2014.11.21: このページの手順が古くなっている旨を追記。

DG NVtools (DGIndexNV/DGDecNV)は、DVD・TS・Blu-ray・AVC/H.264ソースの動画を取り込むための「デコーダ」&「フレームサーバー」です。Avisynthなどインデックスファイルを読めるツールが必要になります。

CUDAが利用できるDGIndexと言った方がわかり易いかもしれません

DG NV tools
▲DG NV tools

NVIDIA製グラフィックカードのGPGPU技術「CUDA」を利用して、CPUに負荷をかけずにデコードする事が可能です。
読み込み速度はやや遅めですが、CPU負荷が無い分 高速なエンコードが可能になります。

DG NV tools概要

ダウンロード&サポートフォーラム:
DG NV tools 2.0.0 beta 3 - Doom9's Forum

ライセンス形態:
カンパウェア(15ドル)

作動OS:
Windows XP、Vista、7(x64OSでも作動)

ホームページ:
http://neuron2.net/ (リンク切れ)
AviSynth、VirtualDubのフィルタ・プラグインを古くから開発しているDonald Graft氏のツールです。

特徴:

1.DVD、地デジTSファイルなどのMpeg素材、
2.ブルーレイなどAVC/H.264素材
3.VC1動画素材
などの動画の中間ファイルを作成し、AviSynthなどで読み込みする事を可能にするツールです。
使い方・GUI 共にDGIndexやDVD2AVIに酷似しています。

同氏の開発したDGAVCDecNV、DGVC1DecNV、DGMPGDecNVを一つのパッケージに統合したものです。

カンパする事により、DGAVCDecNV、DGVC1DecNV、DGMPGDecNVなどの前身ツール及び 、VBVCheckerなど同氏の開発したカンパウェア共通のライセンスIDが貰えます。

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日本語での情報

にーやん氏のAviSynth ニュース(AviSynth Blog rev.3)をチェックする事でも、定期的に最新情報を知る事が可能です。(サイト内を「DG NV tools 」または「DGDecNV」で検索)

インストール方法・使い方について

注意:
以下は2009年11月時点での情報です。
DG NVtoolsはこのページを公開した後、何度かのアップデートがあり、現在では以下の解説と異なる手順があります。当サイト管理人は現在NVIDIAのビデオカードを所有していないため、最新版の情報を確認できておりません。
ご了承ください。

DG NV toolsの入手方法&インストール方法

DG NV toolsはカンパウェアです。作動させるには作者に送金を行い、ライセンスIDを入手する必要があります。
ちなみに、以下手順全て英語メールでのやりとりになりますので、苦手な人は気合を入れて頑張りましょう。

  1. http://neuron2.net/dgavcdecnv/dgavcdecnv.html (リンク切れ)
    ▲上記ページの「Donate」ボタンより PayPalサイトへ行き、寄付を行います
  2. 作者より、入金確認メールを待ちます(PayPal→作者へ入金メールがあるので2~3日かかります。)
  3. 入金確認メールに返信すると、数時間後~翌日、ライセンスIDが記入されたメールが届きます。
  4. サポートフォーラムDG NV tools  - Doom9's Forumより最新版をダウンロード
  5. 解凍して得られたファイルと同じ階層(CUVIDServer、DGIndexNVがあるフォルダ)にメールで送られたライセンスIDを記入した「license.txt」と言う名前のテキストファイルを作成します。

以上でDG NV toolsは利用可能になります。
カンパしてライセンスIDを貰えるまでは作動しません。

DG NV toolsの使い方1:インデックスファイルの作成

  1. 何をするにしても、まずCUVIDServer.exeを起動させる
    CUVIDServer.exeでライセンス所有の有無を確認し、CUDAを起動させます。何をするにしてもまずCUVIDServerを起動。
  2. ソース動画を読み込むDGIndexNV.exeは、DGIndexと全く同じ操作でOK。
    DGIndexの使い方>DGIndex (DGMPGDec) の使い方: ブルーレイや地デジMPEG-TSをAviSynth経由で読み込み
  3. ソースを読み込むと、*.dga、*.dgm、*.dgvといったインデックスファイルが作成される。
  4. ちなみに、ファイルの読み込み・インデックス化はオリジナルのDGIndexより2倍程度の時間がかかる(カードの性能による)。
  5. 読み込みがカット編集には若干ストレスが溜まるが、CPU負荷が少ないため、その後のエンコードは環境により10~30%はアップする。

