前回更新から、引き続きGoPro HERO3 BlackEditionの新ファーム(3.03.02.37:2013/04/04公開) の安定作動検証を行っています。
やはり前バージョンと比較して、格段に安定度が上がっていますねえ。
撮り直しが効く場合ならば、USB給電でGoProAPP +高負荷撮影モードもチャレンジしてみても良さそうだなあ・・・って所まで安定してきてます。
(給電無しでGoProAPP +高負荷撮影モードは試していません)
先にまとめ
- 新ファームだと「Protune 1080P 60fps」や「2.7K」などの「45Mbpsの書き込み速度不足」による停止が非常に出にくくなっている。
- 明らかに速度不足なカードじゃなければ「途中で録画停止」は発生しない。
- microSDカードが「書き込み速度劣化」を起こしていても、エラーの発生は少なくなった。手持ちSDカードでは、エラー発生頻度1/5~1/10くらい。
(劣化が酷ければ、エラー発生する)
(劣化の起きていないSDカードは、勿体無くて検証に使っていない) - 発熱も少なくなっているように感じる。
→ 気のせいだったかな? 熱くなる時はやっぱスゲー熱い。変わらんかも。 - GoPro APP有効にして45Mbps 撮影もOK。
(ただし1.5~2.1AのUSB給電が必要。そしてスゲー熱くなる。今の所は熱暴走なし) - その他
- テストを繰り返してたら、32GBカードも劣化が始まったっぽい。
- SDカードの (Class10の書き込み速度的な意味合いの)寿命は、(カードの品質・耐性によるけれど)全体書き込み30~40回前後前後かなあ?
- もしくは高温 (70~80℃?)な環境に100時間前後晒すあたりかな?
- Sandisk 64GBカードの劣化や突然死の原因などは引き続き情報収集中。
検証内容
内容:以前のファームではまともに撮影できなかったモードの検証
撮影条件
・GoProAPP: 有効
・Protune: 有効
・画質: 2.7K 30fps または1080P 60fps
・給電: USB 2.1Aまたは1.5A給電
・ハウジング: ネイキッドフレーム
45Mbps(約5.6MB/s)の高負荷高画質モード。
利用したmicroSDカード
・64GB Sandisk UHS-I Class10
・32GB KingMAX SDHC Class10
どちらもかなり使い込んでいて、書き込み速度劣化あり。特にSanDisk 64GB品はGoPro HERO3 BE(旧ファーム)だとエラー連発。
注意:以下のテストは旧ファームでマトモに録画できなかったSDカードと撮影条件。
microSDカード | カードの状態 | Wi-Fi | 給電 | 画質 | 撮影時間 | 録画停止時の状況 |
64GB Sandisk | 既に劣化したカード | GoPro APP | 2.1A | 2.7K | 50分 | バッテリー切れた。 手動停止 |
64GB Sandisk | 既に劣化したカード | GoPro APP | 2.1A | 2.7K | 27分 | エラー停止 |
64GB Sandisk | 既に劣化したカード | GoPro APP | 2.1A | 2.7K | 2時間21分 | エラー停止 |
64GB Sandisk | 既に劣化したカード | GoPro APP | 2.1A | 1080P 60fps | 2時間46分 | エラー停止 |
64GB Sandisk | 既に劣化したカード | なし | 1.5A | 1080P 60fps | 3時間4分 | FULL 正常終了 (注:正常終了したのは1回だけ。 基本的にエラーの出るカード) |
32GB KingMAX | 多少劣化、ほぼ正常 | GoPro APP | 2.1A | 2.7K | 1時間33分 | FULL 正常終了 |
32GB KingMAX | 多少劣化、ほぼ正常 | GoPro APP | 1.5A | 2.7K | 1時間28分 | エラー停止 残り5分31秒 |
32GB KingMAX | 多少劣化、ほぼ正常 | GoPro APP | 2.1A | 1080P 60fps | 1時間28分 | エラー停止 残り5分31秒 |
32GB KingMAX | 多少劣化、ほぼ正常 | GoPro APP | 1.5A | 1080P 60fps | 1時間28分 | エラー停止 残り5分31秒 |
32GB KingMAX | 多少劣化、ほぼ正常 | なし | 1.5A | 1080P 60fps | 1時間28分 | エラー停止 残り5分31秒 |
検証時に気付いた事のメモ
- 「既に劣化したカード」は、旧ファームだと20~30%の確率で撮影開始4~5秒でエラーストップしてた。新ファームでは全く発生せず。
- 今の所、録画停止は「カードの書き込み速度不足」が原因と考えている。新ファームでは「電力不足」は発生していないように感じる。
- 1.5A、2.1A給電、どちらもそれなりに安定してる。
- 「劣化し部分的に書き込み速度が5MB/sを下回るカード」を使っても、殆どエラーが出る事はなくなった。
- GoProAPP利用 / Wi-Fiリモコン利用 / Wi-Fi無効 この3条件で安定度が変わらなくなった。
- 発熱の度合いは、録画のたびにまちまち。レンズ付近を手で触れないレベルになる時もあれば、30~60秒くらいは触っていられる熱さにとどまる場合もあり。何の条件で発熱が酷くなるのかワカラン。
データFULLまで書き込めた回数は少ないけれど、まあ何とかなりそうなレベル。
(勿体無くて検証に使っていないけど)新品SDカードならエラー皆無になりそうな気配。
検証中にSDカードの劣化進行?
