今回の更新もデジカメのお話です。
GH4のピクチャースタイルでコントラスト、シャープネス、ノイズリダクションの値を変更しながら、17枚の写真を撮り比べてみました。

このページを書いたキッカケ

おことわり

検証に使った機材

 ・Lumix GH4
 ・EF 24-85 F3.5-4.5
 ・SpeedBooster EF to m4/3 S

被写体

敢えて EF24-85 F3.5-4.5 の苦手な近距離、開放でテストしています。
シャープネスチェックの被写体
白地に黒文字、黒地に白文字と、コントラストの高い被写体でピクチャースタイルを変更しながらシャープネスやコントラストの具合を確認してみます。
EF24-85 の50mm F4.0(GH4読み36mm F2.8)
長秒ノイズリダクション無効、
ISO感度はすべて400で撮っています。

先に結論

EF24-85 F3.5-4.5 を使う場合、ピクチャースタイルは、
 ・フォーカスピーキングのみでMFする事を目的にして、
 ・諧調や白トビ・黒つぶれにはある程度目をつむり、

シャープネスとコントラストを高めに設定して
 ・NAT +3/+3/0/0/0 または
 ・NAT +5/+5/+3/0/0

あたりが良いかなあ・・・と思った。ハイライトシャドウや彩度などの微調整はもっと沢山撮ってから考える事にする。

以下、検証 (というか比較) データです。
またこのページを最後まで読むと、シャープネスのアルゴリズムに関する推測も書いています。

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検証データ

以下、いずれもピクセル等倍で切り抜き画像を表示しています。

  • ぱっと見では見分けの付かない画像が並んでいます。
  • ピクチャースタイルは全て「ナチュラル」。
  • 数字は左から順に「コントラスト/シャープネス/NR/彩度/HUE」です。
  • この辺の設定が撮りやすいなあ・・・と感じた画像に赤文字を入れています。

 

NAT 0/0/0/0/0
NAT 0/0/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示

NAT 0/-3/0/0/0 まずはシャープネスを変更。
NAT 0/-3/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示

NAT 0/-5/0/0/0
NAT 0/-5/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示

NAT 0/+3/0/0/0
NAT 0/+3/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示

NAT 0/+5/0/0/0
NAT 0/+5/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示
ちょっとノイズが目立つ。

NAT -3/0/0/0/0 次にコントラストを変更
NAT -3/0/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示

NAT -5/0/0/0/0
NAT -5/0/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示

NAT +3/0/0/0/0
NAT +3/0/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示
コントラストだけを上げても、そこそこシャープに見えますね。。。

NAT +5/0/0/0/0
NAT +5/0/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示

コントラスト、シャープネス共に、+5まで持っていくとちょっとノイズが目立ちます。

NAT -3/-3/0/0/0 コントラストとシャープネスを同時に変更
NAT -3/-3/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示

NAT -5/-5/0/0/0
NAT -5/-5/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示

NAT +3/+3/0/0/0
NAT +3/+3/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示
フォーカスピーキングの効きがすごく良くなり、MFが楽。
コントラスト、シャープネス両方をプラスに振ると、+3あたりからちょっとノイズが目立つ

NAT +5/+5/0/0/0
NAT +5/+5/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示
両方+5まで振ると、許容範囲外のノイズに。
ここからノイズリダクションも変更

NAT +5/+5/-3/0/0
NAT 0/0/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示

NAT +5/+5/-5/0/0
NAT 0/0/0/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示

NAT +5/+5/-3/0/0
NAT +5/+5/-3/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示
まだノイズが気になるけど、NRはこの辺が限界か?

