書店をブラブラしてて、つい衝動買いしてしまった書籍の紹介。
「ケンパーマンの明治10年神代文字調査 ~あるドイツ人の明治初期の日本学~」
日本国内の歴史学・国語学でも眉唾モノ・キワモノ扱いされている 日本の古代文字(神代文字・アヒル文字) についての書籍です。
参考リンク
・神代文字 - Wikipedia
・阿比留文字 - Wikipedia
本書について
本書は「明治10年頃、日本(山陰地方)を調査しに来たドイツ人が神代文字について研究・記録した資料」を元に日本語訳と補足を入れたスタイルとなっています。
途中、シーボルトなどの研究の紹介や、古事記(序文)のドイツ語訳を和訳するコーナーなどもあり、歴史ミステリーに興味がある人にはなかなか面白い本です。
本書は「こういった研究は、現時点ではキワモノである」事を前置きして、非常に淡々と、控えめな表現で当時の資料を紹介していますが・・・
小中高校では習わなかった、日本の歴史の影の部分への想像が掻き立てられます。
入手は難しいかも(^_^;
本書は、山陰地方のローカルな出版社が発行しており、中国地方の大型書店でなければ、なかなか入手できないと思われます。
ちなみに全訳版はAmazonでも売ってました。
ケンパーマンの明治10年山陰紀行(全訳)―あるドイツ人が見た明治初期の山陰神在月の出雲・松
私が買ったのは、原文としてみれば上記より前のもの、国内で発行されたモノとしては上記の続編にあたる書籍です。
ちなみにAmazon内で検索をかけると・・・・
→Amazon 内「神代文字」検索結果
神代文字を扱った書籍は、意外とたくさんあるんですね。
神代文字について
そういえば、神社のおみくじやお守りなどに書かれた文字に・・・・なんだかこんなの見たことありますねえ・・・・。
▲クリックで拡大: 本の背表紙
読み仮名が振ってあります。神様の歌のようです。
ハングルっぽい文字もあったようです。
▲アヒル文字と云うそうです。
何かの文献で「弥生時代は日本と朝鮮半島でほぼ同じ言葉が使われていて、通訳なしでも意思の疎通が可能だった」みたいな記述を読んだ事がありますが、似たような文字も存在していたんですねえ。
これら神代文字・アヒル文字については「神代ノ文字ハ、秘事ニシテ、流布セス」などの資料が残っており、過去に於いても決して表舞台にたつ文字ではなく、当時の国家(又は神社や集落?)などが大切なことを記す際に用いた、秘密の文字だったようです。
本書では、神代文字の肯定・否定などは一切行わず、当時のドイツ人が残した資料を淡々と和訳し、難しい所に注釈を入れるのみにとどめています。
しかし、漢字が伝来する以前、日本にも独自の文字があった可能性が・・・・とか、色々想像が膨らみます。・・・結構ロマンを感じる本でした。