先日の更新で「はじめてファイルサイズ1GBを超える1枚絵 (PSDファイル) を作成する事になった」と書いていたのだが、その1枚絵はレイヤーがどんどん増え、とうとうファイルサイズが2GBを突破してしまった。
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上図はギリギリ2GBを超えていない時のもの。
書き込みや修正を加えるたびにレイヤーが増えていくので、PSDファイルはどんどん育っていった。
編集画像が2GBを超えた場合、どうなるのだろう?
答えは「PSD形式では保存できない」だ。
PSDファイルが2GB突破した時のエラーメッセージ
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※このメッセージは PSDファイル保存時に表示される。作成中にエラーは出ない。
まじかこれ。
メモリもストレージも大容量化し、OSもアプリも64bit化し、FAT16はほぼ死滅し、FAT32 なファイルシステムもUSBメモリくらいしか採用していないこのご時世に、PSD形式のファイルは2GBを突破する事が出来ないのだ。
※補足
FAT16 ・・・・ 1つのファイルサイズの上限2GB
FAT32 ・・・・ 1つのファイルサイズの上限4GB
2GBを超えたデータはどうするか
PhotoShopには、大きなファイルサイズ用に、PSB (ビッグドキュメント形式) という別のファイル形式が用意されている。
PhotoShopのファイル保存操作の画面
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このPSB (ビックドキュメント形式) であれば、2GBを超えたファイルも保存できる。
※PSB形式について補足
- ファイルサイズ2GB以上
- 一辺の長さが30,000ピクセル以上
- HDR、32 bit/チャンネルの画像
補足: 「一辺の長さが30,000ピクセル以上」になるとPSDで保存できないというのは、盲点になりがちなので注意したい。
なんだ、これ使えば楽勝じゃんと思ったが、このPSB形式のファイル、Illustrator にリンクして使おうと思うと、かなり使いにくい。
Illustrator にPSB形式のファイルを読み込んでみる
PSB画像は、レイヤー統合などの処理が入った上で Illustrator に読み込まれる。
aiファイルで画像をリンクしようと思うと、毎回以下のようなダイアログが出る。
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毎回これが出るのでちょっと面倒くさい。
とりあえず、「複数のレイヤーを1つの画像に統合」を選ぶのが (負荷が一番軽くなるので) おすすめ。
そして PSB形式であっても、2GBを超えたファイルを Illustrator で開くのはかなり時間がかかる。リンク用の画像が生成される際、以下のようなダイアログで1分~数分待たされるのだ。
PSB形式の画像を Illustrator で開く時の画面
このようなプログレスバーが表示される。結構長い。
- このプログレスバーが最後まで進み画像が開いた後も、1~2分の間はPCが非常に重く、マウスカーソルがカクカクしちゃう状態が続く。
- そして、マウスカーソルがスムーズに動くようになっても、アクティブウィンドウを Illustrator と PhotoShop 間で切り替えると、PCが壊れるんじゃないかと思うぐらい画面が点滅しまくることがある。
画面の点滅はビデオカードドライバの問題のような気もするが、なんかもう、全然実用的じゃない。
こうなると、制作の途中段階で都度「PSBで制作 > レイヤー統合してPSDで保存」を行い、「変更のたびに2GB以下のプレビュー用のPSDファイルを作成する」のがベストになるかと思う。
しかしこの方法だと操作ミスでレイヤー統合したものをオリジナルのPSBファイルに上書き保存してしまうのが怖い。PSD保存は最後の1回だけにしたい。
こう考えると、PhotoShop で 2GB以上のファイルを制作すること自体、控えた方が良いんじゃないかと思えてきた。
まとめ
- PSD形式のファイルは、上限は2GBである。
それ以上大きなファイルを作成する場合、 PSB 形式で保存する。 - しかし2GB超の巨大な PSB ファイルを Illustrator上にリンクさせるのはとても現実的ではない。
- やはり Illustrator上で利用したい画像ファイルは、PSD形式で2GB以下に収まるよう、工夫しなければならないようだ。
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