この検証の途中から、KingMAX 32GBカードが、残り約5分(約2GB)で必ずエラーを吐くようになってしまった。
上の表の一部(同じデータ)microSDカード | カードの状態 | Wi-Fi | 給電 | 画質 | 撮影時間 | 録画停止時の状況 |
32GB KingMAX | 多少劣化、ほぼ正常 | GoPro APP | 2.1A | 2.7K | 1時間33分 | FULL 正常終了 |
32GB KingMAX | 多少劣化、ほぼ正常 | GoPro APP | 1.5A | 2.7K | 1時間28分 | エラー停止 残り5分31秒 |
32GB KingMAX | 多少劣化、ほぼ正常 | GoPro APP | 2.1A | 1080P 60fps | 1時間28分 | エラー停止 残り5分31秒 |
32GB KingMAX | 多少劣化、ほぼ正常 | GoPro APP | 1.5A | 1080P 60fps | 1時間28分 | エラー停止 残り5分31秒 |
32GB KingMAX | 多少劣化、ほぼ正常 | なし | 1.5A | 1080P 60fps | 1時間28分 | エラー停止 残り5分31秒 |
32GBカードが、GoProAPP長時間撮影テストの2回目以降、全く同じタイミングで録画停止するようになった。
Wi-Fiを無効(今まで無事最後まで録画できていたモード)にしても失敗する。
カードが劣化しちゃったか。。。
エラーの原因
(いつものことながら)完全に予想なんだけど、エラーの原因は、(1.5A以上のUSB給電してれば)もう給電不足は関係なくSDカードの速度不足に絞って良いんじゃないだろうか。
テストに利用したmicroSDカード(KingMax 32GB)
測定に利用したツール:HD Tune Pro
フォーマット直後
▲クリックで拡大
1ヶ月ほど前のテスト時と比較して、ほんの少しだけ劣化してるかな?
この程度の速度が出ていれば、45Mbpsモードでもエラーは出ない感じ。
残り2GBまで書き込んだ後(必ずエラーが出る辺り)
▲クリックで拡大
最低速度2.5MB/sあたりでウロウロする事が多くなっている。
メモリの残量少なくなると、書き込み速度は不安定になるんだねえ。
そして40~50回書き込み後は、これくらい劣化するんだねえ。
さすがにここまで速度が落ちていると、45Mbps(5.6MB/s)で録画するのは無理っぽい。この状態から録画すると、新ファームでも7~8割の確率で4~5秒ストップが発生する。
- SDカードの (Class10の書き込み速度的な意味合いの)寿命は、(カードの品質によるけれど)全体書き込み30~40回前後前後かなあ?
- もしくは高温 (70~80℃?)な環境に100時間前後晒すあたりかな?
てな感じに考える事にしよう。
その他:Sandisk 64GBカードの劣化や突然死について
過去ページ「GoPro Hero3でmicroSDXC 64GBカード(UHS-1) が録画失敗しちゃう理由」に追記いれました。
コメント欄で頂いた情報や他サイトの情報などから推測すると、突然死はSDカードのフォーマットまたはカード抜き差しの時などに発生するかもしれません。
あとがき
「撮り直しのきかない一発勝負でサブカメラ無し」な状況で使うのはまだ怖いけど、チョットでも余裕がある時は2.7Kや1080p 60fpsも安心して使える状態にはなった気がする。
そして撮り直しが効く場合ならば、USB給電でGoProAPP +高負荷撮影モードもチャレンジしてみても良さそうだなあ・・・って所まで安定してきてます。