2016.10.10: 冒頭にHPのリンクを追加。ビデオカード関連の情報も追加。
2016.09.12: セキュアブート有効でシステム修復ディスクが起動した。
一部文章に取り消し線。Windows PEをセキュアブート有効で起動させる条件など追記。
2016.08.23: 個人的な予測を追記
2015.10.06: 初出
UEFIブートにしてあるWindowsマシンにて、
- HDDからSSDに換装したい
- 新しくPCを購入したけど前PCのHDD/SSDをそのまま使いたい
- Windows10にアップグレードする前に 元OSのバックアップを取っておきたい・・・
という場合に、注意しておきたいお話。
セキュアブート有効なままCドライブを取り外すと、そのまま元に戻してもOSが起動しなくなるケースがあります。
また、セキュアブート有効なままだと、Cドライブの取り外しだけでなく、ビデオカードやその他周辺機器の交換でも、起動できなくなるケースが発生するようです。
※起動しなくなった場合の解決策も記載しています。
※手元では再現できていないケースも含めて書いています。
※公開当時はちょっと未完成なページでしたが、だいぶ完成してきました。
問題
GPTディスクをクローンすると、起動できなくなる場合がある。
- クローンしない場合でも、一度取り外しただけでも起動できなくなる
- ビデオカードなど、パーツ交換しただけでも起動できなくなる場合がある
- 手元の環境では「一度 取り外しただけでも起動できなくなる」というトラブルは発生しなかったので、何かしらの条件が重なった時に発生すると思われます。
- 類似トラブル
「Windowsがインストールされているドライブがロックされています。ドライブのロックを解除してやり直してください」とメッセージが出る
参考リンク
この問題がどういうケースで発生するのかを知りたい場合は、ヒューレットパッカードのサポートページの解説が分かりやすい。
その他いくつかの参考リンクを、このページの末尾で紹介しています。
原因
- UEFIの「セキュアブート」を有効にしたままHDDやビデオカードを取り外したり換装したりすると発生する。
- セキュアブートを無効にすれば起動する
- ビデオカードで問題が出た場合、CSMやFast Bootの設定が間違っているケースもある。
※サイト内参考
UEFI マザーの「Fast Boot」と「CSM」の組み合わせに注意 - セキュアブート有効で利用したい場合はセキュアブートキーのリセットを行う
※サイト内参考
このページの手順 3-1
- 一部マザーのチップセット、AHCIドライバー、ISRTまたは古いIRSTなどを使っている場合、ハイブリッドHDD(SSHD)などの場合は、OSのクローンに失敗する。
- セキュアブートの問題とこの問題を切り分け出来ないと、非常にややこしい問題に見えてしまい、解決は難しい。
2016.09.12追記:セキュアブートについて
手元のPCで「セキュアブート有効」でもシステム修復ディスクが起動した。まだ「システムの復元」など一部のメニューしか利用していないが、正常に作動するようにみえる。「セキュアブート無効」の一文に取り消し線を入れる事にした。
※ただし、パーツ交換する時にセキュアブート無効にする必要がある事に変わりはない。
- Windows PE4.0以降は、セキュアブートに対応している。
- 2014年頃 および 2016年8月にテストした時は、確かに「セキュアブート無効」では修復ディスクは起動しなかった。
- 今回修復ディスクが起動した組み合わせ
- セキュアブート有効+CSM無効
- セキュアブート無効+CSM有効
※サイト内参考ページ: セキュアブート有効にするならCSMは無効にする - とりあえず、ネット上の情報を読み漁る限り「セキュアブート無効+CSM有効」が鉄板のように思えるが、OS、マザー、周辺機器含めすべてのデバイスがUEFIにネイティブに対応している場合は「セキュアブート有効」でも問題ないと思われる。
問題発生後の解決策
※すべてのケースで復旧できるワケではないので注意
※修復前にセキュアブートは無効にしておくこと。
- 一度インストールDVD/USBで起動し、「スタートアップ修復」を行う。
- システム修復ディスク よりも インストールDVD の方が復旧させやすい?(あちこちのサイトを読んでそう感じた)
- システム修復ディスクを起動するには「セキュアブート無効」が必要。
この修復を行うには「セキュアブート無効」が必要。 - 何度か失敗しても繰り返し実行してみる。
- 「失敗しました」というメッセージでも起動可能になっている場合あり。
