前回に引き続き、MonsterTV HDUSをごくごく普通に、説明書通りに使ってみたレポートです。

この地デジチューナーはネット上に公開されているツールやパッチを使う事でDRMフリーな状態で録画できたりする、「極めて貴重なチューナー」である事は周知の事実です。
が、自分自身がPC用の地デジチューナー自体を良く理解していない事、現在地デジチューナーの購入を考えている人の為の予備知識として、

「一般的に販売されている普通に使用する地デジチューナーとはどんなモノか?」

を理解・レポートする為の記録です。

HDCP未対応のモニタだと、PCで地デジは見れないのか?

MonsterTV  HDUSには、公式ページにも、製品の外箱にも、「HDCP 未対応またはアナログ接続の場合、映像解像度が制限されます。」の一文が記されています。

しかし実際にHDCP 未対応だと

拡大図
▲こんなダイアログが出て画面は真っ黒。チャンネル設定すら出来ません。

解決策&何が問題だったのか?

使用しているモニタが「デジタル接続かつHDCP 未対応 」の場合は、全くMonsterTV HDUSおよびその標準アプリは、視聴及びチャンネル設定が出来ませんでした。

と言う事で 液晶モニタをアナログ接続 する事で無事解決。
録画、視聴共に出来るようになりました。

ウチの場合モニタ、VGA共にアナログ入出力端子が付いていたから良かったものの。。。

※HDCP 未対応またはアナログ接続の場合、映像解像度が制限されます。
SKnet MonsterTV HDUS公式ページより

この表現じゃHDCP未対応でデジタル接続のモニタでも視聴出来ると思っちゃいますよ(;´ω`)

この件については、付属の取説、公式FAQでも一切触れていない。
このチューナーに限った事ではないと思いますが、ドツボにはまります(´Д`;)

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自身のPCのHDCP対応が解らない時の確認方法

自身のPCが購入時期が微妙だったり、対応したものを購入したつもりでも不安だったりする場合は、SKnetから地デジ対応チェックツールがダウンロード出来るようになっています。

一応 当環境を確認すると、、、

HDCPチェックツール
▲こんなダイアログが出て来て、使用しているPCの地デジ対応度が表示されます。

以下、画像の説明。

HDCP互換: -なし-
分かっていたことですが、ウチはHDCPに対応していません。HDUSの場合、モニタをアナログ接続しないと地デジ番組の録画・視聴は無理です。

インターフェイス: VGA △
VGA(グラフィックボード)も三角マークが付いています。
理由は分かりませんがNVIDIA GeForce6600GTと云う古めのVGAを使っているので仕方がないと思われますが、とりあえず無事録画・視聴共に出来ているので現時点ではこのままにしておきます。

COPP対応: はい O
対応しているから良いものの、COPPってモノが実はほぼ初耳、良く分かりません。HDCPはよく話題にされているのである程度知っていたのですが、COPPって何なんでしょう?って事で色々調べてみました。 →これは後日まとめます。

 

HDCP未対応の解像度制限とは?

なにはともあれ、モニタをアナログ接続した後、無事に地デジを視聴出来るようになりました。
しかし、モニタがHDCPに対応していない為解像度は制限 されます。

その「解像度制限」、一体どれくらいの制限なのでしょうか?

SD画質
▲視聴ソフトに「SD」の文字が。

どうやらHD画質(1440x1080)が、SD画質(720X480:DVDビデオと同等の画素数)に制限されるようです。

地デジのSD画質は、キレイ?

デジタル放送となれば、やはりウリは高画質・高音質。

フルHD画質で視聴すれば素晴らしい映像を楽しめるのでしょうが、SD画質の地デジはあまりキレイではありませんでした。

「ひょっとして地デジはHD画質とSD画質、両方放送しているのか?」と思いましたが地デジにそんな仕様は無いようで、SD画質の映像は、地デジチューナーや付属アプリケーションで無理矢理縮小させたもののようです。
つまり、地デジチューナー全てでこのような「SD画質表示したら汚くなった」現象になるとは限らないようです。

で、肝心のMonsterTV HDUSのSD画質ですが、確かにアナログ放送よりは格段にキレイなのです。しかし普段 動画エンコで楽しんでいる人間には、非常に微妙な画質です。詳細は以下。

