先日紹介した「GPU でzipパスワードを超高速解析するツール」に続き、
GPUを利用して高速にパスワードを解析するツールの紹介。フリーで利用可能なツールがありました。

rarをGPUで高速解析
▲画像はGUI版で解析中。

GUI版はシェアウェアですが、CUI版がフリーで利用可能です。

GPUでrarのパスワード、MD5のハッシュを高速解析するフリーソフト

いずれもフリーで利用でき、Windows XP/Vista/7 などで作動。
共にCUI(コマンドライン)で作動。
ライセンスtxtには「自分で作成したrar、ハッシュタグの解読にのみ利用可能。個人利用、非営利目的のみ利用可能。」と記載されています。悪用厳禁。

GPUはNVIDIA製 /ATI製の両方に対応。
パスワード解析速度
▲パスワード解析速度比較表。上図は golubev.com より転載。
どっちかと云うと、ATI製GPUに最適化されている感じです。
Q6600 @ 2.4Ghz 比で
HD4850が約20倍、GTX 260が約12倍の速度で解析を行うようです。

フリーで利用出来るツールはCUI版のみ。

パスワード解析ツール
▲クリックで拡大
英小文字のみ5桁のパスワードを解析テスト
Core i7 920 + NVIDIA 9600GT  ・・・・75秒で解析終了。
Core i7 920 CPUのみで解析した場合・・・・181秒で解析終了。
9600GTクラスでも、Core i7 4コアより2.5倍程度速く解析できそう。

rarのパスワードは128bit AESや AHS1で暗号化されていますので、zipの解析より時間がかかります。先日紹介した「パスゲッターPro」と単純比較して「なんだ遅いじゃん」と思わない事。

ツールの使い方

コマンドラインの解説
▲コマンドラインで利用するパラメーターの解説はReadmeファイルに記載されています。また「example.cmd」というサンプルCMDが用意されているので、これを編集・ダブルクリックする事で簡単にツールを起動させる事が可能です。

参考リンク:このツールを利用してMD5ハッシュ値の解読テストを行ったブログさん
グラボ(GPU)の力でMD5を解読 - うさぎ文学日記
HD 5770で
英小文字(8文字)をハッシュ化、解読→1分34秒
英小文字+数字(8文字)をハッシュ化、解読→12分5秒

有料のGUI版あり

このツールのGUI版は、The professional solutions for recovering lost passwordsにて「リカバリーツール」として有料で公開されています。
GPUパスワード解析ツールいろいろ
▲ダウンロードページ:Download password recovery tools
こんな感じで、様々なパスワード解析ツールがダウンロード出来るようになっています。
rar版以外にも、Zip版、WORD,EXCEL,ACCESSなど、各種OFFICE用のパスワード解析ツールがGPU対応。(注:上記ページのすべてのツールがGPU対応しているワケじゃない)

試用可能だが、解析結果の表示は無し。
rarをGPUで高速解析
▲無料&未登録のままでもパスワードの解析は可能ですが、一部機能に制限がかかっています。試用中でも、解析機能は全て利用可能です。

GPUのパフォーマンス
▲GPUのパフォーマンスを調整する画面
上記の様にスライダーを動かしてGPUの使用量を調整できます。

パスワード解析時の指定
▲ブルートフォース解析を行う場合も、上記の様な細かい指定を行い、より高速な解析が可能。

解析結果
▲試用中はこんな感じで、解析終了後のパスワードの全桁確認をする事が出来ません。

GPU解析や辞書機能等には制限は無いので、性能を確認するだけ・パスワードの硬さを確認するだけ・ベンチマーク的に遊ぶだけなら試用版でも充分遊べます。

あとがき

このページを書くにあたり、以下リンクに触発されました。

私はGPGPUを動画エンコ目的だけで利用していましたが、先月にこのような記事を立て続けに読んだ事で、「パスワード解析にGPGPUを利用したツール」をかき集めたい衝動に駆られた次第です(^_^;

とりあえず3~4日ほど、これらのツールで遊び倒す事が出来たので満足。
いつの日か役に立つ事があると信じて、これらツールはしばらくHDD内で塩漬けにしておきます。