- 「システム修復ディスク」>「コマンドプロンプト」から修復する場合
- 「bootrec /Rebuildbcd 」・・・・たぶん有効
「bootrec /fixboot」・・・・たぶん有効
「bootrec /fixmbr」・・・・GPTの場合このコマンドは意味なし。
- 「bootrec /Rebuildbcd 」・・・・たぶん有効
- さらに詳しい手順
- セキュアブートは無効にしておく
- 手順のみ、ざっくりまとめ (リンク先のページ中段)
- インストールメディアから起動
コマンドプロンプト起動
- ※この項目はBCDファイルを削除またはリネームする際に必要
diskpartで隠しドライブ(ブート領域)を探し、ドライブレターを付ける
> diskpart
diskpart> list volume
※FAT32のパーティション(通常は100MB)が目的のボリューム
※「info: システム」となっているはず。
diskpart> select volume X (ドライブ番号)
diskpart> assign letter=b: (ドライブレター例)
diskpart> exit
> b:
- コマンドプロンプト上の操作
b:> cd /d b:\EFI\Microsoft\Boot ※症状が重症な場合に必要
b:> ren BCD BCD.bak ※症状が重症な場合に必要。「del bcd」でもOK
b:> bootrec /Rebuildbcd
b:> bootrec /fixboot
b:> bcdboot c:\Windows /l ja-JP /s b: /f ALL
※bcdboot c:\Windows /l ja-JP だけでもいい
b:> exit - これらのコマンドを実行した後もスタートアップ修復を2回行う
- 補足
※全ての手順が終了した後は「del BCD.bak」でリネームしたファイルを削除しておく。
※必要に応じてセキュアブートも有効に戻す。
- インストールメディアから起動
- BCD領域 (隠しドライブ) を サードパーティ製のバックアップツールであらかじめバックアップしておく方が復旧が簡単かも
重要: スタートアップ修復は2~3回行う
参考リンク
- windows10 にアップグレードしたら死んだ話① - ロボットと趣味と自堕落と
一部引用
今回は原因とMSのサポートに聞いた解決案についてだけ
~~~中略~~~
そこで、プライマリHDDにUSBにある"Boot"というフォルダと"bootmgr"をコピーしてスタートアップ修復を2回行えとの事だった。
どうやら、BCD領域が破損して「Windows が起動しない」「スタートアップ修復ができない」系のエラーは、BCD領域を修復した後にスタートアップ修復を2回行う必要があるらしい。
あちこちのサイトで復旧に成功した例を読んでいると、「何度か修復作業を繰り返すうち、よく分からないまま修復できた」旨の記載をされている所がかなりある。その理由はこの「スタートアップ修復を2回行え」かもしれません。
- サイト内関連ページ:
重要:Windowsが起動しなくなった時の「スタートアップ修復」は2~3回行う
問題発生前の予防策
- クローンには最新のUEFIに対応したディスクコピーツールを使う。
- ※個人的な対策↓
- バックアップとクローンにはParagon Backup & Recoveryを使っている
- こちらは 「セキュアブート無効」が必要
- システムドライブをクローンする時は
「Windowsシステム領域」
「MSR領域」
「GPTシステム領域」
「Windows RE(回復)領域」
など、これらをパーティション別にバックアップを取り、そろぞれ個別に、コピー元のDiskと同じ順序で配置されるようクローンしている。
- システムドライブの全てのパーティションを一括バックアップしてクローンした際、クローン先でOS起動しなかった経験あり。
- 個別クローンでは (今の所) 失敗経験なし。
- ※個人的な対策↓
- ディスクをクローンする場合、その前後で 念のため セキュアブートは無効にしておく。
解決策の提示は以上。
これ以上の詳細な手順はページ下段の外部リンクを参考にしてください。
解決が難しい例
以下が原因の場合は、基本的に復旧は非常に困難です。
事前チェックがとても大事。
- HDD → SSD のクローン場合、まれに相性問題が発生する
- 一部マザーのチップセット、AHCIドライバー、ISRTなどを使っている場合は、HDD→SSDのクローンに失敗する。