NAT +5/+5/+5/0/0
NAT +5/+5/+5/0/0
▲クリックで1700x1200の範囲を表示
ノイズリダクションを+5まで振ると、つぶれて欲しくない所まで潰れてくる。

屋外で撮影したデータ

GH4にSpeedBoosterなどのマウントアダプターを噛ませた時など、レンズプロファイルが読み込めない(存在しない)場合は、ピクチャースタイルのシャープネスの設定に意味は無いんじゃなかろうか・・・?と疑問を感じたので検証。

EF 28-105 F3.5-4.5

  • カメラ:GH4
    アダプタ:SpeedBooster(電子接点付き)
    レンズ:EF 28-105 F3.5-4.5
    ピクチャースタイル NAT 0/0/0/0/0
    という組み合わせ
  • Exif
    縮小光学が換算される。
    絞り値は1段低くなる
    実焦点距離は0.71倍短くなる
    35mm換算焦点距離は実焦点距離の2倍になる。
  • 歪み補正
    かからない
  • シャープ処理画像の例(ピクセル等倍画像)
    EF 28-105 F3.5-4.5シャープネス
    ▲マウスを乗せると「jpg撮って出し」
     マウスを外すと「RAWの未画像画像」
    恐らく、カメラ内現像でシャープ処理していない。
    jpg撮って出しのピクチャースタイルは「NAT0/0/0/0/0」。
    「シャープネス0」の時、カメラ内現像でシャープネス処理は無い模様。
    ピクチャースタイルがマイナス~0の間は補正なしって事かな?
    (EF 28-105 F3.5-4.5は売ってしまったので、これ以上の検証は不能)

EF 24-85 F3.5-4.5

  • カメラ:GH4
    アダプタ:SpeedBooster(電子接点付き)
    レンズ:EF 24-85 F3.5-4.5
    という組み合わせ
  • Exif
    縮小光学が換算される。
    絞り値は1段低くなる
    実焦点距離は0.71倍短くなる
    35mm換算焦点距離は実焦点距離の2.16~2.17倍になる。
  • 歪み補正
    かかる
  • シャープ処理画像の例(ピクセル等倍画像)
    EF 24-85 F3.5-4.5シャープネス
    ▲マウスを乗せると「jpg撮って出し」
     マウスを外すと「RAWの未画像画像」
    jpg撮って出しのピクチャースタイルは「NAT 3/2/2/0/0」。
    「シャープネス 2」の時のカメラ内現像でシャープネス処理はこの程度な模様。

歪曲補正前後の周辺部分のシャープネス

EF 24-85 F3.5-4.5の 38mm (27mm) で撮影したデータ
jpg jpg
▲クリックで拡大
左: jpg撮って出し/右: RAW 
ピクチャースタイルでNAT +3/+2/+2/0で撮影。
歪曲が補正され、画角がやや狭くなっている。
この画像の中央部分と周辺部分でチェックしてみます。

  • rawデータ:歪曲補正あり(カーソルを乗せるとjpg撮って出し)
    rawデータ:歪曲補正あり
    マウスカーソルON/OFFで画像が切り替わります。
    PhotoShopのRAW現像で周辺歪曲のみ補正を掛けています。
    ふむ、これくらいボンヤリしているとカメラ内補正でシャープネスかからないのですね。
  • rawデータ:歪曲補正なし(カーソルを乗せるとシャープネス処理あり)
    rawデータ:歪曲補正なし
    マウスカーソルON/OFFで画像が切り替わります。
    (シャープネスの量はRawTherapeeで半径0.65、量430)
    RAW現像で周辺歪曲の補正を無しにすると、若干シャープネスが掛け易くなりました。
    画像周辺でこの画質なら、かなり優秀なんじゃないでしょうか。

あとがき・まとめ

ピクチャースタイルのシャープネスは、レンズプロファイルの補正は関係なく、カメラ内で設定した閾値よりシャープに写っている所のみに補正をかける。つまりアンシャープマスクと同じ作動をしている、と考えて良さそう。

ちなみに私は、Lumixシリーズの「超解像」機能もアンシャープマスクと同じ挙動を示していると思っている。「ピクチャースタイルのシャープネス」と「超解像」は、閾値・半径・量などのパラメータが違うだけでアルゴリズムはほぼ同じなんじゃないか?と思うようになった。
(※ただしGH4より新しい GX8やG7には、何やら新しい補正技術が使われている模様)

このページの内容は以上です。