MBR(旧BIOS ) Windows 10 を UEFI にお引越しさせて、さらに Windows 11化する手順をメモしておく。

Windows 10 のサポート切れまでにしっかりした記事にしたかったが、時間が取れなかった。なので、ざっくりした手順紹介のみである。
VMware 上の検証結果のみ紹介する。実機での検証はしていない。

注意事項

あまり時間がとれない中で行った作業なので、雑である。
手順も洗練されていない。「それ違うだろ」というツッコミ所も残っている。
マネしたい人は自己責任で。分かる人は自分なりにアレンジして欲しい。

用意するもの・使うもの

・VMware 上の MBR Windows 10(バックアップ元、64bit版)
・VMware 上の 仮想HDD(データ用/バックアップ先)
・VMware 上の 新規の仮想PC(引越し先/UEFI 非TMP)
・Windows 10 (64bit) のインストールメディア
・バックアップツール(ドライブ単位の復旧が可能なものなら何でもよい)
・USBメモリ
UEFI Windows のブート領域復旧手順(念のため)

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準備1

下記をtxt ファイルでUSBメモリに保存しておく。
(上で用意した データ用仮想HDDに保存してもOKかも)

diskpart
# list diskとselect disk x は割愛。ドライブは1つだけと仮定
list vol # やらなくてOK
select vol x # やらなくてOK。回復環境を選ぶ。数字は、環境によって異なる。
list partition
select partition x # 回復環境を選ぶ。数字は、環境によって異なる。

# 本来は、ここで古い回復環境を消す(delete partition override 等)べきと思うのだが、
# 消さずに進んだ。

create partition primary
format quick fs=ntfs label=Recovery
set id=de94bba4-06d1-4d40-a16a-bfd50179d6ac
gpt attributes=0x8000000000000001
exit
reagentc /enable

上記は、UEFI 環境の回復環境を手動で再作成するためのコマンドである。
あとで、1行ずつコピペして実行していく。

準備2

VMware を 光学ドライブ等で起動させる方法を、あらかじめ練習しておこう。
(慣れないと、タイミングが難しい)
参考1:VMwareをUEFIブートさせる、BIOS画面を出す、CDブート、USBブートする
参考2:VMwareの起動ディスクの優先順位を変更する

まえおきや準備ここまで。以下本文。手順の紹介。

ざっくり手順

  1. コピー元 (VMware上の MBR Windows 10) に
    バックアップツールをインストール

    • バックアップツールは、ドライブ単位で復旧が可能なものなら何でもよい。
      私は Paragon のフリー版(Paragon Backup & Recovery Community Edition)を使った。
    • クローンツールで一気に新PCへCドライブを引っ越しさせても良いかも?
  2. バックアップの実行
    • バックアップ先は用意したデータ用仮想HDD
    • CドライブのみバックアップすればOK(ドライブ単位で復旧が可能であれば、丸ごとバックアップしてもOK)
      メモ: 現時点の Paragon のフリー版は、丸ごとバックアップしたデータからドライブ単位で復旧が可能だった
  3. コピー先となる UEFI Windows 10 を VMware 上に新規にインストール
    • UEFI のブート領域が必要なので、新規にインストールが必要。
    • Paragon フリー版の場合、リカバリメディアを作成するためにもこの手順が必要である。
    • コピー元より、少し大きめのドライブを作る。
      回復環境を追加するため、少しドライブに空き(未割り当て)を作っておいた。
    • UEFI かつ 非TPM な環境を用意する
      仮想マシンの作成で Windows 10 x64 を選択する。
    • .vmx を開き、UEFI 環境の仮想マシンであることを確認しておく
      firmware = "efi" があればOK
    • 引っ越しで上書きするのでアクティベーション不要。
  4. コピー先の UEFI Windows 10 にも バックアップツールをインストール
    リカバリメディアを作成する

