2016.08.31:Memtestでエラーが出なくてもメモリが原因でエラーが出る例追記
2016.02.06: コメント欄に頂いた情報を追記
2015.02.28: メモリが高温になっている場合のチェック方法を追記。古くなった情報を修正。
Memtest86は、PCのメモリーが正常に作動しているかどうかをチェック出来るフリーソフトです。
Memtest86+ Memtest86(+なし)
使い方
Windows上で作動するツールではありません。
ブータブルなCDやUSBメモリを作成して、PC起動と同時にメモリチェックを行うモノです。
詳しく知りたい場合は 「Memtest86+」の使い方 - PCと解 などを読むのが良いかと思います。
Memtest86+、Memtest86(+なし)どっちが良いの?
本家Memtest86(+なし)は一時(2007~2012年頃) 更新がストップしていましたが、現在は開発を再開しています。
そしてMemtest86 V4.3以降とMemtest86+V5.0以降は、開発コードの一本化が進められており、現在はほぼ同じ性能になっています。
現在は、両者に違いはないと考えてOKです。
どちらを使っても問題ありません。
Memtestは1周で良いのか?10周以上回す必要があるのか?
私はMemtest利用者の中では少数意見に属すると思うのですが、「Memtest10周なんて意味無いじゃん」派です。「メモリ9GB積んでいると1周回すのにも70~90分かかるし。2~3周で十分だよね?」と考えています。
コンピュータというものは、存知の通り計算ミスをしません。(様々なバグにより計算ミスが発生する事がありますが、それらはプログラムのミスによるもの)
基本的に、Memtestで1周まわしてエラーがなければ、メモリにエラーはないと考えて良いです。
- じゃぁ、何でPC自作する人たちはMemtestを10周も20周もぶん回すの?
- ネット上で検索をかけると「Memtest86+5周目でエラー」とか「16周目でエラー」とか、耐久テストをやって初めてエラーがでる環境も沢山あるみたいだけど、実際どうなの?
みたいな疑問が出て来ますが、多くの場合でそれはPC環境全体、そしてPCが置いてある部屋・家の電源環境そのものの問題になります。
- 連続で負荷をかけた時に
- 電源BOXは安定して電力を供給してくれるか?
- マザーボードも安定して作動してくれるか
- PCの排熱処理はしっかり行われているか?
- 家の中でドライヤーや電子レンジ等々、大きな電力を食う家電を作動させた時に、PCに安定して電力が供給出来ているか?
- そもそも家に配線された電線に、安定して電力が供給されているか?
Memtest2周目以降は、上記のような環境テストのような意味合いを持って来ます。
1周目でエラーが出ていなければ、メモリ自体にエラーは無いと思ってOKです。
Memtestのエラーに限らず、PCが謎の不調だとか、動画エンコやゲーム中にPCが落ちたりBSoDしたりするのは、大抵上記が原因です。
Memtestでエラーが出なくてもメモリが原因でエラーが出る例
- 外部リンクの紹介
ディスプレイドライバの応答停止と回復 - BTO高知公式Blog
ディスプレイドライバの応答停止と回復の原因 - BTO高知公式Blog
- 上ブログさんの内容
- Memtestを10~20周パスしたメモリでも「ディスプレイドライバの応答停止」が発生する。
- そんな場合でも「メモリ交換」や「マザーのBIOSアップデート」(メモリ互換性の向上が含まれた更新)で症状が改善するケースがある旨を報告されています。
- という事で、Memtestを10~20周パスした場合でも、メモリに起因するPCの不調を完全に取り除く事はできない・・・・という結果もあるようです。
てなわけで、私のMemtestは2周~3周
私はMemtest86+、2~3周しか回しません(^_^;
1 周目は普通にチェックし、2周目に突入した所で、同じコンセントに繋いである別の家電の電源をON/OFFしたり、電子レンジ、ドライヤー、エアコン、洗濯機、掃除機 等々、消費電力の大きな家電を使いまくってみたり。PCに供給される電力を極力不安定な状態にしてみます。
2周目以降でエラーが出たら、原因はマザボ、電源BOX、PC周辺機器、コンセントのタコ足等々が原因。電力が不安定な状態またはどれかが劣化した状態。
工場やオフィス街が近い地域では、昼12時前後とか夕方17~18時等々、仕事場の電力消費量が大きく変わる時間帯を選んでみるのもアリです。
高温時のメモリテストについて
