新PCでオーバークロック(以下OCと略)して遊ぶのは後回しにしておこうと思っていたけれど、、、、
OCは最悪OSが壊れたり、CPU、マザーボードが壊れちゃう可能性がある危険な行為。
やっぱり「早めに新PCの限界を調べておいた方が良いな」と思い、先週から限界(?)までOCチャレンジしてました。
以下の内容は大変危険な行為であり、マネしてPCがぶっ壊れる、またはWindowsが起動しなくなる、他様々な不具合が発生しても当サイトは責任を持ちませんので宜しくです。
まずはcore i7 920のロット
▲購入したCPU、core i7 920のパッケージ。
製造日:2008/11/07
ロット :3837B062
購入日1月31日、28,980円。
まさかの超初期ロット&人気で品薄のBロット、1月12日で終わったキャンペーンシール。
こればっかりは超田舎に住んでて万歳です。
Bロットとは
様々なOCサイトを見ていると「Aロット(多分通常ロット)と比較して、発熱は多い方だが低い電圧でも高クロックで作動する(報告例が多い)、ハズレが少ない」という、OCマニアが秋葉原や日本橋で探しまくる至極(大袈裟)の一品。
(OC上限の耐性については、A、Bロットの違いは特にないようです?)
とまあ4G超えを目指すより、なるべく低い電圧で3.5~3.7GHzあたりにオーバークロックしたかった私にとっては願っても無い一品。
私は「Bロットにして欲しい」とは一言もお願いしていないけど、これをチョイスしてくれたパソコン工房の店員さんありがとう(´∀`)ノ
以下、常用を考えて&CPUの限界を探るため、色々オーバークロックかけた結果を表にまとめてみました。
注)あくまで私の持っている環境で行ったテストであって、「全ての個体で同様の結果が出る」というものではありません。(core i7やP6T DXの個体差含めPCケースやCPU FANその他色々な要因があります)
core i7 920 ウチでのOC結果
細かい話は後にして、まず最初にベースクロックとcore、uncore部分の電圧をグラフに。
BCLK | V core | QPI V |
133 | 0.9875 | 1.2000 |
166 | 1.1125 | 1.2000 |
170 | 1.1500 | 1.2000 |
174 | 1.1688 | 1.2000 |
177 | 1.2125 | 1.2000 |
181 | 1.2438 | 1.2000 |
191 | 1.3438 | 1.2500 |
200 | 1.4500 | 1.2750 |
縦軸:電圧(V)
横軸:BCLK周波数(Mhz)
CPU倍率 :AUTO(X21)
メモリ倍率:2:6
HT:ON(BCLK200のみOFF)
(BCLK200Mhz、core i7 4.2Ghzのみ、20分の負荷テストで終了。
core温度が90℃を超え危険を感じたため)
(BCLK=ベースクロックの略:以前のマザーのFBSに相当)
上記表のオーバークロック方法&数値の意味
上記の数値は、あくまでもウチのPCでの結果です。環境や個体差によって大きく結果は異なると思います。さらに「安定して作動する」数値として煮詰めたものではありません。
さらに言うととりあえずPrime95が10~30分走った所での数値です。
表に載せた数値の決定方法は以下。
- 常用したいのでアンチウイルスソフト、無線LANなどの常駐ソフトはそのままで。
- メモリはゆるゆるに設定しておく(倍率2:6、レイテンシ9-9-9-24-1Tなど)
- 2ちゃんねる「Core i7 オーバークロック報告スレ」などで、目標作動クロックに必要な電圧を調べ、安全に作動しそうな電圧を推測。BIOSにその数値を設定
- Windowsが起動したらとりあえずπ焼き1M
- Prime95で負荷テスト。1~2分走ったらこの時点ではOKを出す。
- ASUS P6T deluxe付属のOCツールTurbo Vで、Prime95を走らせながら少しずつ電圧を下げ、様子を見る。
▲ASUS P6T deluxe付属のOCツールTurbo V
Windows上からCore i7の作動周波数、作動電圧を変更する事が出来てお手軽。
でも10%以上のオーバクロック、ダウンクロックは無理。OSハングします。
Prime95が1~2分で落ちる、OSが落ちるなど不具合が出るまでTurbo Vで小刻みに電圧を下げ続ける。(危険な行為です) - 「6.」で不具合が出た電圧からBIOS画面で0.0125V(2段階)上げてOS起動、Prime95が30分~1時間安定して作動する事を確認する。
- 「7」を満たした所でOK。上記表に入れる数値に採用する。
OSが起動しない、Prime95が30分持たなければ、Core Vを0.00625Vずつ上げて行く。
邪道な方法ですが、作動目標の周波数での最低必要電圧を調べるにはコレがイチバン楽だと思います。
オーバークロッカーな方々が「安定作動」とみなすPrime95を6~12時間作動させる条件にはまだ程遠いですが、とりあえず「ざっくりOC」した所で前述のような表を作りました。
core i7は爆熱って噂だけど、どうなん?
