相互リンク頂いているネットセキュリティブログさんの「【ガンガンガン速(PC SpeedScan Pro)】 検証と削除方法について」という記事を読み、なんか衝撃を受けたので今更のように色々と調べてみました。という趣旨のページです。

っちゅうか、ガン速の話題は去年の夏に爆裂してた様ですね。その頃に気が付けよ俺!って感じです。

ガンガンガン速公式サイト
ガンガンガン速
http://www.gangangansoku.jp/
(とりあえずリンク貼らないでおきます(^_^;)

サイトを見た正直な感想:
え・・・「Microsoft CERTIFIED Partner」のロゴがあるのか・・・

そして無料ダウンロードで診断してからの有料版購入の流れ・・・
これ・・・よくある詐欺まがいのソフトと同じ系統のソフトじゃないですか?

どうなん?いいの?これ( ̄▽ ̄;)

という事で、色々と調査開始です。

VMware上の仮想PCで試してみる

今回は、VMware上に新たにWindowsをインストールし、その直後にガン速をインストールしてみました。
ガンガンガン速の レジストリスキャン画面
▲クリックで拡大
OSインストール直後でもエラーが存在するようです。
このスキャンは問答無用で始まります。
PCの修復を促してきますが、修復ボタンを押すと・・・

想像通り、修復できるのは購入者だけのようです。
修復できるのは購入者だけ
まあ・・・・海外のオンライン広告でよくある残念なメンテナンスツールと同じですね(^_^;

さらにこのツールは、スタートアップに常駐します。
PC起動する度にこの画面が表示されます。
PC起動する度にこの画面
そしてツールの起動方法がやや特殊なため、素人が[スタートアップ]や[サービス]から止めようとしても、無理に近いです。
とりあえず、公式サイトにアンインストールの方法が記載されているのが唯一の救いです。(ただしページの最後まで読んでからアンインストールしなければ正しい手順を踏めません)(^_^;

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国内販売、TVでCMを打っている製品でこの仕様はスゴイっすね。何か潔さすら感じてしまいました。

このツールには(キワモノソフトとして)一部に熱狂的なファンがいるのですが、その理由が「CMの魅力だけではない」という事も少し分かった気がします。
何かそそられるモノがありますわ( ̄▽ ̄;)

 

本文ここまで。以下はおまけ情報です。
(というか、以下はとりとめのない内容になってしまった)

よくある詐欺まがいのソフトについて

以下は、ガン速の話というよりも、海外サイトからダウンロードできる「詐欺まがいのメンテナンスソフト」全般についてのお話になります。

ネット上で見かける「詐欺まがいのソフト」に関しては、Let's Emu! さんが非常に詳しく情報を集めていらっしゃいます。

Let's Emu!さんが収集されたバナーサンプル
Let's Emu! さんが収集されたバナーサンプル
▲クリックで拡大
Webページに上記のようなバナー広告を配信し、閲覧者の不安を煽りインストールさせるソフトは、非常に多くの種類が確認されています。

補足

これらリンク先のツールは「システム修復ソフト」「ドライバユーティリティ」「セキュリティツール」など、種類は異なりますが「料金を支払わなければ作動しない」というシステムは同じです。

 

ちなみに上記のようなバナーが出たからと言って、そのPCが故障寸前だったり、ウィルスに感染しているワケではありません。
(ただし、どのサイトに行っても上記の警告バナーが表示されるようだと、ブラウザのクッキーが強制上書きされています。そのPCのセキュリティは相当甘くなっています。)
そして、広告先のツールをインストールしたら正常に戻る、という保証も一切ありません。


Microsoft CERTIFIED Partnerのカラクリ

Microsoft CERTIFIED Partner
▲こんなロゴのヤツです。ほかにも「Gold」と銘を打ったパターンもあります。

「PC SpeedScan Pro」の場合、開発元「Ascentive (アセンティブ)社」は、Microsoftと何かしらのパートナーシップを結んでいるのは確かなようです。
AscentiveのサイトにはMicrosoft の発行したパートナー証明書のPDFがありました。

