AutoMen(Mencoder)によるエンコードが爆速なのは分かったけど、んじゃあ画質的にどうなの?とか再生負荷はどうなの?とか、まずは地デジTS素材を使って色々検証中。

前回:地デジTSファイルをAutoMen(Mencoder)で簡単・爆速エンコード
前々回:MencoderをGUIで簡単に使えるフリーソフト、AutoMen
の続きになります。

とりあえず色々な設定でエンコして、エンコード速度や画質を比較してみたものを表にしてまとめておきます。
個人的覚書き要素が強いお話です。

各種設定とエンコード速度、再生負荷 等のまとめ

設定 Bps(K) CPU
使用率
エンコ時間 fps 再生負荷 備考
FFMpeg
-i -threads 2
-coder 1 -g 12
4000 70~80 5:59 7.3 ××× 読み込みにDGIndex
使用
Xvid
1.2.1
デフォルト
4000 50~55 4:35 9.5 読み込みにDGIndex
使用
Menc
uFast 4000 90 2:17 20 読み込みにDGIndex
使用
Menc uFast 4000 95 1:42 25~28
Menc uFast 6000 95 1:48 22~26
Menc uFast 8000 95 1:53 22~25 ×
Menc Normal 4000 95 3:22 16
Menc Normal 6000 95 3:27 15~16
Menc Q-Fast(crf=22) (6000) 90 3:53 12
Menc Q-Normal(crf=20) (8000) 90 3:43 14 ×
Menc Q-High(crf=18) (9000) 90 18:41 5 ×××

2009.04.22追記
上記データーはAthlon64X2 2.5Ghzにて取ったものです。
Core i7 920で同様の変換を行った所、
最新のFFMpegとMencoderで、変換速度差は殆どありませんでした。
どちらも高速です。
≫参考:core i7 920で動画エンコード速度比較

Athlon向けにビルドされたものを使用していましたが、プロセッサにより変換速度は大きく異なるみたいです。

■エンコードPC:Athlon64X2 2.4Ghz、MEM:2GB
■FFMpegは携帯動画変換君を使用。
■XvidはVer1.2.1、VDMを使用
■MencはAutoMen(Mencoder)使用
■再生負荷はVCL media layerにて再生、評価。
 環境はAthlon64X2、1.2Ghzにダウンクロック、シングルコア。
   ○はCPU100%に達しないで快適に再生。
   △は動きの激しい部分でCPU100%になるものの、満足に再生したもの
   ×は殆どのシーンでCPU90%以上になり、ややコマ落ちしたもの。
   XXXはほぼ全てのシーンでCPU100%となり、視聴に耐えられない

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寸評

  1. DGIndexが意外と律速。使用していると、20FPS以上出ない。
  2. Mencoderのエンコードはやはり速いが、UltraFast設定などはh264の殆どの機能をOFFにしてしまっているので当然なのかも。
  3. しかし、様々な機能をOFFにした事で、再生負荷も軽くなっていると思われる。
  4. 同じ設定でも、ビットレートが高くなると再生に支障が生じている。
    むやみにビットレートを上げると低スペックPCで再生できなくなる。
  5. FFMpegも様々なパラメータをOFFにすればエンコード速度は上がるのかもしれない。

 

画像で比較

カーソルを乗せた時ソース(オリジナル)画像に切り替わります。
(ブラウザのJavaScriptを有効にして下さい。)

設定 Bps(K) サンプルその1
オリジナル
ソース
ソース
FFMpeg
(DGIndex
+変換君)
-i -threads 2
-coder 1 -g 12
4000 サンプル
Xvid
(DGIndex
+VDM)
1.21
デフォルト
4000 サンプル
Mencoder uFast 4000 サンプル
Mencoder uFast 6000 サンプル
Mencoder uFast 8000 サンプル
Mencoder Normal 4000 サンプル
Mencoder Normal 6000 サンプル
Mencoder Q-Fast(crf=22) (6000) サンプル
Mencoder Q-Normal(crf=20) (8000) サンプル