  • 30FPSプログレッシブで表示されます。ワンセグ放送に比べればマシですがスポーツ中継などカクカクです。
  • アニメや映画は1秒に3~4回不自然なモヤモヤが見え隠れします。テレシネ処理(30fpsと24fpsの変換処理)が上手く行っていません。
  • 地デジ対応コンテンツでも市販されてるDVDビデオより画質は下。自分チの設定でh.264  VGA 1~1.5Mbpsでエンコしたカンジ。ブロックノイズは少ないですがペタペタモヤモヤなノイズが常に発生。気になります。
  • アナログ地上波用に制作された映像を放送してる場合は、好みもあると思いますが受信状況が良ければ地デジSD画質よりアナログ波の映像が断然キレイ。ゴースト発生が無くなるものの、ビットレートをケチってエンコしたようなノッペリモヤモヤ画質。
    h.264 VGA 1Mbps以下の出来栄え。。。

やっぱり普通のPC用 地デジチューナーを購入した場合は、HDCP対応のモニタを購入して、HD~フルHD画質で視聴するべきです。

出来ないならTV用地デジチューナーとアナログキャプチャボードを接続するのがPCで地デジ視聴の正しいスタイルかと思います。

録画した地デジ番組は、どんな形式で保存されているのか?

HDUS保存形式
▲HDUSで録画したファイル。

アナログ接続すれば視聴だけでなく録画もキチンと出来ました。

ロクに下調べせずに勢いで買ったチューナーなので、「HDCP未対応では録画できない」なんて事態に陥ったらどうしよう?と不安でしたが、MonsterTV HDUSはHDCP未対応なモニタで録画も大丈夫でした。

HDUSの保存形式は「.ts」方式。しかもSD画質で録画しているのに30分で3.2GBと、通常のHDCP対応機器で録画した場合と同じサイズのファイルです。
つまり おかしな変換を行わずに標準的な形式で録画されており、後からHDCP対応のモニタを購入すれば、ちゃ~んとHD画質で再生されるみたいです。

ですが。。。。

真空波動研
▲真空波動研でファイルを見ると再生時間0秒。通常のTS再生ソフトでは視聴できません。
チューナー付属のアプリケーションでしか再生できません。

さらにPC用の地デジチューナーで録画したコンテンツは

  1. CMカット等の編集できません
  2. 一応ファイルを丸々移動やコピーは出来るが、他のPCでは再生できない
  3. iPodやPSP用など、別形式への変換不可能
  4. 視聴できる形式でDVD、ブルーレイに焼けない

と、録画したPCでのみ再生可能で、「録画したPCが壊れたら」「買い換えたら」永久に見れなくなってしまうトンでもない仕様。俗に言うDRM保護ってヤツですね。

モニタをHDCP対応機器に変更する頃にはPCも買い換える予定なので、その時点で録画ファイルは全て再生出来ないゴミファイルと化します。つまり私的には長くてもあと2~3年で再生できなくなる録画ファイル。永久保存版なファイルは作れません。

 

付属アプリケーションの操作性はどうか?

付属アプリケーションと言っても、MonsterTV HDUSの場合、TV視聴、録画が一体となったソフト一本のみ。こいつは使いにくいですが予想の範囲内というか、微妙な出来栄えです。
(ちなみにウチのPCはAthlon X2 3800と作動推奨環境ギリギリ下限です。)

