2020.06.13: リンク切れのチェックと整理
2014.11.27:古くなった情報を全面的に改訂
2007.02.23: 初出
「Lame mp3 (LameACM)」の紹介です。
非常に高音質なmp3音声ファイルを作成可能なエンコーダーです。
64bit版 Windows へのインストール方法も紹介しています。
このページで紹介する Lame mp3 は単体で作動するエンコーダーではありません。(※コマンドライン版もあります)
Windows上にインストールされた「ACMが使えるツール」から利用する、LameACMを紹介しています。
ツール例・・・VirtualDub、AviUtlなど。
ACM・・・Audio Codec Manager
公式およびダウンロードサイト
・現行の開発サイト: LAME MP3 Encoder (The LAME Project)
・ダウンロード: RareWares (LAME 3.99.5 ACM codec)
・コマンドライン版: RareWares - LAME Bundles
32bit版Windowsと64bit版Windowsで、インストール方法が大きく異なります。
インストール方法(32bit OSの場合)
- 管理者権限のあるユーザーでWindowsにログオンする
- ダウンロードしたファイルを解凍する。
次に「lame」など分かりやすいフォルダ名に変更する。
そして「Cドライブ直下」または「C:¥Program Files」などに移動させる - LameACM.inf を右クリックして[インストール]を選択する
▲クリックで拡大
(管理者権限のないユーザーでログオンしている場合は、[インストール]の選択肢が表示されない場合があります) - UACが反応するので許可を与える。
[はい]をクリックすると、必要なファイルがシステムにコピーされ、インストールは終了します。
この際、インストール終了のメッセージは表示されません。 - その他
『このソフトウェアはWindowsとの互換性を検証するロゴテストに合格していません』みたいなメッセージが出る場合もありますが、構わず『続行』を押せばインストールできます。
インストール方法 (64bit OSの場合その1)
ダウンロードしたファイル内に同梱された「HOWTO Install LAME-ACM on x64.txt」に書かれた手順です。
- ダウンロードしたファイルを解凍する。
- 「Cドライブ直下」に「lame」というフォルダを作成する。
以下3つのファイルを「lame」フォルダに移動させる
・ lame_acm.xml
・ lameACM.acm
・ LameACM.inf - コマンドプロンプトを管理者権限で起動する
- コマンドプロンプト上で
cd %windir%\SysWOW64
rundll32 setupapi.dll,InstallHinfSection DefaultInstall 0 C:\lame\LameACM.inf
を入力する。
入力例
▲クリックで拡大
以上でインストール終了。
※この場合もインストールの成功や失敗に関するメッセージは表示されません。
- アンインストールしたい場合は、コントロールパネルの「プログラムと機能」から削除可能です。
インストール方法 (64bit OSの場合その2)
注意: 私が我流でinfファイルを書き換えたものです。
アンインストールはできません。。。
- 「LameACM.inf」ファイルを書き換える事でも、64bit Windows に Lame MP3をインストールできます。
- LameACM.infファイルは (今の所) 2002年から変更が無いので、古いバージョンで編集したinfファイルはそのまま最新のLameACMで利用できます。
手順
LameACM.infの以下を書き換え、32bit版Windowsの時と同様に右クリックでインストールします。
(管理者権限でWindowsにログオンして操作しましょう)
LameACM.infの以下を書き換え箇所
82行目[DestinationDirs]部分
LameACM.Copy = 10,SysWOW64
51、52行目[LameACM.AddReg]部分
HKLM, "Software\Wow6432Node\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Drivers32","msacm.lameacm",,"LameACM.acm"
HKLM, "Software\Wow6432Node\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Drivers.desc","LameACM.acm",,%DisplayNameWin%
63、64行目[LameACM.AddRegNT]部分
HKLM,"SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\drivers32","msacm.lameacm",,"LameACM.acm"
