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2011.01.10: 初出


春から本気だす

冬、寒い日 (特に午前中) は「PCが起動しない」または「スリープ復帰に失敗する」という問題が発生しやすくなります。

当サイトでも冬の寒い時期になると「PC 起動しない」等の検索ワードで PCが起動しない原因をさぐる方法、故障の症状 判別方法 へのアクセスがかなり増えるため、寒い日専用のPCが起動しなくなる原因と対処方法を記載したページを設置しました。

 PCが起動しなくなる現象は、冬場にわりと良く発生します。
 まずは結露を疑いましょう。
 次に室温低下による電源ユニットの出力低下を疑いましょう。

 

「朝一番にPCの電源を入れたら起動しない。」なんて時は、慌てず騒がずお部屋に暖房を入れて、しばらくしてからもう一度PCの電源を入れてみましょう。
お部屋を暖めただけで無事PCが起動した場合は、HDD・マザーボード・電源ユニットが寒くて本気だしてない場合が殆どです。

PCは熱に弱いイメージがありますが、寒さや温度差にも弱いです。

まずは結露に注意

これらの状況では、急激な温度差でPC内に結露が発生します。
暖房を入れた直後(部屋は暖まったけどPCはまだ冷たい)の状態も、結露は発生しやすいので注意して下さい。PC内に結露が発生していた場合、水分が完全に蒸発するまではPCのスイッチは入れないようにしましょう。


続いて、PC内の「寒さに弱いパーツ」には どういうものがあるのか?というお話です。

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寒さに弱いパーツ1:電源ユニット

PCパーツの中で、一番寒さに弱い部分は電源ユニットです。
というか、電源ユニット内で使われている電解コンデンサが寒さに弱いです。
(詳しく知りたい人は「電解コンデンサ 低温特性」で検索。)

安物・寿命間近・スペックギリギリの電源ユニットは、室温10℃以下になった場合に出力不足でPCが起動できないって症状が割と良くあります。

寒さに弱いパーツ2:HDD

モーターで駆動するパーツ、特にHDDは、暑さ寒さ両方に弱いです。
また、HDDは結露にとても弱いです。ドライブ内のディスクが結露した状態で起動させると、HDDに重篤な故障が発生してしまう場合もあります。
室温5℃の場合は、故障率が室温25℃の時の6倍以上になるというデータもあります。
HDDに最適な温度範囲は35℃~45℃(室温20℃~30℃)です。

電源投入直後の数秒間のスピンアップでHDDが規定温度まで上昇しない場合、マザーボードによってはエラー出してPCを起動させないものがあったはず(記憶のみソースなし)

室温10℃以下の場合、HDDに非常に大きな負担をかけています。
PCが起動出来なくなった場合は、HDDのSMART値等をチェックして異常が発生していないかチェック。CrystalDiskInfoで「注意」「異常」などが無ければ、ひとまずOKです。

寒さに弱いパーツ3: マザーボード

ちなみにマザーボードにも電解コンデンサは使われています。
こちらも電源ユニット同様に寒い日に出力不足を起こし、起動できない原因となる場合があります。
(電源ユニットと比較して、マザーボードが原因である場合は非常に少ないです)

寒い日は静電気にも注意

気温が低くなると空気が乾燥しやすくなり、静電気が発生しやすくなります。
不用意にPCを分解してPC内部に手を触れると、静電気によってPCパーツが破損する場合もあります。注意しておきましょう。

 

注意事項はここまで。以下は解決策です。

解決策

とにかく部屋を暖めましょう。暖房器具のスイッチ入れて、30分程度待って、それからPCの電源を入れるのが一番です。
既に結露が発生していた場合は、お部屋を暖めつつ、換気の良い状態を保ち、水分が蒸発するまで(少なくとも数時間)は待ちましょう。

裏技的なものとして、「PCの電源スイッチを5~6回ON/OFF繰り返す」ってのがあります。
何度もON/OFFしているうちにコンデンサに必要な電気量が貯まりますので、なんとかPCが起動する事が可能です。
ただし、PC にかける負担は半端じゃなく大きいので故障の原因になります。超急ぎの用が無い限りやっちゃダメです。
 ↑※コメント欄にて「急ぎの時でも絶対やっちゃダメな禁じ手」とお叱りを受けました。マネしちゃダメです。

 

(結露が発生していない状態で)電源を入れても起動出来ない場合は、通電しっぱなしで15~30分程度放置後に再度電源を入れる。その場合、一度電源を切った後2分程度は再投入しない事、切らずにもう一度起動する場合は PC のリセットボタンをを押して再起動するのがお勧め、との事です。

参考:他サイト情報

この手のトラブル情報に詳しい「パソコントラブル出張修理・サポート日記」さんの該当記事
電源が入らない。寒い日編 
こちらをを読む感じでは、「故障」と見るか「寿命ギリギリ」と見るか微妙なラインです。性能劣化したPCが寒くなって起動しなくなったパターンです。

寒いとパソコンが起動しないのは日本だけの現象なんだろーか?
冬にPCが起動しにくくなる現象は「コールドブート現象」と呼ばれているらしい。パーツの品質が高いMacや昔のPCでも発生していた模様です。

補足

  • Windows Vista以降は スリープが安定作動するようになり、スリープで運用するPCも増えてきたため、寒い日だけスリープ復帰に失敗する、というPCも増えてきました。
  • この場合の「cold」は、通常の コールドブート(電源オフの状態から起動する意味)とは違う本当に「寒い」とか「風邪を引いた」という意味での「cold」ですかね?

参考:私個人の体験 

ちなみに私が2005年~2008年の間利用していたSocket 939マザーAthlon64x2機も、室温が7~8℃以下になると起動しませんでした。電源は530Wとかなり余力を持たせていたのですが、安物電源だったので低温時の出力は非常に弱く、購入直後から真冬の起動には難がありました。

このPC、冬場に起動しなくても3年間ウチで元気に働いてくれました。
その後2009年1月に知人に譲り、2010年12月までの5年間、ほぼノートラブル。
さすがに5年酷使した所でPC起動不能となりましたが、軽く診断した所電源ユニット以外は元気そうだったので電源ユニット交換のみで対処。今でも知人宅で現役機として働いてくれています。

まとめ

 「寒い日に起動しない」 → 「即PC修理・パーツ交換の必要あり」
ってワケじゃないので、利用年数や、他不具合の発生状況を見ながら、そのまま利用するって方法も十分にアリです。

寒い日にPCが起動しなくても、安物電源使っているPCの場合、それは仕様。
ただしそれはPCに危険な状態なので、電源ユニットを交換するのが望ましいです。

あとがき (余談)

2016年から2018年にかけ、3年連続して「1月24日」にリマインダー更新を行う事になりました。ここ数年、毎年同じ日に極端な寒波が来ていますね・・・・。

このページは以上です。