DG NV toolsの使い方2:AviSynthで使う

AviSynthから使えるようにする為に、以下の準備が必要

  1. AviSynthのプラグインフォルダに同梱のdllファイル(DGMultiDecodeNV.dll、DGDecodeNV.dll)をコピーする。
    または作成するavsファイルから同dllファイルへのパスを通します
  2. AviSynthのスクリプトからは
    DGSource("000.dgm", deinterlace=1 , resize_w=480,resize_h=256,use_pf=true)
    てな感じで利用する。
    ( deinterlace , resize_w, resize_h,use_pf などの関数は省略可能)
  3. AviSynthスクリプトを呼び出す前に、自伝にCUVIDServer.exeを起動させる。
  4. エンコツールからAviSynthスクリプトを呼び出し>エンコ開始

スクリプトのパラメータ

deinterlace (default: 0)
0:インターレース解除しない
1:普通にインタレ解除
2:BOB化する

resize_w
X軸(横幅)のリサイズ。
多分PointResizeなので過度の期待はしない事
デインタレースの指定があった場合は、インターレース解除後にリサイズ。

resize_h 
Y軸(縦幅)のリサイズ。
多分PointResizeなので過度の期待はしない事
デインタレースの指定があった場合は、インターレース解除後にリサイズ。

use_top_field: (default: true)
deinterlace=1の時のみ有効。どちらのフィールドを優先させるか
true :TOPフィールド優先
false :Bottomフィールド優先

use_pf (default: true)(訳自信なし)
deinterlace=1または2の時のみ有効。
true :プログレッシブ素材はインタレ解除されない
false :すべてのフレームがデインタレースされる。

注意点

  1. NVIDIA ドライバのバージョンが191.07以降でなければ利用できません。
  2. ソース素材は16の倍数が必要。
    地デジ素材は縦1088pixにクリップされます。
  3. beta3版よりMPEG-2 のプルダウン処理が実装されたとの事ですが、オリジナルのDGIndexでプルダウン処理が上手く行かない素材は、DG NV toolsでも上手く作動しません。
  4. 「読み込みに失敗した」・「エラーが発生してデコードが途中で止まった」等々の問題があった場合、エンコードツール・フロントエンドツールの他、CUVIDServerも一旦終了させて再起動させる必要があります。
  5. VFWツールならば、問題なく作動しますが、ffmpeg、mencoder、x264などのツールに読み込ませようとするとエラーが出る事があります。(x64 Windows7利用時)
    11月2日のOS再インストール前までは普通に利用できていたので、何かしらをインストールする事で読み込み可能になるとは思います)
    • ffmpeg、mencoder、x264などで読めないときの応急処置
      AviSynthスクリプトを二重に用意することで読み込み可能。
      (DG NV toolsで読み込むavsファイルを、directshowsource("hoge.avs")などとして読み込み可能)

画質・速度・他のGPUプラグインとの併用

FFT3DGPUや_GPU25.dllとの併用可能でした。
当環境(Core i7+NVIDIA9600GT)で、DGIndexを利用してmp4 h.264に変換するより、15%ほど高速です。

利用するフィルタやエンコーダーによっては、もっと高速になると思います。
(重いフィルタを利用していて、変換に20FPS出ないような環境では高速化しないかも。
 あくまでソースデコード分の負荷が減るだけです。)

画質もDGIndex使用時に比べ落ちると云う事は無いようです。

追記

2009.11.27 リリースされたNVIDIAのドライバ195.62で、CUDAの最適化が行われ、DG NV toolsの読み込み速度は随分改善されました。この記事を書いた頃より、読み込み速度が4割程度アップ。FFT3DGPUフィルタと併用してエンコする場合の速度も2割位アップ。x86 XP時代より高速エンコが可能になりました。

読み込みにもGPU処理を使うようになったとは言え、予想より随分早く(ウチの環境では)x86 XP時代の変換速度を追い抜きました。ビックリです。

あとがき

これに15ドルが高いと感じるか安いと感じるかは各人で意見が分かれる所だと思います。
私は当ツールを開発したDonald Graft氏のフリーフィルターを10年利用させて頂いていた事、AVC/H.264素材の変換用デコードツールをまだ持っていなかった事もあり、良いものを入手した気分です。

今後の開発でリサイズフィルタが高性能化すれば、もう言うことなしです。