    • Paragon フリー版の場合、リカバリメディアは引っ越し先の環境で作った方が動作が安定する。
      なので、引っ越し先のPCでリカバリメディアを作成する。
  5. 「4.」で作成したリカバリメディアで、C ドライブのみリカバリ
    • クローン先の仮想PCを、リカバリメディアで起動してリカバリする。
    • Cドライブ以外はリカバリしない。
      MBR と UEFI は、ブート領域の構成が全然ちがう。
    • リカバリが終わったら、仮想PC をシャットダウンする。
      リカバリ用の データ用仮想HDD を取り外す。
  6. リカバリが終わったら、仮想PCを起動する
    • 起動は失敗するはず。回復環境すら立ち上がらない。
      (回復環境を見失っている状態)
    • この手順はやらなくて良いかも?
  7. Windows のインストールメディアで仮想PC起動、回復環境再作成
    • インストールメディアは UEFI で起動させる。
    • コマンドプロンプトを起動する。
    • コマンドプロンプト上で、用意したテキストを1行ずつ貼り付ける
      ※ これが回復環境を再作成する手順。
      ※ notepad を使えばコピペが可能
    • PC を再起動する
  8. Windows 回復環境 が起動する
    • 恐らく一発では Windows が起動せず、回復環境 が起動するはず。
      正常起動してしまったら、念のため回復環境に移行する。
    • ここで、スタートアップ修復を2回行う。
    • 仮想 PC を再起動する
  9. Windows 10 が起動するはず
    • ここまでの手順で、UEFI 化 した Windows 10 が無事起動するはず。
      手元の環境で2台この手順を行ったが、いずれも大丈夫だった
    • もし起動しない場合、以下リンク先の手順でブート領域を復旧する
      UEFI/GPTインストールしたWindowsの「ブート領域」の復旧方法
    • 無事 Windows 10 が起動したら、数回再起動してみたり、インストール済みのアプリを立ち上げてみたり、アクティベーションがちゃんと通っているか等、正常動作しているか確認。
    • 確認出来たら PCを 完全シャットダウン。
  10. 引越し先 仮想PCを、バックアップ
    • 次項の手順の「TPM 化」で、仮想PCは別物になる。
      なので、.vmx ファイル や .vmdk ファイルなど仮想PCのファイルは、ここで必ずバックアップしておこう。
  11. Windows 10 を TPM 化する
    • なんちゃってTPM化でOK
      つまり、.vmx ファイルに以下を追記する
      managedvm.autoAddVTPM = "software"
  12. TPM 化した Windows 10 が 無事 起動するか確認
    > Windows 11 化する

    • 無事 Windows 10 が 起動したら、引っ越し手順は終了。
    • この状態で 4~5 日利用していると、Windows 11 へのアップデート通知が来るはず。
    • 4~5 日待てない場合は、手動で Windows 11 へアップデートしてもOK

手順は以上である。

この手順の問題点

ここで紹介した手順では、古い回復環境を削除していない。
なので、作成した仮想 PC で diskpart すると、以下のような状態となってしまう。
あ
▲クリックで拡大(Windows 10 TPM化 時点のもの)
あれこれと試行錯誤していたこともあり、回復パーティション3つある状態となってしまった。いずれ問題が起きそうな構成となっているが、今のところ無事 動作している。問題が起きてから対処しようと考え、このまま放ったらかしている。

事後の経過

この手順で 2台の仮想PCを Windows 11 化した。
時期は 2025年5月~6月にかけてである。

  • とりあえず 6、7、8、9 月のWindows Update を問題なく通過した。
  • この PCは、JAVA アプリの利用や自作 python コードの検証などで定期的に利用しているが、今のところ問題は発生していない。
  • 無茶な使い方で仮想PCを数回ハングさせているが、その後も仮想PCは問題なく起動している

この手順で作成した環境でも、無事に動いている感じである。

TPM 化の問題点

以下の理由で、仮想PCの運用方法を少し考え直さないといけない状況となってしまい、少し困っている。

  • TPM 化すると、データ用の仮想ドライブもTPM 化が必要になる。
  • XP~Win10時代に作成した仮想ドライブと互換性がなくなる。
    別途新しいデータ用の仮想ドライブが必要。
  • TPM 化した仮想ドライブ(データ用)は、他のTPM 化した仮想PCでも使えない
  • つまり、データ用の仮想ドライブを複数のPCで使いまわすことが出来なくなった
    (方法はあるかもしれないが、まだ調べていない)

今回の更新は以上。