以前、私の持っている3DCGブログにて色空間の話を書いたことがありますが、片手落ちな状態のまま放置していました。その補足はこちら動画エンコブログにて書きたいと思います。
以前RGB、YUV、YV12など色空間の解説した時の話
以前色空間について解説した際には、「YUV、YV12などの色空間で動画を作成するとディティールが失われる」と書きました。
以前の記事:色空間の話-動画と静止画の違い
▲その際解説に使用した図(200%拡大)。
左がRGB、右がYV12。RGBの方がクッキリした表現です。
YV12では色情報が4ピクセル毎に行われるので、輝度が近い画像の場合は大雑把な表現しか出来ず、ジャギーが発生してしまいます。
メジャーな動画コーデックは殆どがYV12、YUVと云った色空間を採用しているので、CGで動画を作る際は、輝度情報(白黒のコントラスト)に気をつけて動画を作成するか、RGBフォーマットをサポートしたコーデックを使用しましょう。
という旨のお話でした。
今回は逆。
TVキャプチャしたり、家庭用カメラ素材・DVDビデオをバックアップしたりする時は、極力RGBフォーマットに変換しないようにしましょう。というお話です。
RGBは何が得意で、YUV、YV12は何が得意か
今回も厳密なお話はしません。大雑把な話です。
気になる方は各自調べてみてください。
以下がRGBとYUVの扱える色の範囲を表した図です。
上記の様に、明るい部分、暗い部分での色の表現は、圧倒的にYUVやYV12などの輝度と色差で表現できるフォーマットの方が勝っています。RGBでは明るい色、暗い色の表現が極端に限られます。
具体的に書くと「ドラゴンボール・悟空のかめはめ波」などの表現は、YUVなどの色空間でなければ「色の付いたまぶしい光」的な表現にならないと云う事です。
TVキャプチャした番組などをPCで加工する際に、RGBフォーマットなアプリケーションを使用すると、RGBで表現できない色合いが失われてしまう可能性が大きいのです。
RGBという色空間は、以前にも書いたとおり、1ピクセル毎に色情報を持っています。
これに対しYUV、YV12などの色空間は、2~4ピクセル毎にしか色情報を保持できません。
まとめ
パソコンで扱うデータ、使用するCGソフト(2D、3D問わず)は殆どRGBで作成されます。
TV放送、DVDやブルーレイ素材は、YUVやYV12が使われています。
- RGBで作成した画像をYUVなどの色空間に変換すると、1ピクセル毎の色情報は失われます。
- YUVなどの色空間で録画した映像を、RGBに変換すると、明るい色、暗い色の色情報は失われ、映像の表現力は格段に落ちます。
この辺を頭に入れておきましょう。
こだわらなければ気になる違いではありませんが、後から残念な気持ちにならないように、気合を入れて動画を作ったり保存したりしている人は注意しましょう。
補足
色空間を表した図で、良い物がなかなか見つからなかったのですが。。。
▲この画像はDoom9からの転載しました。
RGBとYCbCr(YUV、YV12など)の色空間が扱える色の範囲を示した図になります。
英語で書いてあるので「なんのこっちゃ」ですが、違いは感覚的に分かると思います。
追記
テレビはなぜYUVなのか?という疑問に、とても興味深い回答がついているFAQページを発見しましたので、ここに貼っておきます
テレビでYUVはなぜ採用されたのでしょう - 教えて!goo