CoreAVCコーデックとは、H.264/MPEG-4 AVC形式でエンコードされた動画を低スペックPCでも快適に再生出来るように設計された、CoreCodec社の「世界で一番速いHD画質H.264ソフトビデオデコーダー」。
本家サイトでも
「World'sFastest High Definition H.264 Video Software Decoder」と堂々と謳っています。
そのCoreAVCコーデックのフリー版と云うのが存在していたのですが、先日のCow&Scorpionの閉鎖に伴い、非常に入手困難となりました。
どこか他に配布サイトは無いものか探してみた所、某コーデックパックに同梱されているモノを発見できましたので、ここに紹介しておこうと思います
はじめに注意
このページを読み進める前に、一度以下ページも読み進める事をお勧めします
フリー版のCoreAVCコーデックが入手できない理由を調べてみた。
Codec 8.3e
先日紹介した動画エンコードツールとコーデック類に特化したフリーソフト ライブラリサイト「Free-Codecs.com」には、様々なコーデックパックが紹介されています。その中の一つ「Codec8.3e」に、CoreAVCが同梱されていました。(単体では発見できず)
さらに注意(2008.12.20追記)
このページで紹介しているCodec、過去のバージョン(Codec 8.1)でマンテック製アンチウイルスソフトは「coreavcdecoder.ax」をウイルスとして検出しているようです。
現行バージョン(8.6e)を私の環境でチェックした所問題は発見されませんでしたが、ご利用の際はくれぐれも慎重に!
ダウンロードページ
Free-Codecs.com ::Download Codec 8.3e
上記より、Codec 8.3eのダウンロードが可能です。
Free-Codecs.com :: Reviews of Codec
更新頻度が結構早いので、上記ページから最新版をチェックするのもオススメです。
Codec 8.3e概要
Codec 8.3eは複数のデコーダーを含むコーデックパックです。同コーデックパックには、以下のデコーダーが含まれます。
- CoreAVC Video Codec 1.8.5.0
- DivX 6.8.4 Codec
- Xvid 1.2.1
- CoreAAC Audio Decoder 1.2.0.575 rev.3
- AC3Filter 1.50a
- (サイト内では表記されていませんが、Haali Media Splitterも同梱されています)
最近のコーデック事情を踏まえた、必要最小限なコーデックパックと云ったカンジ。このコーデックさえ入れておけば、mp4系の動画はほとんど再生出来るようになるでしょう。更新頻度が早いだけあって、各コーデック共それなりに最新版が同梱されている模様です。
インストール
▲Codecは拡張子が.exeタイプのインストーラ形式になっています。
初めて利用するサイトからのダウンロードだったので、慎重にインストールを行いました。
▲紹介したバージョンをインストール前、後でAvira Antivirにてチェックしましたが、ウィルスなどは含まれていないようです。
(今後も保証するものではありませんので、各自自己責任で!)
コーデックパックは、バッティングするコーデック類の整理が面倒なのですが、Codecはインストール時に必要なコーデックのみのインストールを行う事が可能です。
▲インストール画面。チェックボタンでインストールするコーデックを選択可能。
この際なので、古いバージョンのコーデック類を全てアンインストールし、Codec8.3eのチェックを全てONにしてインストールを行いました。
インストールの際、個別のコーデック毎に、色々と設定画面が出たりしますが、全てデフォルトでインストールを行いました。(後で設定変更可能)
▲インストール完了。Codec 8.3eでインストールされたコーデックは一つにまとめられます。
Xvidはエンコーダー機能も含まれています。インストールの選択肢の中にはありませんでしたがHaali MediaSplitterもちゃんとインストールされています。
▲MPCのオプション画面にも、Haaliレンダラが登場しました。
(MPCをバージョンアップした時に気が付かなかっただけかも。。。)
各種コーデックについて
以下に、新たにインストールを行ったコーデックの短評を書きます
今回のメインのCoreAVCについては最後に詳しく書いてあります。
Xvid
それまで使用していたのが「Xvid binary distribution page」(http://uk.geocities.com/xvid2ch/(リンク切れ))にアップされているVer1.2.1。