- 貴方もこれで「換装名人」!便利な「クローン機能付きUSB3.0接続HDD/SSDケース」はHDDを扱うマニアの必需品! - BlackHexagon ~ PC不要で簡単にHDD/SSDのクローンができる ~のレビュー| ジグソー
非常に長いページ。
ページ中段「■□コピー出来ないSSDの話□■」の項目に解説あり - you-wish -SSD不具合対策 (EaseUS Todo Backup Free)
失敗しないクローン手順が公開されています。
- 問題発生したのは、特殊な盗難防止装置が付いたPCだった。
- メーカー製PCの場合、専用のセキュリティチップが搭載されており、HDD/SSDを取り外しただけでデータが読めなくなる場合がある。
(盗難・分解などの防止のため) - この場合、PCが「データ盗難の危険性を察知」して、データが完全に破壊されている場合があります。
- メーカー製PCの場合、専用のセキュリティチップが搭載されており、HDD/SSDを取り外しただけでデータが読めなくなる場合がある。
- BitLockerなどで、システムドライブを暗号化していた
- 問題発生する可能性はあると思うけど、未調査。
- 念のため、HDD/SSDのクローンを行う前(取り外すだけの場合は取り外す前)に、システムの暗号化プロテクトは解除しておく。
- BIOS/UEFIの違いを理解していなかった
- 旧BIOSマザーの場合・・・・CドライブはMBR形式でフォーマットされる
- UEFIマザーの場合・・・・少しややこしい。
- (インストールDVDをUEFI起動すると)
GPT形式でフォーマット・インストールされる - (インストールDVDを従来通りの方法で起動すると)
MBR形式でフォーマット・インストールされる - Windows 7/Vista 以降、OSクリーンインストール時システムドライブまたはパーティションは必ずフォーマットする必要がある。
- GPT形式でインストールする場合、起動ドライブは新品の状態にしておく必要がある (ブート領域やMBR領域が残っているとインストールできない)
- (インストールDVDをUEFI起動すると)
- 古いディスクコピーツールは、UEFI/GPT形式に対応していない。
この場合、システム領域が正常にコピーできない。
- 「同じマザー」と「同じバックアップツール」を使っている人が「旧BIOS互換(OSをMBRインストール)」でクローン成功させている例を読んで、自分のPCも同じ手順でクローン出来ると思わない事。
その他(手元の検証)
Windows10リリース以降、UEFIマザーのPCで数台ほどHDDやSSDのクローンを取り、ストレージの換装を行ってみたが、特に問題は発生なかった。
※個人的メモ: 検証日 2015.08.08~08.09
- ただし、セキュアブートを無効にして作業を行っていた。
- クローンツールがLinuxや Windows PEで動いている場合、セキュアブートを有効にしていると、ほとんどの修復ツールは起動すらできない。
- セキュアブートを有効にしていると Windows上で作成できる「システム修復ディスク」 (Windows PE) も起動しない
- クローンSSDへの換装後、再びセキュアブート有効にしてみた。
→ Windowsは無事起動する。問題発生なし。
- セキュアブート有効なままの換装検証は時間切れで実施せず。
- 補足情報
- Windows PE 4.0以降はセキュアブートに対応。
Windows PE 4.0以降をブートさせるには
・「セキュアブート無効+CSM有効」もしくは
・「セキュアブート有効+CSM無効」が必要。
※これ以外の組み合わせでは正しく起動しないケースがある。
- Windows PE 4.0以降はセキュアブートに対応。
個人的な予測(追記)
手元で再現していないので予想の範囲は出ませんが、GPTディスクのクローン失敗で考えられるケースを色々追記しておきます。
- 単なる相性問題(重要)
- 上でも紹介したリンク
貴方もこれで「換装名人」!便利な~~~~
このページに追記が加わっている。
- 非常に長いページ。
後半「■□SSD換装成功!□■」に開設あり。 - クローンするSSDを別メーカーのものに変更するだけで無事クローンに成功している。HDDでは発生しない。SSDの問題。
- 非常に長いページ。
- 上でも紹介したリンク
- Cドライブのみクローンした/システム領域を正しくクローンしていない
- GPT形式の起動ディスクの場合、通常はCドライブの前に二つの隠しドライブが存在している。
- これらを正しい順序で正しく配置しないと起動できない。
