デジカメGM5のお話です。
レンズの絞りが手動操作のみのレンズ(オールドレンズ)を取り付けて、ローライト撮影したらどうなるのか・・・?を検証してみました。
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近所の街灯が点いている所で、どの位の設定で、どのくらいの明るさで写るのか?をチェックしています。
検証に使ったカメラ機材
検証に使ったのは GM5 + NFD 35-105mm F3.5 + Speed Booster。
GH4でMF練習を繰り返し、「ひょっとすると舞台撮影の時に使えるかも?」という自信が沸いて来たので、GM5の暗所撮影時の性能チェックを兼ねたテストを行っています。
設定メモ
オールドレンズを付けた場合、カメラ側から露出補正が設定できないモードがあるので、カメラの設定は
・露出優先モードか
・フルマニュアルモード
にする必要がある。
- しかし、「露出優先モード」にするとシャッタースピードの制御が出来ず、明るくなった時にSSが1/60を超えてしまいフリッカーノイズが発生しまう。
- フルマニュアルにすると、ISO設定も手動になり、撮影中に被写体の明るさが大きく変わるようなシーンでは撮影は非常に難しくなってしまう。
個人的な予想
個人的には、「クリエイティブ動画」ではなく、「写真Aモード」+「フリッカー低減モード」の組み合わせで上手く撮影すれば、ISO オートが作動するので上手く撮影出来るだろう、と思っていました。
しかし、結果は微妙。
極端なローライト環境で撮影する場合、「クリエイティブ動画」の方が僅かに増感してくれる様で、明るい絵が取れるようになりました。
以下、その結果です。
テスト結果
テストに使った機種はLumix GM5。
※「ハイライトシャドウ+2/-2」の設定をしているので、シャドウが幾分持ち上がっている。
レンズはNFD 35-105 F3.5+SpeedBooster(F2.5相当)
※マニュアルフォーカスしてるのでピントはお察しレベル。
クリエイティブ動画Sモード、SS60 / F2.8 /ISO3200
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おお、想像よりかなり明るい。
・LX7のF2.3 ISO6400より明るく感じる。
GH3の撮影データは以下(中央部切抜きデータ)
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SS30/F2.8/ISO6400 / PORT -2/-2/-2/0/0 / iDレンジ中か強
カメラ設定(SSとISO)が違うけど、明るさ的には同じ。
ちなみにカメラ側で露出調整の出来ないオールドカメラを「クリエイティブ動画Sモード」で撮る場合、カメラの露出補正は効かない。
(ちなみにSS30 にするとここまで明るくなる)
通常の動画(絞り優先)モード+フリッカー低減(SS60)、F2.8 / ISO3200
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あれ?クリエイティブ動画モードと比較して少し暗くなった?
と思いつつも、過去のGH3やLX7のデータと比較した場合、このカメラ設定と街灯の明るさの場合は、この明るさが予想と一致するレベルの明るさ。
また、撮影中はモニタが真っ暗になり、(右上の電灯以外は)何が写っているか確認できない状態になった (スチルで撮った時と同じ明るさになってしまう)。
撮影は無理。
クリエイティブ動画モードは何故明るくなるのか?
GH4と同じように、クリエイティブ動画モードで撮影する時は、極端なローライト環境では複数枚のフレームを重ね合わせて増感している模様です?
極端な露出不足に設定して、動画撮影中にカメラを激しく揺らしてみる
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GM5もGH4も、5枚のフレームを重ね合わせているようです。
詳細は別ページ「GH4の極端なローライト撮影時の性能チェック」の下段に記載。
ブラー量についての補足
GM5の設定はISO3200、ハイライトシャドウ+2/-2、コントラスト-5、
GH4の設定はISO6400、ハイライトシャドウ+2/-2、コントラスト-5、マスターペデスタル+15。
ISOとマスターペデスタルの分、GH4の方が大きく増感しているので、余計にブラーが目立つのかも知れない。
写真Aモードの動画は、何故プレビューが暗くなるのか
話は元に戻って、GM5の話。
動画撮影した場所で、動画と同じ設定でスチルを撮影すると以下の様になる。
サンプル:静止画撮影、SS60 / F2.8 /ISO3200
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同じ設定でも、スチル撮影だとスゲエ暗い。
写真撮影したデータと、動画撮影したデータで(カメラの設定は同じなのに)出てくる明るさが全然違う。
(これはGH3やLX7でも同様の結果だった)
「写真の絞り優先モード+フリッカー低減(SS60)」の動画撮影中の場合、液晶モニタは、この明るさで表示されている模様。
静止画撮影のRAWを補正
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ビデオと同じような絵になるよう弄ってみた。
動画撮影時は、露出が足りなくなるとカメラ側で増感されるらしい。
(どういう基準なのか、どういうアルゴリズムなのかは調査せず)
結果
- 極端に暗いシーンを含んだ舞台撮影の場合は、やっぱクリエイティブ動画に限る。
- 写真Aモードの場合、フレーム合成による増感がなく、クリエイティブ動画モードより暗い。
- また、写真Aモードの場合は、動画撮影中の液晶のプレビューが (写真撮影時のプレビューとなり)、真っ暗になる
- クリエイティブ動画A優先モードはシャッタースピードの調整が出来ない
- クリエイティブ動画S優先モードは露出補正が効かない(±0EVで固定)
- オールドカメラを使った場合、露出補正が効かなくなる事に一抹の不安を覚えるが、何とかなるだろう、と予測。
- 以前のローライト性能チェックの結果と比較すると、GM5(GX7のセンサー)はISO3200でも結構頑張っている。予想したよりチョットだけ明るく撮れそう。
- 写真撮影とビデオ撮影では、同じF値、SS、ISOで撮れる絵が全然違う場合がある。撮影モードによっては、撮影中のデータがモニターにプレビューされない場合がある。(静止画モードの時は、プレビューされた画と記録される画の明るさが異なる場合がある感じ)
今回の更新は以上。
おまけ:テスト場所
以下は以前にも書いた情報です。
以前のローライト性能チェックと同じ場所でテストを行いましたが、街灯がLED照明に刷新されたらしく、光量が約2倍になっています。
過去のテストとの厳密な比較対象ができなくなってしまった・・・('Α`)
以前(2013年7月)のデータ
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LX7 ISO6400 / 絞りF2.3 / SS 1/30
今回の撮影データ
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LX7 ISO6400 / 絞りF2.3 / SS 1/60
過去のデータと比較できなくなったのは非常に痛い。
まあ、仕方が無い。「見た感じより明るく写るか?」と「個人的な経験則」を基準に判断しよう。