Adobe Encore でブルーレイオーサリングをする場合、「ブルーレイ規格に準拠したh.264素材を用意したつもりなのに、何故か再変換がかかっちゃう・・・」な症状から抜け出せずにもがき苦しんだ顛末をメモ書き。

Adobe Encore CS5にh.264動画を取り込み、無劣化でブルーレイオーサリングを行う場合のTipsページとなります。

Adobe Encoreついて

Adobe Encore CS5にてブルーレイオーサリングを行う場合、オーサリングに使用する動画は、かなり厳密にBlu-ray規格に沿っていないと再エンコードがかかってしまう。

Adobe Encore で素材を読み込んだ図
Adobe Encore で素材を読み込んだ図
▲クリックで拡大: 
「トランスコードされていません」と表示されているものは、全てオーサリング時に再エンコードがかかってしまう。

  1.自分なりに[これでblu-ray規格に沿っているだろ?]てな設定でエンコした素材
  2.市販の動画変換ソフト等でブルーレイ規格に沿って変換した素材
などの場合で、その殆どが全て再エンコードがかかってしまった。

再変換なしに無事にオーサリング出来るのは
  3. ブルーレイから直接リッピングした素材
  4. Premiere でブルーレイ形式で書き出した素材
のみ、って感じ。自作素材で安定して無変換素材として取り込めるのは、Adobe Premiere Proで作成したh.264素材だけ・・・
どういう形式の素材を持ち込めば良いんだ?と頭をかかえてしまった。

x264で出力したh264動画をAdobe Encoreで無変換オーサリングするには

前ページ[x264でBlu-ray規格のh.264素材を作成する]で書いた手順でh.264動画を出力する事でようやく解決が出来た。
出力コンテナを*.264 (Raw H.264 data)にする事がポイントだった。
x264で保存時の注意
▲クリックで拡大
mp4/ISOコンテナや mkvコンテナで出力すると・・・Adobe Encoreにインポートした際に、強制的に再エンコ設定になってしまう。

スポンサー リンク

あと、ドツボにはまったのが、1280x720 30pで出力・オーサリングしようとしていた事。

Encoreのエンコード設定画面
▲Encoreのエンコード設定画面

Adobe Encore/Premiere Proでは、1280x720サイズで(ブルーレイ規格で)動画出力したい場合に、29.97/30 fpsが選択肢に出てこない
フレームレートは23.97/24/59.94 fpsのみが指定できる。

そして、別ツールで出力したブルーレイ規格の1280x720の29.97p/30p も、Adobe Encoreではブルーレイ規格として受け付けてくれない。。。

ブルーレイって元々そういう規格だったっけ・・・?

色々資料を読み漁ってみたけど・・・
Authoring a professional Blu-ray Disc with x264 >> 720p Encording
やっぱり 1280x720 29.97p でも大丈夫な筈だよねえ?
ブルーレイ規格に含まれているよねえ。
なんでAdobe 製品では弾かれちゃうのか謎。

とりあえず作成した素材をAviSynthで[ChangeFPS(60000,1001)]してフレームレートを倍加して、さらにx264で再変換して急場をしのぐ事にしました。

あとがき

Adobe Premiere Pro CS5 を利用して h.264 形式で動画出力すると、前ページ[ Premiere Pro CS5のエンコード画質(h.264)についてのメモ ]で書いたような不自然な画質劣化が発生する場合があるので、(っていうか今編集している動画素材が、このトラップから抜け出せないので)、別のエンコーダーを利用してh.264形式に出力する事を検討してこのページを書きました。

でも、今度は「あれれ?出力したh264動画がAdobe Encoreで強制的に再変換されちゃうぞ?」ってな所で壁にぶち当たり、試行錯誤するはめに。

このページを書いている時点では、既にx264を用いてブルーレイ規格に準拠したh.264動画の出力に成功、無事無変換オーサリングも終了し、家電再生機器でのテスト再生も終了しています。

 

ここ数日ゴチャゴチャと試行錯誤を繰り返す羽目になりましたが、やっぱx264で出力した動画は美しいですなあ。AviSynthで好きなノイズ除去フィルターを使って画質調整するのも楽しいですなあ。てな感じで久々に自分でエンコした動画の画質に惚れ惚れする体験をしてしまいました。