サンプルその2

設定 Bps(K) サンプル2
オリジナル
ソース
ソース2
FFMpeg
(DGIndex
+変換君)
-i -threads 2
-coder 1 -g 12
4000 SmartDeinterlace
Xvid
(DGIndex
+VDM)
1.21
デフォルト
4000 SmartDeinterlace
Menc uFast 4000 SmartDeinterlace
Mencoder uFast 6000 SmartDeinterlace
Mencoder uFast 8000 SmartDeinterlace
Mencoder Normal 4000 SmartDeinterlace
Mencoder Normal 6000 SmartDeinterlace
Mencoder Q-Fast(crf=22) (6000) SmartDeinterlace
Mencoder Q-Normal(crf=20) (8000) SmartDeinterlace

JPG形式にして見た所、画像がかなり甘くなり違いが分かり難くなりました。
ブロックノイズが物凄く判別しづらくなってます(´Д`;)
と言う事でPSDファイルも用意しました。フルサイズだと著作権的なモノとか、サーバーの転送量とか、色々心配なので上表と同じサイズの一部切抜き画像です。
興味のある方のみダウンロード下さい。
比較用サンプル
▲こんなカンジにレイヤーに名前が打ってあります。PhotoShop形式が読み込める環境で、劣化前との比較データをご覧になりたい方はこちらをどうぞ。(1.07Mb)

画像比較の寸評

  1. FFMpeg 4Mbpsは、ノイズリダクションやデブロックオプションが有効なのか、ザラつきが無く、他と比べ平坦部の潰れは大きい。しかしそれが、動画として見るとこれが一番キレイな表現である。他はブロックノイズのバタバタが目立つ。
    時間がかかるだけあって優秀。
  2. AutoMenのx264 UltoraFast設定4Mbpsは、動画で見る分には破綻が酷い。
    スポーツ中継、歌番組、水面のゆらぎなどの表現は無理。
  3. AutoMenのx264 UltoraFast設定でも、8MBpsまでビットレートを上げるとオリジナルと殆ど変わらない映像が得られる。フィルムノイズも自然。スポーツモノも私ならOKレベル。
  4. AutoMenのx264Normal設定で6MbpsQ指定でcrf=22~26辺りで、好みに応じてオプションパラメータの取捨てを行えばそこそこ汎用性のある設定が作れそう。
  5. 地デジ素材は元からブロックノイズが多かったり、最初から細部が潰れていたりするので、HD画質でh264形式にエンコする際でも最大で8Mbpsあれば良さそう。

 

Xvid、FFMpegなどは私が320X240~640X480サイズで動画変換する事を前提に初期値が設定してあり、1440X1080サイズでエンコードするには、画質設定を詳細に詰めすぎてあるのかも知れません。

何が言いたいかと言うと、地デジの映像はキレイに見えて大雑把。
素材がかなり大雑把なので、設定が大雑把でもそれなりの画質でエンコしてくれる事が分かってきた。地デジ素材がどれくらい大雑把かと言うと、、、

スケート
本日放送している全日本スケート選手権の流れるような映像の「背景」

野球
▲野球中継で、前面にピントの外れたネットが存在している時

上記のような部分は低ビットレートでエンコードすると凄く酷いものになるのだが、元からかなり画像が荒いので、ビットレートや設定を高くしても思ったほど効果が出ない。

地上波放送とBlu-rayビデオで映像比較されているブログがありますので、そちらを見てみると。。。≫ポケットニュース: 「時をかける少女」地デジとBDの比較

従来のアナログ放送と比較すれば段違いに綺麗なのは確かですが、やっぱり地デジ映像はやっぱり大雑把。

今の所の個人的まとめ

リサイズ無しでエンコする時はAutoMenのUltraFast設定で爆速エンコで問題なしと思います。

960X540くらいのサイズまでリサイズすると、さすがにUltraFast設定では不満の残る画質になります。この辺はこれから色々設定を詰めて満足行く画質とエンコ速度を考えてみようと思ってます。