2015.04.06:ハイライトシャドウの設定数値の表記順序を修正
GM5のハイライトシャドウで遊ぶ - その1 の続き。
パナソニックのデジカメ (GX7以降のLumixシリーズ)には、「ハイライトシャドウ」というコントラストを調整する機能が搭載されています。
ハイライトシャドウの設定画面
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上図の設定はハイライト-3、シャドウ+3。
この状態で写真を撮ると、かなりコントラストが低くなる。
従来から搭載されている「ピクチャースタイル」と、この「ハイライトシャドウ」を色々と組み合わせていると、設定次第ではかなりダイナミックレンジの広い写真を、jpg撮って出しのまま、良い感じに撮れる事が分かってきましたヾ(*´Д`*)ノ
設定がハマった1枚
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補正なし。完全にJPG撮って出し。
場所は近所の神社にある共用施設みたいな所。
非常に天気の良い日の午後3時頃。普通のカメラセッティングだと白トビ・黒潰れが大量発生しちゃうシチュエーション。ここで、ほぼ見たまま、意図通りの明るさをjpg撮って出しに納める事ができました。
ピクチャースタイル: ナチュラル
CON -5 / SHARP -3 / N/R -3 / COL 0 / Hu 0
SS 1/60 / F8 / ISO 400 / -1.0EV / WB 曇り
後述するけれど、このセッティングが毎回通用する訳では無いのが残念な所。
また、レンズの特性や光源によって最適な設定は異なってくる。
しかし、パナレンズを付けて晴天夕方(または曇天)屋外レベルの明るさならば、(露出補正以外は)だいたいこの設定でOKっぽい。
過去、何度も失敗した被写体がなんとか撮影可能に
家から数十キロほど離れた公園にある退役SL機関車。
年に1~2度、撮影の練習をしにいく場所。
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※アップした写真はPhotoshopで諧調補正しています。
今までは15時~17時の時間帯だと 影が潰れるか、写真全体が不自然に白くなるか、という写真しか撮れなかったのですが、ハイライトシャドウを使う事で、ようやくこういう黒光りした被写体もJPGで撮れるようになってきました。
ピクチャースタイル: ナチュラル
CON -5 / SHARP -5 / N/R -5 / COL -4 / Hu 0
SS 1/200 / F4.2 / ISO 200 / -0.66EV / WB 曇り
ここで撮影するたびに、SL写真撮る人ってすげえなあ・・・と実感する。難しい。
RAWとJPG撮って出しを比較してみる
サンプル: ちょっと曇った日の神社
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GM5 工場出荷時の設定で撮った1枚。
曇った日の柔らかい光は全く表現されず、何とも硬い絵が撮れてしまった。
最近のデジカメは、天気の良くない日でもコントラスト高めの絵を出そうとしてしてしまい、こういう不自然な写真を吐き出してしまう事が多いですねえ。
ハイライトシャドウ: -2/+2、con-5で撮った写真
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ハイライトシャドウ: -2/+2
ピクチャースタイル: ナチュラル
CON -5 / SHARP -3 / N/R -3 / COL -2 / Hu 0
ちょっと淡白になりすぎてしまいましたが、見た目に近い、曇った日の写真になってくれました。
同じ写真をRAW現像し、記憶のイメージに近い写真にしてみる
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うむ。「ハイライトシャドウ:-2/+2」と「ピクチャースタイル:con-5」はなかなか良いセン言っているのではないだろうかと感じます。ほぼ同じ絵になりました。
注意: この設定は万能ではない
「よっしゃ、GM5のマイセッティングが固まったぜ!」とこの設定にしたまま色んなシチュエーションで何枚も写真を撮ってみた所、どうも思った通りに写らない状況が大量に発生してしまいました。
現段階では予想でしかないのですが、ハイライトシャドウは以下に気を付けながら設定するのが良さそうです。
- ISOが低い(光源が十分に明るい)場合は、ハイライトシャドウは初期設定のままでも十分キレイに写ってくれる。
- ISO200
ISOが低い場合、結構諧調が出る。
ハイライトシャドウは0/0~-1/+1でOK。
低ISOでハイライトシャドウ -3/+3あたりに設定すると、絵がのっぺりとして不自然になる(過去のサンプル) - ISO400~800
ハイライトシャドウは-2/+2 - ISO1600以上
特に室内、蛍光灯のみが光源でシャドウ部分が潰れやすい、という状況では、ハイライトシャドウ -3/+3~-4/+4あたりで丁度よく感じる場合もあった。
この時、シャドウかハイライトどちらかの諧調を重視した露出補正が重要みたい。
- ISO200
- ピクチャースタイルのコントラスト設定は、低めにしておく。
- 通常のレンズの場合、-3~-5にしておけばだいたいOK。
- ただしコントラスト高めに写るレンズ、コントラスト低めで写るレンズがあるので、その辺を考慮する必要がある。
- 極端なローキー/ハイキー撮影したい場合は、ハイライトシャドウは初期値に戻しておく。
- ハイライトシャドウを使う時は、露出補正は±1EV以下にしておく。
- ±1EV以上に大きく振ると、暗部か明部、どちらかの諧調が破綻する。
とりえず、最低でも上記3点に気を付けて、かつ1~2枚試し撮りしてコントラストの具合を確認した後、ハイライトシャドウの設定を行う必要があると感じました。
おまけ
GM5購入のキッカケとなった「LX7に感じた不満」を改めて検証
(参考リンク: LX100/GX7/GF7/GM1S/GM5、主なスペック比較表 (GM5が欲しい!))
LX7で撮った写真
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LX7はコントラストが最低になるように設定。
外光が白トビしないように設定して窓際に置いた人形を撮影。
人形はほぼ真っ黒。
(外光の一番明るい部分は駐車中の白い車)
GM5で撮った写真
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GM5は工場出荷時の状態で撮影。
同じく外光が白トビしないように設定して窓際に置いた人形を撮影。
急に陽が差してきて、LX7で撮影した時より明暗差が大きくなった。
(窓の外の白い車は、そんなに明るくない事に注目)
でも、LX7よりシャドウ部分の諧調が良く残っている。
GM5(ハイライトシャドウ-3/+3)で撮った写真
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jpg撮って出しでも外光を白トビさせず、シャドウ部分がこれだけ明るく出来た。少しカメラを引いて、より逆行の影響を受け易い状態で撮影しても、これくらいシャドウを持ち上げられる。
(ハイライトのコントラストが低くなり、窓外の白い車は確認できなくなった)
「これくらいで撮りたいなあ」をRAWから再現
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ハイライトシャドウを使えば、jpg撮って出しでも、多少甘くなるもののこの絵に近い所まで持っていけるコトが解った。
あとがき
最後の逆光写真くらい極端な例だと、RAWのお世話になった方が確実なのですが、それでも先のハイライトシャドウで撮った絵は、そこそこよい感じの所で写っています。
スチルの場合はRAWから現像すれば何とかなりますが、動画撮影の場合はこのTipsが重要になりそうですねえ。
ちゅうか、ようやくGH4を購入したので、今更の様にアチコチのWebサイトで撮影Tipsを拾っているのですが、みんな似たような事を考えていますねえ。