2014/11/12: 古くなった情報を整理しました
動画を再生するには、動画形式に応じた「コーデック」と「スプリッター」が必要になります。コーデックパックとは、代表的なコーデックとスプリッターを一気にインストール出来る便利なパッケージです。
ここでは、フリーで使える代表的なコーデックパックを9つ紹介しています。 どれか一つをインストールすれば、ネットで拾える動画などはほぼ全て再生出来るようになります。
このページの項目
コーデックとは・スプリッターとは
無難におすすめなコーデックパック
ffdshow CCCP
人気のあるコーデックパック
K-Lite Codec Pack
クセはあるけど味もあるコーデックパック
Codec 8.4 X Codec Pack
高機能だけどちょっと注意が必要なコーデックパック
Shark007 Advanced/STANDARD Codecs Vista Codec Package
古いコーデックパック(非推奨)
Storm_Codec WECP
その他
注意 おすすめコーデックパック
コーデックとは、スプリッターとは
コーデックとは
PCで再生する動画はh.264、wmv、DivXなど、様々な形式で圧縮・符号化されています。
コーデック(Codec)は、それらを再生するために、その動画を解析・展開します。
スプリッターとは
動画は一定のルールに従ったコンテナ(mp4、mkv、aviなど)で保存されています。
コンテナは箱に例えられ、コーデックは箱の中身として例えられます。
スプリッターは「その箱をどうやって開けて、映像と音声をどう取り出すか?」という仕事を行います。
コーデックパックとは
代表的なコーデックやスプリッターをかき集め、一つのパッケージにまとめたもの。コーデックパックを一つインストールするだけで、沢山の種類の動画が再生可能になります。
GOM PlayerやVLC Media Playerなどはコーデックを内包していますが、Windows標準のMedia PlayerやMPC-CHなどを使う場合は、外部のコーデックに依存している部分があり、足りないコーデックは自分でインストールする必要が出てきます。
おすすめコーデックパック
ffdshowとCCCPは、インストールが簡単かつ、システムやアプリケーションに悪影響を与える事が少ないので、万人にお勧めできるコーデックパックです。
ffdshow
ダウンロード:ffdshowproject
日本語版:ffdshowプロジェクト日本語
- 定番のコーデックパックです。 「これ一つで何でも再生」という訳には行きませんが、AVI形式の動画ならばほぼ全て再生可能です。
- ffdshowだけでは、MP4、TS、MKV、MOV、RMファイルなどを再生する事は出来ません。他のコーデックパックとの干渉が起きにくいので、CCCPなどと組み合わせて利用するのがベストです。
- 再生時の画面補正・調整用のフィルタが非常に多く搭載されていて、多機能です。その分、オプション画面の操作は煩雑です。
再生可能になるもの
H.264 / Xvid / DivX / MPEG2 / FLV1 / VP8 / MS-MPEG4 / WMV9 / VC-1 /VP6F / Real Video / Fraps / 3ivx / DV / Huffyuv など
- 確認できた障害:なし。
・ 利用していた全ての動画編集ソフト、エンコードツールに影響は出なかった。
・ MKVやMP4形式の動画が再生できなかった場合は、haalimedia splitter を別途インストールする。
・ ごく一部の.rmファイルが再生不能。その際は Real Alternativeを別途インストールする。
CCCP (CombinedCommunity Codec Pack)
ダウンロード:CCCP project
サイト内解説:CCCP:フリーで便利なコーデックパック
対応OS:Windows 8 / 7 / Vista
※ffdshowを同梱しています。
- 一括インストールされた各コーデックの有効・無効を簡単に制御できます。
2014年7月14日リリース版はかなり安定しています。
これも再生出来る動画形式はかなり多めです。 - CoreAVCやDivX H.264 Decoder との共存が可能。
CoreAVCやDivX H.264デコーダーがインストールされている場合、CCCPからオン/オフの切り替えが可能です。
再生可能になるもの
コンテナ:DivX / H.264 / FLV / MP4 / VOB / MKV / OGM / TS / DVD / Theora /VP8 など
動画:MPEG-1 / MPEG-2 / MPEG-4 ASP / Xvid / DivX / MPEG-4 AVC / WMV& VC-1 / VP6F / Theora / H.263+
音声:MP3/MP2 / MP1 / AC3 / DTS / AAC / Vorbis / FLAC/ TTA / WavPack / AMR/ LPCM/IMA ADPCM
字幕:SRT / Vobsub (.idx + .sub) / SSA / ASS
- 確認できた障害
特になし
人気のあるコーデックパック
