",
"thread-concurrency" : "8192",
"worksize" : "32",
"gpu-threads" : "4" - Windowsでは AMD Catalyst driver 15.x は使うべきじゃない。14.4がオススメ。
- 一般的に、worksizeはできるだけ小さめに、gpu-threadsはGPUメモリが許す限り大きめに。
- Mod版 (改造版)について
- バイナリーを配布している人は発見できなかった。
- kernelフォルダ内の「bmw256.cl」や「Lyra2REv2.cl」を書き換える情報は幾つか見かけた。(いずれも既に5.1.3に含まれていた)
- バイナリーを配布している人は発見できなかった。