新しモノ好きなサイトのアチコチで計測・評価されているcore i7のOC報告。
一様に「良く回る、そして熱い」と報告されていますが、実際に自分で試して見ないと気がすまない性分なので、こちらもチェックしました。
▲core i7 920の発熱(縦軸、℃)とベースクロック周波数(横軸、MHz)
CPUの周波数はベースクロックX21倍。温度はPrime95を1時間回した後の最大値。
各ベースクロックでの電圧は前述の表より参照のこと。
複数回データを取る、または長時間データを取れば数値はもう少し丸まる気がする。けどはっきり言ってやりたくない(笑)
BCLK | V core | core clock | QPI V | core temp(idle) | core temp(max) | core temp(max) HT OFF |
133 | 0.9875 | 2800 | 1.2000 | 26 | 55 | |
166 | 1.1125 | 3500 | 1.2000 | 30 | 63 | |
170 | 1.1500 | 3570 | 1.2000 | 33 | 63 | |
174 | 1.1688 | 3655 | 1.2000 | 35 | 62 | |
177 | 1.2125 | 3717 | 1.2000 | 33 | 65 | |
181 | 1.2438 | 3800 | 1.2000 | 36 | 82 | 68 |
191 | 1.3438 | 4000 | 1.2500 | 38 | 88(20分で中止) | 76 |
200 | 1.4500 | 4200 | 1.2750 | 41 | OS起動せず | 88(20分で中止) |
室温:14~17℃
CPUクーラー:サイズ 無限弐(SCMG-2000)
クーラーFAN、グリス:共に無限弐付属品
ケース:Centurion C5 CAC-T05-US
温度計測:Real Temp 2.70(TJ Maxを100℃に変更)
感想
確かに熱い。でも、、、、
- アイドル時の温度はほぼリニアに上昇。
- QPIリンク速度が6.8GT/s(上位コアcore i7 EE965の規格)を超え、QPI(uncore部分)への負荷が大きくなる辺り(BCLK177以上)から発熱急増してるカンジ。
注)QPI Link6.8GT/sHz辺りから温度が急上昇しているのはcore i7の特性なのか、私の持っているCPUの個性なのかCPU FAN(無限弐)の冷却性能によるものなのか、はたまたCPUに掛かっている電圧によるものなのか、私には分かりません。 - HT(ハイパースレッディング テクノロジ)を使用しているとやはりかなりの熱量が発生する模様。
- ベースクロックを定格133Mhz~177Mhzあたりで作動させている分には、そんなに熱くなる事は無い様です?
以前のPCとの比較
core i7 920 3.7Ghz(HTOFF)+ASUS P6T deluxe | Athlon64 X2(939) 2.4Ghz + MSI nForce4 Ultra | |
CPU温度 | 56 | 53 |
マザー温度 | 35 | 43 |
GPU 温度 | 42(9600GT) | 62(6600GT) |
HDD 温度 | 25 | 33 |
以前のデータにあわせて、SpeedFANで計測したCPU温度などで比較。
(CPUのみに負荷をかけたテストです)
コア周波数1.7GHzアップで温度4℃アップなら全然妥当な数字です。
Core i7 920でBCLK177MHz X 21倍あたりまで、又はCore Vが定格以内のOCなら、それなりのCPUクーラーを付けていれば十分クロックアップ出来そうです。
(これ以上のOCしたらドカンと発熱するのは以前も一緒)
それより目を惹くのがマザーボード温度の低さ。P6T deluxeはコア周りに銅製ヒートパイプが設置してあり、良い感じに熱を逃がしてくれているみたい。
また、NVIDIA GeForce9600GTは、6600GTに比較しアイドル時の発熱量はかなり低い模様。
今回購入したPCケース(Centurion C5 CAC-T05-US)のフロントパネルの吸気FANは、内蔵HDDベイ正面に設置されている為、HDD温度も低いのが嬉しい。
ちなみに以前のPCで発熱チェックした記事はコチラ(GPUもフル稼働しているデータですが)
上記テストは昨年4月初旬、エアコンなし。現時点での新PCのテストはエアコン付けてて14~17℃。多分室温の環境は一緒。
core i7 920+ASUS P6T deluxeでオーバークロック体験の感想
ざっくりとOCした結果ですので、なんとも云えませんが。。。
私の買った石は2ちゃんで云う「中当たり」クラス、Bロットにしては中の下って所ですかね(´・ω・`)
- 意外とアッサリと4Ghz超え出来ました。
ただし評判どおりHTオンで高クロック作動だとメチャメチャ熱くなります。 - 色々なサイトを見る限り、3.7~4.0GHzあたりまでならよっぽどのハズレでない限りOC出来そうです(OC出来るマザーボードを選ぶ事、しっかり冷却できるCPUクーラーを使う事が大切)
- Bロット買えた事で、作動CLOCKが定格のままならcore電圧0.9V位でもOS起動すると思ってたけど甘かったです。OS起動に最低1.0Vは必要っぽいです。
- FSBと云う概念が無くなったり、CPUに掛ける電圧がCore部分、unCore部分に分かれていたり、今までのCPUと比較してOCの際に設定する項目が複雑です。
- ここまでやってみてようやくCore i7のCore部分、unCore部分という新しい概念が分かって来ました。
と言う事でこの話は続きます。
≫core i7 920&ASUS P6T deluxeでオーバークロックやってみた(中級編)
≫core i7 920オーバークロック電圧設定表