PCに使われているパーツ全般に言える事ですが、高温になるとエラーや誤作動が発生しやすくなります。
CPUやビデオカードの場合80~90℃、メモリやHDDの場合は50~60℃を超えた辺りから故障やエラーの危険性が高まります。
ちなみに、メモリの温度とエラー発生率には大きな因果関係は見られないという研究結果があります。
グーグルの研究が示すメモリエラーの真実--明らかになった高い発生率 - CNET Japan
これはしっかり温度管理されている「データセンターでの室温の違い」となるので、一般家庭のPC環境や、極端な負荷をかける場合は、メモリの温度にも多少の注意をしておく必要があります。
PCに高負荷をかける使い方をする場合は、高温時のメモリチェックも行ってみましょう。
チェック例
- 動画エンコードや Linpack、Prime95などでPCに非常に高い負荷をかけた後にメモリテストを行ってみる。
(排熱性能の低いPCはブルースクリーンが発生するので注意する事) - または(最低でも)連続3~4時間のメモリテストを行う。
- GIGAZINEの別のメモリチェックソフトの紹介記事では、温度変化によるエラーをチェックするため、最低でも3周させる事を推奨しています。
Memtestで注意するのはUSB機器
最近はUSB機器を大量に接続したPC環境が非常くなりましたが、USB機器の大量接続は結構PCを不安定にさせるので注意です。特に大量の電力供給を必要とするものなどは危険です。
普通にMemtest86+で2~3周パスしたら、自分の利用環境で考えられる最大の数のUSB機器を接続してMemtestを1~2 周走らせて見る事。
私の場合ですが、電子タバコのUSB充電器(650mAhを1時間半で充電しちゃうかなりのハイパワー機器)を良く接続しているので注意。USB地デジチューナーも結構PCに負担をかけるので注意。
※さらに注意
USB 機器を大量に接続したままMemtest86+でエラーが大量発生しても、それが即Windowsの不安定に結びつくとは限りません。接続したUSB機器とマザーボード、Memtest86+との相性でMemtestではエラーが出るが通常利用では大丈夫な場合もあります。相性について検索してみる事も必要です。
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一応ですが、私は大量の電力を必要とする機器には、上記セルフパワー付きUSBハブを利用しています。
2016.02.06追記/この方法は、完璧ではない
コメント欄に「負荷を掛けても完璧な試験にはならない」、「時間と手間をトレードしてるだけ」という旨のご意見を頂きました。
頂いたコメント全文メモリが100%で壊れている場合は最初あたりのテストフェイズで出るとして、それ以外のエラーは基本的に確率的にエラーが出る状態であると考えられますが、環境による負荷で1%が10%になる程度ならば結局数を回さないと出ないことになります。
なので回す回数を減らすのは、許容するエラーの率を上げている事になります。
とはいえ、そもそもECCついてないメモリは宇宙線が命中すれば即化ける状態なので、ECCなしで済ます用途なら一周完走する程度で妥協しても大して問題ないとも言えます。
負荷を掛けても完璧な試験にはなりませんし時間と手間をトレードしてるだけで、ECCメモリ使って負荷かけながら延々回すような猛者には敵わないと思いますよ。
先に頂いた「高温時のメモリテスト」のお話しと同様、完全なメモリチェックを行いたい場合は「私の提案する方法では不十分」という感じですね。うん、まあ、、、その通りです(^_^;
とは言うものの「非ECCメモリでも十分な用途」ならば、私の提案している方法でもまあ大丈夫かな…?という感じで補足も頂いています。
とりあえず、完全なメモリチェックを行いたい場合は、しっかりとしたメモリを積んだ上で24時間くらいは Memtest をぶっ続けるしかない感じです(^_^;
あとがき
本日、Windowsを使い始めて十数年で初めての体験をしました。
更新・保存中のテキストファイルが、突如消失。
間違って別フォルダに保存しちゃったのかと思いファイル検索をかけるも見つからず。ゴミ箱や別ドライブ、別フォルダ等々、色々探すも見つからず。。。
4 月28日にPC環境をアップデートした際に、簡単な耐久テストしかしていなかったので「もしや」と思い本日Memtest86+とPrime95でチェックを行いました。
結果:Prime95での発熱は想定範囲内。Memtest86+3周まわしてエラー無し。
Memtest86で10~20周チェックしないとエラーは出ないレベルなのか、原因は別にあるのか。。。う~む、謎です。