前回までのお話
core i7 920&ASUS P6T deluxeでオーバークロックやってみた(序の口編)
core i7 920&ASUS P6T deluxeでオーバークロックやってみた(中級編)
前回からの流れでCorei7のオーバークロックの各種設定から安定作動の下限ギリギリっぽいデータを抽出し、Vcore、QPI V、HT ON/OFF、uncorefreqなどの項目をバラバラにして
「BCLKを横軸」にして表にまとめてみると、以下の様になりました。
オーバークロックの上限、作動電圧にはかなり個体差があるようで、以下の設定そのままが 他のcore i7920やPC環境で通用するとは限りませんが、自分の環境で3~4点計測すれば似たようなデータは作れると思います。
2009.03.04追記
(注意!)OCしたCore i7の作動に必要な電圧を確認する際、Prime95のみで負荷テストを行ってもQPI Vに必要な電圧を推測する事は出来ませんでした。このページの情報はPrime95のみで負荷テストを行った時のものです。
Prime95が通っても3DMARK03やEVERESTなどで負荷テストを行うとブルーバックが発生する場合、uncore 電圧が不足しています。
≫Core i7のオーバークロック:Prime95だけじゃQPI vの限界が探れないよ編
その他注意書き:重ねて書きますが以下の内容は大変危険な行為であり、マネしてPCがぶっ壊れる、またはWindowsが起動しなくなる、他様々な不具合が発生しても当サイトは責任を持ちませんので宜しくです。
本文内容、以下からスタートです
▲グラフ1:ウチのCore i7 920作動に必要な最低電圧グラフ
共通項目
・core i7 920ロット : 3837B062
・マザーボード : ASUS P6T Deluxe
・TurboMode : ON
・EIST : ON
・CPU倍率 : AUTO(X21)
・メモリ倍率 : 2:6(FSB133Mhzの時のみ2:8)
FSB | Vcore HToff | Vcore HTon | QPI v(x16) | QPI v(X12) |
133 | 0.96875 | 1.00000 | 1.10000 | 1.03900 |
166 | 1.11250 | 1.12500 | 1.20000 | 1.14100 |
170 | 1.13125 | 1.15000 | 1.21250 | 1.15500 |
174 | 1.15000 | 1.17600 | 1.22500 | 1.17000 |
177 | 1.18125 | 1.20000 | 1.23750 | 1.18300 |
181 | 1.21250 | 1.23125 | 1.25000 | 1.20000 |
191 | 1.28750 | 1.34375 | 1.29375 | 1.2375 |
200 | 1.42500 | 1.53000 | 1.33125 | 1.27500 |
▲表1:ウチのCore i7 920 OC電圧下限表
表の見方
1.上記電圧はBIOSで設定した電圧であり、OS上で読み取ったものではない。
2.青字はPrime95を4~8時間作動確認した設定。
3.赤字はPrime95を30分~1時間作動確認した設定。
4.黒字は完全に予想数値。
5.灰字は使用しているマザー(ASUS P6T Deluxe)では設定できないので予測した数値。
6.QPI Vの(x16、x12)はuncore freqの数値をBCLKで割った数値。
BCLK200、QPI v(x12)の場合、uncore freqは200x12=2400MhzでQPI v=1.275vとなる。
7.QPIVに関しては、大雑把な検証しかしなかったため、この数値に信憑性はない(X16とX12で計算合わないし。)故に直線(または緩やかなカーブ)とはならないかもしれない。
8.BCLK200MhzX21=4.2Ghz HT on熱すぎ。アイドル時コア温度50℃近いので検証せず。
9.HT ONでも、HT OFF時のVcoreでWindowsは起動できる。しかしCPUに高負荷を与えると
プラスαの電圧が無ければ作動は不安定になる。
オーバークロック時のCPUのコア温度
OC時のコア温度をHT ON/OFFでしっかり分けてグラフ化するとこんな感じ。
▲グラフ2:ウチのCore i7 920作動周波数とコア温度の関係
横軸はBCLK(MHz)
縦軸はコア温度(℃)
Prime95を30分~1時間走らせた後、TJ Max100℃にしたRealtempで計測した最大値。
う~む。ウチのi7は4.2Ghz HT ONにすると150℃以上行くな、コリャ。
その前にリセットかかるor壊れそうだけど。
ちなみに発熱量と消費電力は比例するらしく、消費電力はCPUにかかる電圧の二乗に比例するらしいので、電圧を二乗した数値でもグラフ作ってみた。
▲グラフ3:Core i7 920高負荷時の電圧(二乗)とコア温度の関係
横軸はVcoreの二乗、縦軸はコア温度(℃)
・ 予想通り電圧の二乗とCPUの発熱量は比例した。
・ 電圧1.0V以下の時の値(BCLK133MHz)が直線から大きく外れているのは、「室温の影響が大きい事」、「133Mhzだけメモリ倍率2:8倍、uncore freq x16倍で作動させていた」この二つの要因が大きいと思う。
・ もちろん発熱の大きい方がHT ON、低いほうがHT OFF。
