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赤外カットフォルターを外すとどういう風に写るんだろう?ってのを実際に体験してみたくなり、安物Webカメラを改造しました。

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IRカットフォルターを外して見たよ
デジカメに限らず、通常のカメラはレンズと受光体の間に赤外線をカットするフィルターが入っているのですが、ソイツを外すとどういう風に写るんだろう?ってのを、実際に体験してみたくなりました。

という事で手持ちカメラの中で壊れても惜しくなく、かつ分解・改造が簡単そうな安物Webカメラ「PLANEX CS-W05NM」で実験開始。

改造自体は1時間弱で完了。
ドコを弄るか分かっていれば10分で終わるレベルでした。
ただしこの機種は絶望的にピントが合わなくなります。

実験のキッカケ

Webカメラ分解

分解・改造には、手元のカメラで一番構造がシンプルなWebカメラ PLANEX CS-W05NM を選択したせいもあり、IRカットフィルターを外すのは、もの凄く簡単でした。
カメラレンズの取り外し
▲前面のカメラレンズ部分がネジ込み式になっていて、これを回してピント調整を行うのですが・・・・最後まで回しきるとパカっと外れます。
レンズを外すと、それだけでCMOSセンサーがコンニチワしてきます。

IRカットフィルターはレンズ側に付いています。
このフィルターは意外にしっかりハマっているので、糸ノコで無理矢理レンズ側を分断しました。

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レンズ分解時に落ちてきたモノ

IRフィルタ
▲ちょっと緑色に見えているのがIRカットフィルターです。
写真に撮ったら少し色が褪せ、反射光も消えてしまいましたが、実際にはもう少し濃い緑色です。反射光はピンク色。
(ちなみに、スペーサーがもう一個ありましたが紛失してしまいました。)

レンズに発生している影を見て分かるように、この機種は凸レンズにIRカット処理が施されています。コイツを外すとピントが全く合わなくなります。

※注意:
IRフィルタに度が付いていなくても(光の屈折率などの関係で) IRフィルタを外した後のカメラはピントが合いにくくなります。

Webカメラ改造

とりあえず今回は、「後処理での色補正がどれくらい可能なのか」が知りたいだけなので、ザックリピントが合えばOK。
ザックリピントが合えばOK。
▲100均で買ってきた3倍ルーペとトイレットペーパーの芯で、ざっくりピント調整。盛大にケラレが発生し、ピントも甘いけど、今回はこれで十分。

撮影テストに使った被写体

通常のデジカメで撮影
テストに使った被写体
▲左から
 ・青いタオル (実際にはもう少しくすんでいる)
 ・オレンジのタオル (実際にはもう少し濃くて鮮やか)
 ・薄緑のタオル (実際にはかなり薄く、蛍光っぽくない)
   ・あと、真ん中に 赤いお菓子の袋が写っています。
   ・撮影時の服装: 暗い紺のTシャツ、深緑のYシャツ

日中(室内)での撮影

処理前
日中:処理前
▲予想通り、画面は盛大にピンク色にシフトした。そして2倍くらい明るく写るようになった。
左から
 ・うす緑のタオル・・・真っ白に
 ・青いタオル・・・ほとんど黒
 ・赤いお菓子(顔の前)・・・・すげー薄い赤
 ・オレンジのタオル・・・まあ色が残っている
 ・暗い紺のTシャツ・・・・明るいグレーに
 ・深緑のYシャツ・・・・明るいグレーに

光量が大きすぎて白トビも目立つ。絞りやシャッター速度の調節が出来ないカメラでは、キレイに写すのは難しそう。また全体的に彩度も下がってしまった。

色補正後
日中:色補正後
▲色々頑張ったけど、緑系と青系の色合いが復活する気配が無い。
また、オレンジ色だけ妙に彩度が高くなる。
そして、色補正を行っていくと画面はどんどん暗くなる・・・。

蛍光灯の下で撮影

補正前
蛍光灯の下で撮影:補正前
▲思ったよりピンクにシフトしない。(っていうかカメラのオートホワイトバランスが作動してるっぽい)
また、明るさもIRフィルターを外す前とそんなに変わらない。
赤・オレンジは普通に発色してる。青は紺に近い色だったのに水色に・・・
緑系は壊滅的に色が出ない。

補正後
蛍光灯の下で撮影:補正後
▲補正後・・・全体を少し緑色にシフトさせ彩度を上げてみるものの、緑色は期待する半分程度も発色してくれない。

結論

日光や白熱灯で撮影
・・・すげー明るくなるが、色の再現は無理。暗くなる方向でしか補正が行えない。
蛍光灯
・・・色の再現はかなり容易に出来るが、明るくならない。

「ちょっと暗い所でのカラー撮影」にあわよくば・・・と思っていましたが、そういう用途には使えない感じですね(^_^;

参考

蛍光灯、白熱灯、LEDのスペクトル分布
 もったいない~(LED、電球、蛍光灯)エネルギーロス比較 - 節電・省エネLED照明の楽画企

自分の想定する撮影場面は、この3つのライトが混在する事になるので、安易に赤外カットフィルターを外さない方が良さそう。

あとがき

蛍光灯など、赤外線光を殆ど出していない光源の下ではIRフィルターを外してもあまり意味がない・・・ということか。

そして日光や白熱灯など、赤外光がバンバン出ている所では盛大に色のシフトが発生し、素材の種類や色合いによっては明暗まで可視光撮影とは全然違う結果になっちゃうのね。

うーむ。。。「色合い無視、とにかく暗視目的」って場合じゃないならば、IRカットフィルターを外しても意味ないなあ。

 

大方の予想は付いていたけれど、とりあえず体験・納得したかったので目的の大部分はクリア。白黒撮影の件は、そういう機会が訪れた時に再度真剣に考える事にしよう。