Cow&Scorpionが元気な頃は簡単に入手できたフリー版のCoreAVCコーデック。海外のライブラリサイトを探してみてもなかなか見つかりません。
見つかったとしてもリンク切ればかりです。では、「何故入手できないのか?」を色々検索してみると、、、
やっぱりライセンス問題でした。
それからフリー版はありませんでした。というお話。
CoreAVCは、本来シェアウェアです。
フリー版を配布しているサイトを探して来てはココで紹介している私がこんな事を書くのもアレですが、CoreAVCは本来シェアウェア。
現在公式サイトでは
1.7.95ドルのStandard Editionはインターレース、マルチコアCPU、GPUサポート無し、
再生サポートもH.264 Baseline, Main, High profileのみのバージョン。
2.14.95ドルのProfessional Editionは、MPEG-4 AVC規格で作成された様々な動画をサポート。
インターレース、マルチコアCPU(4つまで)もサポートし、将来的にはGPU再生もサポート。
3.14日間使用可能な体験版
以上3つのバージョンがダウンロード可能となっており、フリー版の存在は見当たらない。
では、一体どのような経緯でフリー版が出回るようになったのか?
ここから先はネット上で拾った情報を元に勝手に推測している話なので、100%事実として受け取らないで下さい。
CoreAVCには、「コマーシャルウェア」なるバージョンが密かに存在した。
「密かに」って書き方が変だとは自分でも思いますが、その辺はスルーで。
▲これは、ここ数日フリー版のCoreAVCコーデックを探し回った中で発見したサイトの一つ、SOFTPEIA内でのCoreAVCダウンロードページ。
ソフトウェアの分類は「Commercialware」
つまり、販促用にアクティベーション等の規制を外したタイプのバージョンがあり、それが「フリーソフト」と混同された形で世に出回ったモノと思われます。
▲ダウンロードしようとすると、こんなメッセージが出てダウンロード出来ません。
意訳:「ライセンスにより規制されています。利用できるダウンロードリンクはありません。」
当たり前の話ですが、これ以上出回らないよう、メーカー側がフリーソフト扱いで公開しているサイトに公開中止を求めていると考えて良いでしょう。
んじゃあ、かつて存在したアルファ版はどうなの?
CoreAVCにはかつて、確かに無償で利用できる「アルファ版」なる存在がありました。
開発段階のコーデックを一般に公開し、ユーザー各自にテストして貰う為、メーカーが無償で公開したものが「アルファ版」になります。
私自身テスターとして応募した訳ではないので、ライセンス形態がどのようになっていたかは分かりません。
このCoreAVCアルファ版(0.0.0.4)について、アチコチ調べてみると、CCCPと云うメジャーなコーデックパックの開発元が、CoreAVCのアルファ版をコーデックパックに組み込もうとチャレンジし、挫折した経緯を記したページにたどり着きました。
CoreAVC - CCCP
▲CCCP公式ページ内Wikiです。
かなり難しい英語で書かれていて、全文正確に日本語訳は私には無理。以下、概要すっ飛ばし&かなり意訳して書いてます。間違っている可能性もある事ご了承下さい。
重要:CoreAVCは商用ソフトでフリー版はありません。(アルファ版は少し問題があるもののフリーです)。他、14日間使用できるトライアルバージョンがあるのみです。
CoreAVCは良いコーデックなのに、なんでCCCPに使わないの?
やろうとしたけど出来なかった。CoreAVC開発者は、「CoreAVCはオープンソースではない。たとえ個人利用でもフリーではない。」と繰り返し述べてきました。
CCCPをシェアウェアにするつもりは無いので、CoreAVCを含める事は出来ません。
「CoreAVCにはフリー版があるよ」と言う人がいるかも知れない。でもそれは謝った情報です。私たちもH.264コーデックのビデオを快適に視聴出来るようにする事が大切なのは分かっている。libavcodec開発者たちとH.264デコーダーの最適化に努力している。
アルファ版が違法な理由(?)
テスト目的で配布されたアルファ版はフリーな筈だと主張できた。
しかし、アルファ版にも多くの特許技術が使用されており、ライセンス料無しに利用は出来ない。(CoreCodec社から控訴があったようなくだりがあるけど上手く訳せん)
CoreCodec社に、「アルファ版は多くのサイトでフリー版として配布されていたが、それは違法ではないのか?」と訊ねたが、何も答えは無かったし、今後も回答を貰えそうにありません。(訳自信なし)
多分、多くの人にテストして欲しくてアルファ版をこの様な形で配布したのだと思います。
訳に自信が無いし、所々飛ばして訳しているので、英語に自信のある方は原文を読みに行って下さい。最後4行が赤字なっているのは私の勝手な編集です。
片方の意見だけ読んで考察しても仕方が無いのですが、現行VerのCoreAVCにはフリーウェアは存在しないのは確か。
ただし、アルファ版については何やら事情が微妙なようです。
上記を読む限りではアルファ版にも特許は存在し、それを他者が利用する事はライセンス料が必要なようですが、配布についてはなんだかモヤモヤしています。
(多くのサイトがアルファ版を配布していたが、それは違法なのか?の問いには答えが無い。とか)
以上から分かるのは、現在では現行フリー版とされているものも、アルファ版も、現在では配布中止の方向に向っている。CoreCodec社が積極的に、配布を行っているサイトに配布中止を求めていると考えてよいと思います。
2009.03.28追記
上記CCCPのサイトをもっとキチンと訳されているブログを発見しました
まいなーずめじゃー:CoreAVC と CCCP - livedoor Blog(ブログ)
こちらも「訳に自信が無い」と書かれていますがウチより全然しっかり訳されています。
気になる人は一度読みに行ってみましょう。
私も勉強になりました。ありがとうございます。
追記終わり
ではCoreAVC を含んだコーデックパックCodecはどうなの?
ここで疑問になるのが、CoreAVCを含んだコーデックパックCodec(現行Ver8.6e)。
コレはCoreAVCを含んでいるにも関わらず、結構アチコチのサイトでダウンロード可能です。
かつてCoreAVCの配布を行い、現在では配布を取りやめたDLサイトでも、このCodecは普通に配布されています。。。
同コーデックパックは検索エンジンでも容易に引っかかるし、CoreCodec社が見落としているとも思えない。
かつてXvidがDivxから派生し、GPLとして、商用化したDivxと同等の性能でフリーで利用できるコーデックとして開発が進んだ経緯があるけど、あれに似ているのかな?
(こう書くとフリーとGPLは違うぞとツッコミ来そうだ。(当時は「研究・学術目的であるXvidを、
趣味のエンコで使うことはけしからん!」みたいな風潮もあったし。))
しかし上記で参考としたリンクの中には「CoreAVCはオープンソースではない」とあったし、それも考え難い。
じゃあ、なんで?っちゅうとやっぱりGPL的な何かで上手く逃げているとしか思えないんだけど、CCCPは同様の事をやろうとしてヤリ玉に挙げられた過去があるみたいだし。。。
それなりにしか英語が読めないし、この手のお話は趣味であって仕事ではない個人サイトの運営者としてはこの辺までが限界。
結論
結論としては、フリーで利用できるCoreAVCはなんだかキナ臭いので、キチンとお金を払うか、他コーデック又は再生プレーヤーで代用するかが、一番だと思います。
先日のテストでは、現行バージョンのffdshow、VLC Media Playerなどはかなりh.264動画の再生負荷は軽くなり、使用に耐えうる所まで来ていることが分かりました。
また、今後レビュー予定のフリーソフトの中にも低スペックPCで満足にh264動画を再生出来るプレーヤーがありますのでお楽しみに。