先日の記事の中で、0.1秒位の音の遅れは、人間の脳が補正してくれると書いた。
その辺からふと思い付いて実験して、面白い結果が得られたのでここに書く事にする。
今度は、人間の耳は千分の一秒を錯覚すると言うか、聞き分ける事が出来る、というお話である。


まずは上のファイルを聞いて欲しい。
片方のスピーカーからしか音が鳴っていない様に聞こえるが、耳を近づけて確認すると、両方のスピーカーから同じ大きさの音が出ている事が分かるはずだ。
(ノートPC等スピーカーが貧弱な方はヘッドホンで聞かないと解らないかもしれないが。)

 

こいつは一体どういう事なんだと不思議に思う人もいるかも知れないが、原理は簡単である。右チャンネルの音を0.0006秒遅らせているだけなのだ。

音は1秒間に約350m進む。人間の耳は左右で20数cm離れているので、左右の耳で音の到達時間は0.0006秒位違う筈なのだ。
と、言う訳で 同じ音を左右のスピーカーで0.0006秒ずらして鳴らせば、人間の耳は片方のスピーカーから音が鳴っているように錯覚するのだ。

 

簡単に書いてしまったが、千分の一秒以下の音の遅れを判断できる人間の耳って凄くない?

ちなみに音のずらし方を工夫すればこんなカンジにも出来ます。

左右同じ音量だけど、左から右に動いて聞こえる。

ま、役に立つような、立たないようなお話でした。