特に変わったと思われるのが再生での発色具合。今までの落ち着いた色合いから、やや鮮やかな色調に。設定画面に変化なし。
DivX
私はDvivXでエンコードした動画を持っていないので評価できず。
エンコーダーは付属していません。
CoreAAC Audio Decoder
このコーデックパックで一番心配していたCoreAAC AudioDecoderですが、普通に使えるシロモノだったようです。(なぜなら地デジaacを再生出来るよう、今まで散々苦労していたから)
地デジ放送のステレオ、多重放送、5.1ch放送の切り替えにも、全く問題なく対応。
ただし、日テレの二ヶ国語放送については、左から日本語、右から英語なのは変わらず。
AC3Filter 1.50a
今までVer0.7と、かなり古いものを使っていたのでアップデートの機会が出来て丁度良かったかも。DVDビデオを数本再生してみましたが、問題なし。
Haali Media Splitter
事前に古いバージョンをアンインストールしていなかったので焦ったが、無事上書きインストール出来ている模様。mp4、h.264、Mpeg2-TSファイル等々、今までと変わらず再生可能。
CoreAVC
CoreAVCはalpha版0.0.0.4の時と同様、少し詳細に。
▲CoreAVCの詳細設定画面
アルファ版と違い、かなり詳細に設定を行う事が可能。
x264でエンコードされたavi動画にも対応しているようです。
定番動画プレーヤーのMPC+定番デコーダーffdshow、VLCとの比較を行いました。
環境
■CPU:Athlon64X2 2.4GHz(再生中はシングルコア扱い、1.2Ghzにダウンクロック)■MEM:2GB ■GPU:nVidia GeForce6600GT(550Hz)
再生プレーヤー・デコーダー
■MediaPlayerClassic6.9.4.1 R86■VLC media player 0.9.9a
■ffdshow revision 2033
サンプル動画
1440X1080 30fps(12/12放送、Mrインクレディブルのダッシュが草原を駆け抜けるアクションシーン)
今回テストした素材が再生負荷が低かったのか、MPC、ffdshow、VLCをバージョンアップした事で性能が上がったのか、デフォルト状態の我が家のPCではどれも満足に再生。大きな違いは見受けられませんでした。
▲ということで、1.2Ghzにダウンクロックして検証しました。
▲ffdshowとCoreAVCの切り替えは、例によってffdshowのConfiguration画面より。
▲MPC+CoreAVC 一見再生負荷が高いように見えるが、CPU100%となってもほとんどコマ落ちなし。音ズレも発生せず。 シークも引っかかりはほとんど無し。 | ▲MPC+ffdshow 一番再生負荷が少ないように見えるが、CPU100%にならなくても紙芝居状態。画面が止まる度に音ズレ発生。シークは一番重かった。数秒とまってしまう。 | ▲VLC 一旦CPU100%まで達すると、そこで数秒止まってしまう。 CPU100%に達しなければ、一番快適なのだが、、、 シークすると暫く酷いブロックノイズ発生。 |
MPC、FFDSHOW、VLC共、以前検証した時より格段に再生が軽くなった印象は受けるが、CPUが限界まで達した際の処理では明らかにCoreAVCが一枚も二枚も上手な感じです。
困った点
以前自分で作成したmp4ファイルの中に、数点再生出来ないモノが出てきた。
(↑全てではない&ネットで拾ったものは全て再生出来た)
- 現状保存してあるものは、全て携帯動画変換君を使用して作成したモノばかり。
エンコード設定に大きな違いは無い。 - 同じ動画をオリジナルファイルから再び、同様のセッティングの携帯動画変換君でエンコードしたものは普通に再生出来る。
- 再生出来ない、又は動画が乱れるものは、全てAviSynthの3Dノイズリダクションを過剰に掛けてモーションブラー的な効果を施したオリジナルの3DCGアニメーション。
- 通常の映画やTV番組の車や人物が疾走するシーン、画面が大きくパンするシーンでは画面の破綻は全く無い。
- MP4で保存版として取ってあるものは全て再生可能。
問題の動画ファイルも、
・VLC、その他の再生ソフトでは無事再生出来る。
・自分でエンコしたもので、オリジナルファイルは別に取ってある
と言う事で全く実害はないのですが、少し設定を詰めないと「再生出来ないファイルが出てくるかも」です。
まぁ、「非常に特殊な条件のモノのみ再生できていない」事は明らかなので、同じような症状に悩まされる人はまずいないと思います(^_^;