K-Lite Codec Packは、紹介する中で一番多くの動画や音声に対応しています。Windowsをインストールしたばかりの人、とにかく動画が再生できれば良い、という人にはおすすめです。K-Lite Codec Pack
サイト内解説:K-Lite Codec Pack
ダウンロード:Download K-Lite Codec Pack
64bit版の再生ソフト用にK-Lite Codec Pack 64-bitあり。
対応OS:Windows 8/7/Vista/XP
※ffdshowを同梱しています。
- かなり人気の高いコーデックパックで、非常に沢山の機能を持っています。
ネット上で人気のある形式への対応度が非常に高いです。 - PCがまっさらな状態でインストールする分にはかなりおすすめ。 逆に既にある程度の動画を再生・編集・変換できる環境を作っている人は注意。かなり設定が変わります。
- ベーシック版/スタンダード版/フル版の3種類が存在(全てフリー)
最小パッケージのベーシック版でもAVI, MKV, MP4, FLV, OGM, MPEG, MOV, HDMOV, TS, M2TS,OGGの再生が可能になります。
再生オンリーな人はベーシック版かスタンダード版でOK。
フル版は動画エンコ・編集をする人むけの構成。
フル版にパッケージされたコーデック類は、ここ参照
パッケージされたスプリッター類
ffdshow / MPEG-2 (DScaler5) / FLAC / WavPack / Haali Media Splitter
/MP4splitter / FLV splitter / MPEG PS/TS splitter / DirectVobSub /Haali
Video Renderer
同梱ツール
MPC-HC / Codec Tweak Tool / Win7DSFilterTweaker /MediaInfo Lite [version 0.7.43
- 確認できた障害
・ 私の環境では、かなり多くのエンコードツールや動画編集ソフトに不具合が出てしまいました。マニアックなツールで動画エンコを楽しむ人には向かないかもしれません。
・ 注:インストール済みコーデックはデフォで非選択になっています。最新版では不具合は出ないかもしれません。
・ 一応、エンコードツールや動画編集ソフトより先にインストールしましょう。
クセはあるけど味もあるコーデックパック
- Codec 8.4は、ビデオカードにH.264のハードウェア再生支援が搭載されていなかったり、YV12フォーマットのAVI動画を編集・加工したい人などにお勧めです。
- X Codec Pack(旧XP Codec Pack)は、長期間開発が止まっていたのに、いつの間にか開発が再開されました。
Codec 8.4
ダウンロード: Downloadm5Studio Codec 8.4
サイト内解説:Codec 8.4:h.264動画再生に特化したコーデックパック
対応OS:Windows 8 / 7 / Vista / XP
※ffdshowを同梱していません。
- 現時点での最新バージョン(2014年4月)でも、CoreAVCと、DivX(Ver6.8)を内包している非常に珍しいコーデックパックです。
- 最新のDivXはAVI系のコーデックは内包していません。旧DivXのデコーダーは、YV12フォーマットなAVI動画をマルチスレッドでデコードしたい人(一部の動画編集ソフトユーザー)に向いています。
- CoreAVCは、H.264/AVC動画の再生が非常に軽いです。
PCがH.264のハードウェア動画再生支援に対応していない場合はこれがおすすめ。
- これとffdshowを組み合わせることで、AVI、MP4、TS、MKV、OGGでパッケージされた動画はほぼ全て再生出来るようになります。
- 他コーデック類とのバッティングが発生しにくいです。
同梱パッケージ
CoreAVC Video Codec / DivX / XviD / CoreAAC Audio Decoder / AC3Filter
(サイトに表記は無いけど、haali media splitterも同梱しています)
・ 利用していた全ての動画編集ソフト、エンコードツールに影響は出ませんでした。
X Codec Pack
ダウンロード:X Codec Pack
サイト内解説:なし
対応OS:Windows Vista/7/8
- 旧XP Codec Pack。長らく開発が止まっていたけれど、いつの間にか復活してた。Windows8まで対応、64bit OSにも対応。
- 対応する動画や音声はやや少なめ。
しかしRadLight系のフィルターを搭載。ape 形式の音声も再生可能。 - なんか良く分からないけど、他のコーデックパックとは違う方向を目指している雰囲気があって面白そう。
同梱されたコーデック、スプリッター類
AC3Filter 2.6b / AVI Splitter 1.7 / CDXA Reader 1.7 / CoreFlac Decoder
0.4 / GPL MPEG-1/2 Decoder 0.1.2.0 / LAV Filters 0.63 / madVR 0.87.10 /
Matroska Splitter 1.7 / MediaTab 1.4 / Media Player Classic – Home