HKLM,"SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\drivers.desc","LameACM.acm",,%DisplayNameWin%
73、74行目[LameACM.DelReg]部分
HKLM,"SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\drivers.desc","LameACM.acm",,""
HKLM,"SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\drivers32","msacm.lameacm",,""
赤字部分が変更及び追加箇所。上記に書き換える事で無事インストール成功。
(2014.11.27:LameACM-3.99.5 および x64 Windows7、Windows8.1で確認)
VirtualDubでエンコしてみて普通に使える事を確認。
インストール後
VirtualDub系のツールやAviUtlなど、ACM(Windowsのオーディオコーデックマネージャー)を利用するツールからLAME MP3が利用可能になります。
例(VirtualDubModの音声圧縮設定画面)
▲クリックで拡大
このように、音声圧縮メニュー内にLAME MP3が登場し、正常に圧縮変換できるようになっていればOKです。
※ソースと異なるサンプリング周波数で変換すると大きく音ズレするので注意しましょう。
※利用ツールによっては、初回起動時に正しく「Lame MP3」と表示されない場合があります。ツールを再起動する事で解消します。
このページの解説はここまで。
次項はおまけ情報です。
その他のmp3エンコーダー
午後のこ~だ
LAMEの派生エンコーダーですが、非常に音質の良いMP3エンコーダーとして、90年代後半から2000年代にもてはやされたMP3エンコーダーです。
特にCD音質(44100hz)のエンコードで高い評価を得ていました。
午後のこ~だは、2004年で開発が止まり、2007~2008年頃に本家LAMEが「午後のこ~だ」の技術を取り入れ、その後も改良が続けられ、現在では音質面でもLAME MP3の方が優位になっています。
余談・おまけ
MP3エンコーダーは、特許上の理由などから、「エンコーダー」としてソフトウェアを配布する事が難しいエンコーダーです。
LAME MP3は、当初はISOのサンプルコード改良する事を目的とし「LAME はMP3 エンコーダではない」として配布していました。(LAMEの名前の由来は「LAME Ain't MP3 Encoder」)
国内産のMP3エンコーダー「午後のこ~だ」も、(自動ビルドプログラムが付いているものの)コンパイル前のソースファイルとして配布し、学習・研究用途向きとして公開されています。
LAMEは2000年5月にISOのソースコードを完全に置き換えることに成功し、その後はLGPLライセンスに基づくオープンソースとしてMP3 「エンコーダー」を名乗っています。が、現在も「MP3 エンコーディングについて学ぶために使われる教育的なツール」と位置づけて配布されています。
開発プログラムにLAMEを利用することは、(他のmp3エンコーダー同様に) 特許の許可が必要になる可能性は、今でも残されています。
特許やライセンス関連の参考リンク
・MP3のライセンス問題はその後どうなったのか | Timesteps跡地
・LAME - Wikipedia
・MP3 と著作権法
・mp3というフォーマットと特許・著作権 (文字化け注意:文字コードがJIS(シフト-JISではない))
さらに, LAME のホームページにもある通り, LAME は「教育・研究目的のソフト」でもある。実際, 海外ではいくつかの大学において, LAME のソースコードを元に, いくつかの論文に記された技術の実装などが研究されているといい, 開発者 ML にもいくつかそういったところから質問メールなどが来ていることがある。
と, ここまで考えると LAME がずっと改良を続ける限り, LAME を使うことはすべて開発行為であり, 特許違反にならないかも知れない。
もっとも, こういったオープンソースな開発形態は, 特許制度や法の想定からは大きく外れていると思われる。特に, 不特定多数の人間が開発に関わり, 一体誰が開発チームで, だれが使用者であるのか, などと言ったことはわからないと言う点は, かつての特許制度や科学技術の研究体系とは大きくことなるものであり, 特許制度がこれを想定しているとは思えない。
それに, この「世界中の人が開発者」という理論は, オープンソースの開発モデルの理想的には確かにそうなのだが, 実際のところそうではないのは明らかであり, 裁判になった場合, これが認められるとは思えない。というか, 裁判をしなければ何も明らかにならないであろう。