- 2つの隠しドライブについて(サイト内参考リンク)
UEFI/GPT形式で、自分で予約パーティションを切ってWindowsをインストールする
リンク先の100MBのシステムパーティション、128MBのMSRパーティション、この2つがとても重要。
- UEFI/GPT未対応なクローンツールを使った
- GPTディスクの場合、データ用ドライブと起動用ドライブではディスクの構成が異なる
- ブート領域や予約領域が隠しドライブとして作成されている
- この隠しドライブの構成が、データ用ドライブと起動用ドライブで異なっている
- サイト内参考リンク
GPTディスクのお勉強 (128MB/16MBの不明な隠し領域)
UEFI/GPT形式で、自分で予約パーティションを切ってWindowsをインストールする - UEFI/GPTに未対応なクローンツールを使った場合、このブート領域がコピーできていない可能性がある。最悪の場合、コピー元のブート領域を破壊してしまうケースが考えられる。
- GPTディスクの場合、データ用ドライブと起動用ドライブではディスクの構成が異なる
- 使い古した SSD/HDDにクローンしようとした
- 先の項目で書いた通り、GPTディスクの場合、データ用ドライブと起動用ドライブではディスクの構成が異なっている。
- 一度データ用ドライブとしてフォーマットしたHDD/SSDは、「DiskPart のclean」をしない限りシステムドライブとして利用できない。
- 参考リンク (DiskPart cleanの手順)
Windowsのインストールが出来ない場合の対処方法2 (UEFI/MBRの違い) - ちなみに、以前システムディスクとして利用していたHDD/SSDの場合でも「DiskPart のclean」した方が安全。予約領域や回復領域などが二重に作成されたり、古い領域が無効なディスク扱いされたりするケースがある。
- その他考えられること
- セキュアブート有効 (かつその他のBIOS設定が不適切なまま) な状態でWindows 8/8.1/10 からWindows7に戻そうとした
- Windows7 はセキュアブート未対応
※ UEFI(GPT)形式のブートは可能
※ 2016年3月配信のKB3133977以降、クローンの有無関係なしにセキュアブートでの起動は出来なくなった
- Windows7 はセキュアブート未対応
- 以前起動ドライブとして利用していたDiskをデータドライブとして(cleanしないまま)使いまわしていた場合などでは、「ブート領域が含まれたGPTディスクが2台以上存在している状態」となり、DiskのクローンやOSのアップグレードで様々な問題が発生する。
- セキュアブート有効 (かつその他のBIOS設定が不適切なまま) な状態でWindows 8/8.1/10 からWindows7に戻そうとした
外部 参考リンク
以下、GPTディスクのクローンや、取り外し&再取り付けでWindowsが起動しなくなった例や、解決方法が記載された外部リンクの紹介。
修復ディスクからの修復方法や、その他の細かい手順については以下リンクが参考になる。
- GPT/UEFI « ライフボート 裏ブログ(非公式ブログ)
ライフボートさんのUEFIカテゴリページ。
- GPTディスクが起動しない場合の対処方法
- UEFI システムのWindowsを無理やりBIOSモードに移行する方法
- ハイブリッド ダイナミックディスク
間違ったパーティションの切り方をしたり、フォーマットの変更を我流で行った後、PCにはこういう障害が残る。
- Windows7 HDDのクローンコピーに四苦八苦!-jun*unj*nj*n_9*のブログ - Yahoo!ブログ
UEFIシステムのWindowsが入ったHDDを、無理やりBIOSモードのPCに換装した記事 - HD革命/CopyDrive Ver.6 機能・特長 | 株式会社アーク情報システム
HD革命 というツールは、MBRディスク←→ GPTディスクの変換コピー機能がある。 - クローンコピーしたハードディスクが認識しない - ノートPC | 教えて!goo
「教えて!Goo」で見つけた、質問者と回答者のやりとりが分かりやすいページ。実際に問題解決する際のヒントがちりばめられている。
その他 (個人的メモ)
- GPT/MBRの確認方法
システムドライブがGPTディスク・MBRディスクのどちらであるかの確認方法|株式会社アーク情報システム
- 外付けHDDをGPT形式でフォーマット(fdisk)
【LogitecHDD】【LaCieHDD】GPT形式でハードディスクをフォーマットした...