LoiloScope2のCUDAを利用して、「どれ位の画質に設定すれば(個人的に)満足できるのか?」をチェックしてメモ書きしたページ。

LoiloのCUDA設定画面
▲クリックで拡大: LoiloのCUDA設定画面

結論から書くと、x264を利用している時よりも、ほんの少しだけQ値を下げる必要があるかな?って所です。
GPUエンコーダーがCPUエンコーダーより画質面で劣るのは仕方が無い事。でもQ値を1~2ほど下げてやれば満足できるってのは凄く意味があると思います。

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先に結果

表:満足出来る画質目安(LoiloScope2 CUDA利用時)(2011.10.02一部追記)
IQPPQPBQPIDR
SD画質21232330
960x54021~2223~2423~2430
720P  HD画質23~2424~2524~2530
1080P フルHD画質25252530 (全て初期値)
PSP画質22232330
永久保存版用にする場合18212130
繊細な映像・静かな映画
(HD画質でもQ値上げないと気になる)
20222230
(参考: x264を使って永久保存版にする場合)202323auto
CPUエンコ(x264利用)時は、上記よりQ値に1~2ほど大きい設定を入れています。
あくまでも個人的主観ですが、上記くらいで満足できました。
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以下テスト内容

まず、いつも利用しているSimple x264 Launcherを利用して、品質固定のh.264動画を作成してみる。
ビットレート解析
AVInapticでx264 動画のビットレート解析。
Simple x264 Launcherを利用する場合、個人的には(SD画質の場合は)CRF=21がギリギリ許せる画質のライン。これIQP=21だと思っていたけど、 IQP=24 / PQP= 27 / BQP=27 でした。

Loiloの設定
▲LoiloのCUDAに同様の値を設定してみます

Loiloで動画変換:ビットレート解析
▲同じくAVInapticで、Loiloの動画のビットレート解析。
I=24 / P= 27 / B=27 になっている事を確認。

ファイルサイズ
▲(これは前ページの画像だけど)こんな感じでx264を利用した場合とファイルサイズはほぼ同じになります。

 

画像比較(マウスカーソルを載せると画像切り替わります)
MainとHigh画像比較
▲拡大しない方が違いが分かりやすかったので、等倍表示。
 画面左側の、ピンボケした金網部分の表現に注目。
 (画質はI=24 / P= 27 / B=27)

金網の部分がモヤモヤしちゃうのは、Q値が足りないと言うより、シーンチェンジ検出&自動Iフレーム挿入が無い為だと考えています。
この辺はPQP、BQPの数値を1~2ほど下げれば少しは改善します。SD画質だと、IQP=21 /PQP・BQP=23あたりまで設定を上げないと、このモヤモヤが気になりました。

しかしコントラストの高い部分は充分キレイ。HD画質で変換するなら、初期値のまま動画変換しても許せるレベルに納まります。

・・・と、こんな感じに次々とテストをして行きます。

そして、色々試した結果(個人的に好みな画質を得たい場合)は、
  • SD画質で(CUDAを利用して)動画変換する場合は
    I-Q=21 / P-Q=23 B-Q=23 あたりが下限かなって感じ。
  • x264と同等のレベルで細部まで保持したい場合は、
    I-Q=18 / P-Q=21 B-Q=21 程度にする。
    (モヤモヤした部分はx264に負けるけど、それ以外はほぼ同等)
    (ただしファイルサイズかなり大きくなる。実用的なファイルサイズにしたければ、Q=19~20が下限。)
  • PSPやスマートフォン用動画にする場合は、画面サイズや再生負荷も考えて
    480x272サイズ I-Q=22 / P-Q=23 B-Q=23 あたりで良いかなって感じ。
  • フルHD画質ならば、初期設定(QP=25)でも画質劣化はあまり気にならない
  • 1280x720サイズならば、IQP =22~24あたりでOKな感じ。

IDR周期のテスト

LoiloのIDR設定
▲ここから設定できる
「IDRの周期を長くした方が高画質になるんじゃないの?」と、色々な数値を入れて遊んで見ましたが、どうも初期値30がベストな感じ。最大でも60あたりが無難なようです。

  • IDRを大きくすると、周期的なベリノイズの解消には大きく役に立つ。
  • Iフレームが自動挿入される訳じゃないので、周期的なベリノイズやバンディングノイズの発生がゼロになる訳じゃない。周期を大きくした分ノイズは大きくなる。
  • ファイルサイズが縮むかな?と思ったけど、シーンチェンジの激しい動画の場合は、逆にファイルサイズが増える。
  • 不要にIDR周期を長く取ると、シークや再生が重くなる場合が多い。

無茶な数値を設定しない方が良いです。

というわけで

冒頭で書いた表をもう一度。

 表:満足出来る画質目安(LoiloScope2 CUDA利用時)
IQPPQPBQPIDR
SD画質21232330
960x54022242430
720P  HD画質23~2424~2524~2530
1080P フルHD画質25252530 (全て初期値)
PSP画質22232330
永久保存版用にする場合18212130
(参考: x264を使って永久保存版にする場合)202323auto
PQP/BQPは上限25。それ以上は急激に画質が落ちる。
IQPも26以上にすると、LoiloのCUDAは画質が急激に落ちる。
IQP=23~25だと、細部の表現力がやや落ちる。でもかなり良好。
SDクラスの画面サイズだと、IQP =21~23 が実用範囲。
HDクラスの画面サイズだと、IQP =23~25でも画質劣化は気にならない場合が多い。

このあたりを目安にすれば変換速度・画質・ファイル容量のバランスの良い動画変換が行えるんじゃないかな?といた所です。

今、5~6個ほどCUDAツール試していますが、IQP固定できる事、画質もそれなりに良好な事、この2点でLoiloScoope2が一番お気に入り。

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