Cinema 1.7.6 / RealMedia Splitter 1.6.8 / RadLight MPC Filter 1.0.0.4 /
RadLight APE Filter 1.0.0.4 / RadLight OFR Filter 1.0.0.4 / RadLight
TTA Filter 1.0.0.2 / The Codec Detective 2.0 / xy-VSFilter 3.0 /
xySubFilter 3.1
- 確認できた障害
・ 使い込んだPCにインストールしたことが無いので不明
・aac音声の再生が出来ない。別途 Orban AAC/aacPlus などをインストールする必要アリ。
ちょっと注意が必要なコーデックパック
Shark007の「Advanced/STANDARD/Vista」Codecsは、非常に高機能かつカスタマイズ性に優れ、個人的にはお気に入りのコーデックパックですが、インストール時に余分なアドウェアが紛れ込みやすい設計になっています。
インストールやアップデートの際は細心の注意を払うようにしましょう。
Shark007 Advanced Codecs /
Shark007 STANDARD Codecs
ダウンロード
・Standard Codecs for Windows 7 / 8
・Advanced Codecs for Windows 7 / 8
サイト内解説
・Shark007 STANDARD Codecs (旧Win8Codecs)
・Shark007 Advanced Codecs (旧Win7Codecs)
対応OS:Windows 7 / 8 / 10(TP)
※ffdshowを同梱しています。
- Advanced Codecs をインストールすると、HEVC(H.265)動画を再生できるようになります。
- Windows7に標準で搭載されているWindows MediaPlayer 12やMediaCenterを邪魔しないように設計されています。 またハードウェア支援で動画再生するのを前提に設計されています。
- AVI・H264・MKV・Mpeg2などで利用するスプリッターを、別々に・簡単に変更する事ができるのが便利です。
サポートするファイル形式
mp4 / ts / H.264 / amr / mpc / ofr / divx / mka / ape / flac / evo /flv
/ m4b / mkv / ogg / ogv / ogm / rmvb /xvidなどがWindows標準のWMPで再生出来るようになります。
- 確認できた障害
・ VFAPIプラグインなどがリセットされます。
・ DXVA表示が有効になると、オーバーレイで描画をする一部のアプリケーションに不具合が出る場合があります。
・ インストール時に競合を起こすコーデック類は、Shark007's WIKI #Conflictsに記載があります。
VistaCodec Package
ダウンロード:shark007:Vista Codec Package
リスト上記のShark007 STANDARD CodecsのVista・XP版です。
サイト内参考リンク:Shark007 Advanced Codecs (旧Win7Codecs)
対応OS:Windows Vista / XP
※ffdshowを同梱しています。
- AVI・H264・KKV・MOV・Mpeg2などで利用するスプリッターを別々に、そして簡単に変更する事ができるのが便利です。
サポートするファイル形式
mp4 / ts / H.264 / amr / mpc / ofr / divx / mka / ape / flac / evo /flv
/ m4b / mkv / ogg / ogv / ogm / rmvb /xvidなどがWindows標準のWMPで再生出来るようになります。
- 確認できた障害
・ VFAPIプラグインがリセットされます。
・ DXVA表示が有効になり、オーバーレイで描画をする一部のアプリケーションに不具合が出る場合があります。
・ インストール時に競合を起こすコーデック類は、Shark007's WIKI #Conflictsに記載があります。
古いコーデックパック
ここから下で紹介するコーデックパックは、現在では設計の古いものになります。
WECP(Windows EssentialsCodec Pack)
ダウンロード:WindowsEssentials Codec Pack
※ffdshowを同梱しています。
- 最新版は2013年11月にリリース。
XPをサポートしています。というか(恐らくですが)、現在入手できるコーデックパックの中では、最もXPに最適化された設計になっていると思います。 - 非常に多くの形式をサポートしています。公式ページには、「ネット上の99%のメディアファイルが再生可能」と記載されています。
- アップデートは自動で行われるので、定期的な更新を行うのも簡単です。
サポートするメディア・形式など
DVD/ (S)VCD / 3GP / AAC / AC3 / APE / AVI / DivX / 3ivx / DAT / h.264
/x264 / AVC / Nero Digital / DTS / FLV / FLAC / HD-MOV / MPEG-1