  1. GUI等、全体的な出来
    ボタン数も少なく、「どのボタンを押せば何が出来る」は直感的に分かり、非常に使いやすい。ただし、起動は非常に遅い。アプリケーション立ち上げに10秒前後、その後テレビ放送が映るまでさらに10秒前後かかる。チャンネル切り替えと同様の処理を起動時にも行う模様。
  2. チャンネル切り替え
    「地デジはチャンネル切り替えに3~4秒かかる」と言われていますが、ウチの環境では8~12秒かかります。これは長すぎる。
  3. 番組予約
    番組予約ページが非常に重いです。
    切り替えに10~20秒、番組表が全て表示されるまでに5分くらいかかります。
    絶対使うもんかと思う酷い出来栄え。
  4. 再生
    何故か解らないですがクソ仕様とも思える「番組予約」ページを経由しないと再生ボタンが表示されません。しかも再生も「チャンネル切り替え」と同様の処理をするらしく、再生が始まるまで10秒前後待ちます。
    つまり、録画した番組を見たい場合は
    ソフト立ち上げ10秒待ち≫アプリ側のチャンネル設定10秒 待ち ≫番組予約ページへジャンプ15秒前後 待ち ≫再生ページへジャンプ10秒 待ち ≫見たい番組選択10秒 待ち ≫ようやく再生開始
    と、1分近くの時間と、5つもの手順を踏まないといけません。
    どう考えてもワザと不便に作っているとしか思えない仕様です。

結論

  1. 以上MonsterTV HDUSを使ってのレポートですが、PC用の地デジチューナーは、外箱や製品ホームページに記載があれば、HDCP未対応なPCでも視聴、録画は可能だと思います。
  2. その際、画質にかなりの制限を受けますが、それは製品の仕様によると思われます。
  3. 録画したファイルは他のPCでは見れないだけでなく、専用ソフト以外では再生できません。DVD等に焼いてテレビで視聴も無理です。
  4. チャンネルの切り替え、録画ファイル再生時に溜まるストレスは相当です。
  5. 地デジに対応した放送ならHDCP未対応でSD画質の制限があってもアナログ波より断然キレイ。HDCP対応機器で視聴すればメチャキレイな筈。
  6. 頻繁にチャンネルを変えるような視聴スタイルで無い限り、ただTVを見る分にはかなかな良いアイテム

というカンジで、現状のPC用地デジチューナーは「あれば便利」なアイテムですが、1万数千円出して購入するにはチョット「???」な買い物でした。

考えてみれば、フリーオが発売されなければPC用の地デジチューナー解禁なんてあり得なかったワケで、デジタル放送推協会が今年になって、今更の様に「PC用の後付け機器」でも地デジ視聴できる機器のガイドラインを出したモノです。

チャンネル切り替えや録画ファイル再生手順の煩わしさなんて、
「イヤイヤながらもチューナー解禁しないとフリーオに市場独占されちゃうから、仕方なく製品化を許可しよう。でも不便な仕様にしとかないと、みんなドンドン録画しちゃうな、、、よし、再生は不便な仕様にしとこう。これなら録画するヤツは少ないだろ!」
みたいなカンジです。(注:管理人の妄想ですよ。デジタル放送推進協会の「PC用デジタル放送チューナのガイドライン」にはそんなコト一つも書いてありません)

 

PCで地デジを視聴するだけなら、HDCP対応PC&モニタとPC用地デジチューナーでも良いかも知れない。

でもPCでTV番組を録画したいなら、TV用の地デジ、BS、CSチューナー買ってアナログキャプチャボードで取り込み。前にも書いた事ですがやっぱりこれが一番良い気がします。

あとは先日発表されたPT-1、コレ待ちですかね? 普通に録画するより多少面倒ですが現行の法律の中で違法にならない、でも録画ファイルをある程度自由に扱える、素晴らしい仕組みです。

以上、MosterTV HDUSを使って、現在発売されているPC用地デジチューナーの一般的なレポートでした。

その他

どうもHDUSとネット用無線LANの相性が悪いです。。。

無線LANの受信感度
▲MonsterTV HDUS接続前

無線LAN今
▲MonsterTV HDUS接続後。接続してから今まで48時間、ずっとこんなカンジ。

親機と子機の間に壁2枚、電子レンジ1台と、元々受信環境が劣悪なので仕方が無いですが、USBの差し込む位置を替えたりしてもなかなか改善せず。

無線LAN使用してて電波状況の悪い人は、USBタイプの地デジチューナーを接続するのは注意です。

ネットへの不審な接続、ネットからの不審な接続が増えました。。。

地デジチューナーを接続、ドライバをインストールしてから、様々なアプリやドライバがネットに接続しようとしたり、ネットから接続を求められたり、気味が悪いです。

テレビ見るだけのソフトの筈なのになんでだろ、、、謎です(;´ω`)