Ascentive 社の証明書PDFリンク
→ http://www.ascentive.com/certification/certification.pdf

どうやらMSDNに参加し、恐らくこのような PDFファイルの手順で申請を行い、受理されれば取得できる証明書のような感じです。(ただしこのリンク先がAscentiveの取得した証明書と同じものかどうかは確認とれず)
追記
→もう少し詳しく調べてみました:Microsoft Certified Partnerロゴが詐欺まがいの悪質ツールに表示されてるのは何故なのか調べてみた

個人的な感想(というか推測)
  • 「Microsoft CERTIFIED Partner」のロゴは、海外の詐欺まがいのツール以外ではまずお目にかかる事はないですよねえ。
  • またMicrosoftのサイト内を色々と探してみても、どのようなパートナーに「このロゴ表示を許可」しているのか、確信の持てるページに辿り付けません。
  • という事で、他サイトで色々と指摘がある通り、Microsoftとは「一切関係のないロゴ」の可能性もありそうです。
  • 追記: どういうサイトがこのロゴを利用できるか調べてみました。
    Microsoft Certified Partnerロゴが詐欺まがいの悪質ツールに表示されてるのは何故なのか調べてみた
  • 同系統のツールはかなりの問題になりそうなレベルまで拡散しているのに、Microsoftがこの現状を静観している所を見ると、Microsoftと開発元の何かしらのパートナー契約自体は事実であり、このロゴを表記すること自体には問題は無いのかもしれません。。。

ガン速について

とりあえず
 ・名前を聞いたことはある
 ・どういう効果が期待できるか、容易に連想できる
 ・口コミサイトを見ると、効果は怪しい 
 ・他人に勧めないほうが良いソフト
という所までは予備知識はありました。

しかしまさか「Microsoft CERTIFIED Partner」のロゴまで入っていて、その仕組みも詐欺まがいのソフトと同じだったとは・・・・

ちなみに
  • 海外の詐欺ソフトは
    「ウイルスに感染しています」
    「PCが壊れる寸前です」
    など不安を煽るバナーを利用して、精神的なダメージを与えた上で半ば強制的にインストールさせている
  • ガン速は
    「PCが速くなる」
    とツールの効果を広告しているだけ。
    (誇大広告な感があることは否めないが、海外ツールのようなタチの悪さではない)

という感じなので、ガンガンガン速を「海外の詐欺まがいのツール」と同じと見るのはチョット可哀想かもしれません。

それでも、1週間程度のお試し期間も設けずに「問答無用でスキャン」して「修復は有料版のみ」というのは、やはりかなり乱暴です。同情の余地が無いのも事実だと感じます。

ツールとしての出来はどうか?

ガンガンガン速の レジストリスキャン画面
▲クリックで拡大

購入しない限り修復ボタンが効かないので以下は予想になってしまうのですがメンテナンスの性能は Glary Utilitiesなどのフリーのメンテナンスツールと同じような感じです。
(つまり「かなりアグレッシブ」にシステムの最適化を行うと予想できます。)

と言う事で、Glary Utilities とほぼ同じ機能を持っていると仮定すると・・・
 ・恐らく素人が無茶な設定で最適化をすると逆にPCの調子が悪くなります
 ・XPなら、確かにそれなりの効果はありそうです。
 ・しかし、その最適化もVista以降は微妙かも・・・。

あえて購入する製品ではないと感じました。

あとがき

以前に紹介した同系ツール WinZip System Utilities Suiteも、「WinZipのサイトがこんなツールだすのか・・・」とかなりの衝撃を受けたのですが、日本国内でも同じようなものが販売されたりTVでCMしてたりするとは考えもしなかったので、今回は更に大きな衝撃を受けました。