/MPEG-2/ M4A / MPC / MP3 / MP4 / MO3 / MOD / MKV/MKA / MTM / OFR / TTA
/OGG/OGM / S3M / Vorbis / VOB / WavPack / ATRAC3 / XviD / XM / WV / UMX
- 確認できた障害
・ 使い込んだPCにインストールしたことが無いので不明
Storm Codec
ダウンロード:Storm Codec
対応OS:Windows 2000/XP
※ffdshowを同梱しています。
- 2007年で開発が止まっています。古いバージョンのFlashやActiveXを含んでいるので、ネットに接続した環境で利用しては絶対にダメ。
RealPlayerやQuickTime形式の動画もサポートするちょっと変わったコーデックパック。鬱陶しいRealPlayerやQuickTimeの常駐ツールはインストールされない。
(懐かしのXVDもサポートしています。新しいバージョンを見かけたら、試す価値はあるかも(^_^;)
同梱されたパッケージ
めずらしいもの
RealPlayer10.5 decodings cores & ActiveX / RealMedia Splitter
1.0.1.1 /QuickTime 7.13 decodings cores & ActiveX / Flash Player 9
r16
定番部分
Ffdshow / XviD / VP7 / VP6 / MediaPlayer Classic / Haali's Splitter / OGGVorbis / VSFilter /
最近みないもの
Ligos Indeo / GV Codec / CyberLinkVideo/SP Filter / NVidia PureVideo Decoder / RatDVD Decoder / OGGSplitter / AAC Parser /
CoreFLACAudio Decoder & Source DirectShow Filter / DS
Monkey's AudioFilter/ APE Audio Lib / SHN to WAV Filter / TTA /RadLight
/ VoxwareMetasound & Metavoice ACM Codec / PMP Splitter /G.Spot
- 確認できた障害
・ うちの環境(64bit Windows 7 ではインストールできませんでした。
・ ソフトの設計が古く、ウィルス対策ソフトによってはウィルス判定を喰らう気がします。
おすすめコーデックパックはどれ?
一番多くの動画に対応しているのはドレか?と云う視点に立つと、
K-Lite Codec
Packが一番だと思います。アップデートの頻度も高く、常に最新版がリリースされています。 次点でWECP。 非常に無難かつ多彩な構成。ほとんどの
動画を再生出来るようになります。K-Lite Codec Packよりトラブルに遭う確率は少なめです。
システムにあまり変更を加えたくない、代表的な動画が再生できればそれで良い
って場合はffdshow と CCCPの二つをインストールするのがおすすめです。
次点でCodec 8.4。こちらも紹介した中ではトラブルは少ないと思います。
個人的な好みで書かせてもらうと、
Shark007 STANDARD Codecsあたりがお気に入りですが、オーバーレイ表示を使う古い動画プレーヤーやゲームをインストールしている場合は不具合が出る可能性があります。また、アドウェアが多くてアップデートが憂鬱になります。
- 動画は再生オンリーな人 /動画変換しない人 / PC買ったばかりの人
定番のK-Lite Codec Packを使うのも良いかも。
とにかく多機能で、なんでも揃っています。 ただし詰め込み過ぎな部分もあるので、使い込んだPCにインストールすると不具合が出る可能性が高いです。 - できるだけトラブルを避けたい場合
CCCP+FFDShowがおすすめ。
他のコーデックパックと比較すると、トラブルの発生が格段に低いです。 - 動画再生の設定をあれこれ調整して見たい人
Shark007 Advanced Codecsがお勧めです。
管理画面のまとまり具合や、同梱の「Win7DSFilterTweaker」がなかなか高機能です。 - ビデオカードがハードウェア支援に対応していない場合
CoreAVCを搭載している、Codec 8.4がお勧め。
h.264形式のmp4動画の再生は、これが一番軽くなります。
注意
複数のコーデックパックをインストールすると、コーデックやスプリッター類が干渉してPCの挙動がおかしくなる場合があります。コーデックパックを利用する場合は、いずれか一つだけをインストールするようにしましょう。
(ffdshow はバッティングによる不具合少なめです)
新しくコーデックパックをインストールする場合は、それまで使用していたコーデック類・スプリッター類は全て削除するのが理想です。
「コーデックパックを2つ一気にインストール→片方だけアンインストールする」 などという操作をすると、重複してインストールされたコーデック類に不具合が出ます。
単体でインストールしていたコーデックのアンインストールが出来なくなる場合もあります。