前回更新の続き。
GH4の「CineLikeDがどんな写りになるのか?」「ローライト時の挙動はどうなのか?」が解って来たので、次は通常の状況での動画撮影チェックしてみました。
現時点では、だいぶ設定は煮詰まってきたけれど、フォトスタイルをNaturalにすべきか、CineLikeDにすべきか、が決まらない。。。という感じです。
今のところの結論
以下、あくまでも編集時に色と明るさの補正をかける事を前提に、白トビ・黒潰れが起きないように記録するための設定です。
屋外晴天時など、明るくてコントラストの高い所
- NAT -5-/5/-5/-4/0
または CineD -5/-5/-5/-4/0 - 上記を基本として
ハイライトシャドウ -2/+2
マスターペデスタル +15
iDレンジ補正なし
暗部を持ち上げる必要がある時
(西日の差す室内など、暗くてコントラストの高い場合)
- 上記(晴天時)の設定から、彩度を上げる
(後処理で暗部持ち上げると彩度が下がって見える) - NAT -5-/5/-5/-1/0
または CineD -5/-5/-5/-1/0 - 上記を基本として
ハイライトシャドウ -2/+2が理想。-3/+3でもOK
マスターペデスタル +15
iDレンジ補正 弱
曇天や室内など、コントラストが低い場合
- 晴天設定から少しだけコントラストを下げる
- NAT -5-/5/-5/-5/0
- 上記を基本として
ハイライトシャドウ -1/+1~-2/+2
マスターペデスタル +5~+10
iDレンジ補正なし - 白トビが発生しいない程度にアンダーで撮る。
シャドウ部分は実際よりやや浮いている程度に撮っておけばOKっぽい。
露出設定(共通)
- ハイライトが白トビしないように注意すればOK。
- 多くの場合、露出-1EV~-2EVの間が最適。
- シャドウ部は、上記の設定をしておけば殆ど黒潰れしない。
黒が浮きすぎると感じた場合は、ハイライトシャドウや マスターペデスタル の設定をもう少し抑えてみる。
CineLikeDとNaturalについて
- 中間部の明るさを重視したい場合はNaturalを使う。
- ハイライトまたはシャドウ部分の諧調を多く残したい場合はCineLikeDを使った方が後処理が楽。ただし、中間の諧調が厳しくなる。
輝度レベルについて
- 16-255で撮る。
- 理由は「GH4 動画撮影時の輝度レベル (16-255) について」で書いた通り。
撮影サンプルとポスプロサンプル
晴天屋外撮影
CineD -5/-5/-5/-1/0 ハイライトシャドウ -2/+2
マスターペデスタル +15 露出-2.0EV
▲クリックで拡大
- 前回更新の検証(室内)で、NATよりCineDの方がダイナミックレンジが広くなると思っていたけど、このレベルでは変わらなかった。
- かなり日差しの強い日だったが、露出-2.0EVで撮った場合、撮って出しは 明部 暗部共にギリギリでセンサーのダイナミックレンジ内に納まった。
- 露出-3.0EVにした場合、明部 暗部共にかなり余裕が生まれたが、諧調が減りすぎ凄く眠い画になった。補正時に諧調不足も産まれた。
-3.0EVで撮ったサンプル
▲クリックで拡大 - マスターペデスタル+10では、シャドウ部分にやや潰れ気味の所が発生し、補正する際の余裕が無くなった。
- CineLikeDを使った方が、ハイライト(雲の諧調)が豊かになった。
- 被写体のメインが空ではなく家屋とした場合は、Naturalを使った方が調整をしやすかった。
夕方、西日の当たる部屋
Natral -5/-5/-5/-4/0 ハイライトシャドウ -2/+2
マスターペデスタル +15 露出補正 -2.0EV iDレンジ補正弱
※こういう状況の場合、彩度-4では 彩度が低過ぎるらしい。
▲クリックで拡大
- 流石にハイライトもシャドウも、ダイナミックレンジギリギリになった。
NAT、CineD、どちらもダイナミックレンジの幅は同じくらい。 - 限界は同じなのかな?という感触を得た。
- 「こんな感じに補正できたら良いなあ」というレベルは、余裕で達成し、実際の明るさかなり近い所まで暗部を持ち上げられた(ただしノイズ酷い&色も正確じゃなくなる)
- と言いつつも、ここまで広いダイナミックレンジを納める事が出来るとは思わなかった。
- -1.66EV~-2.0EVがベスト。
- これ以上コントラストを低くすると、中間の諧調がキレイじゃなくなった。
- 後処理で暗部を持ち上げたい場合は、彩度-5~-4の設定で撮ると色が無くなりすぎる。彩度-3~-1あたりがベスト。
その他サンプル
以下、全て
Natral -5/-5/-5/-4/0 ハイライトシャドウ -2/+2
マスターペデスタル +15 露出補正 -2.0EV iDレンジ補正弱
今までコントラストが強すぎて上手く撮れなかった被写体が結構撮れるようになってきた。ただ撮影する、それだけでも楽しい。
▲クリックで拡大
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▲クリックで拡大
最後の1枚だけ彩度を落としています。
後は彩度は変更ナシかやや上げる処理をしています。
こういう撮影でも、CineLikeDよりNatralの方が後処理が楽だった。
ちゅうか、CineLikeDの使い所、はハイライトかシャドウを重視する場合か、ハイライトシャドウをノーマルで撮る場合などに限定した方が良さそう。
この話題、もうちょっとだけ続きます。
→ GH4のフォトスタイルはNaturalにすべきか、CineLikeDにすべきか、悩み中 -その3