HT ONの時の発熱量の多さはアチコチで散々論じられているので、ここではスルー。
HTを有効に使ってくれるアプリを持っていればONで使い、持っていなければOFFでOCして基本性能底上げで良いと思います。
はじめは高クロックで作動していた時の発熱量の多さはCPUクーラー(無限弐)の限界なんじゃないかと思ったけど、このグラフを見た限り、我が家の無限弐は妥当なお仕事をしてくれているようです。疑ってゴメンよ>無限弐(´・ω・`)
Core i7 オーバークロック電圧表を作ってみての感想
HTON/OFFで、高負荷時に必要な電圧って結構違うものですね。仕事量も発熱量も多いので仕方が無いのですが、知らずにOCしてるとOS不安定な原因を作りかねないです。
それから個人的見解になりますが、
Core i7のBロットってのは、実は選別落ちした個体じゃなかろうかと思い始めました。
で、Aロットは「未選別品」と「選別したけど出荷量の関係で920、940に回ったもの」じゃないかと。Bロットは4.0~4.4Ghz以上でぶん回すのに明らかに無理がある替わりに、ミドルレンジ(3.5~3.8Ghz)のOCは低電圧で出来る気がします。
実際に表にしてみると、4.2Ghz以上でぶん回すのは明らかに無理があるハズレ個体を引いたのが良く分かります(´・ω・`)
でも逆に考えると3.5Ghz~3.8Ghzで常用させる分には低電圧で作動できる分とても良い石を引けた事に。
(私的には最初からBCLK166~177MHzあたりで使うつもりでメモリはバルクで購入してましたんでBロットは◎です。)
実際問題BCLK166~177MHzの範囲ならQPILink速度も6.4GT/s以下。メモリが安物でも倍率2:6で作動させれば定格の範囲内。
Core i7920が965と同じ耐性を持っていると仮定すれば、OC耐性のあるマザーを購入しておけばCPU、マザー、メモリ、全て無理の無い範囲でのOCじゃなかろうか。
ここでオーバークロック電圧表の見直しをしてみる
最初に示した表1を良く見てみると、HTOFF時の安定作動する(と思われる)最低電圧の曲線がややイビツになっている&BCLK166Mhz~181MhzあたりがHTON時のVcoreに近い数値となっているのが分かる。
その辺りの数値を再び無理矢理に丸めてみると
▲グラフ4:ウチのCore i7 920作動に必要な最低電圧予想図
FSB | Vcore HToff | Vcore HTon | QPI v(x16) | QPI v(X12) |
133 | 0.96875 | 1.00000 | 1.10000 | 1.03900 |
166 | 1.10000 | 1.12500 | 1.20000 | 1.14100 |
170 | 1.11875(1.1250) | 1.15000 | 1.21250 | 1.15500(1.22500) |
174 | 1.14375 | 1.17600 | 1.22500 | 1.17000 |
177 | 1.16250(1.16750) | 1.20000 | 1.23750 | 1.18300(1.22500) |
181 | 1.19375 | 1.23125(1.24375) | 1.25000 | 1.20000 |
191 | 1.28750 | 1.34375 | 1.29375 | 1.2375 |
200 | 1.42500 | 1.53000 | 1.33125 | 1.27500 |
▲表2:Core i7 920 OCして作動するギリギリ低電圧予想表
こんなカンジになります。多分。
上記電圧があればウチのCore i7はギリギリ安定作動すると予測。
注)
この表はテストする度に書き換える可能性があります。
ゆえにグラフを表の整合性が取れなくなる可能性がある事ご了承下さい。
追記した場合は()内に作動電圧を表記。色分けは表1に準拠。
青字はPrime95を4~8時間作動確認した設定。
赤字はPrime95を30分~1時間作動確認した設定
2009.03.04追記
緑太字は3DMARK03などのベンチを完走させる為に必要な電圧。OC負荷テストにPrime95だけ使用していても安定作動に必要なQPI Vの下限を計測する事は出来ませんでした。
もうちょっと頑張ってみます(`・ω・´)
追記
上記表2(予想表)の設定、無理でした。
それから様々なオーバクロックサイトでCPU-Zで読み取った電圧を重視している理由も理解できました。ギリギリの電圧をBIOSで設定して、CPU-Z読みでそれを下回っているとPrime95が1時間以内に落ちますね(^_^;
VCoreに関してはホントにギリギリラインのOC予想表になっちゃってます。
最初に作った表1より若干低電圧で作動できるっぽい事は分かりましたが、表2(予想表)の電圧から2~3段階盛った電圧をBIOSで設定しなければ安定作動は難しいようです。
ある程度有効な表は作れたので良しとします。
ちなみに電圧、発熱量のグラフから、我が家の新マシンは
・ HT ONならBCLK170MHz X21倍、Vcore 1.15Vで、
・ HT OFFならBCLK177MHz X21倍、Vcore 1.1675Vで
常用する事に決定。
夏場にもう一回テストする必要あるけれど、このあたりなら発熱も少なくて安心して使えそうです。
10日間もの間 OCテストに耐えてくれた新PC、ありがとう。
来週からはエンコ地獄が待ってるよ(´・ω・`)